ルチア
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ルチア

悲しみは「狂乱の場」で頂点に。引き裂かれた愛の悲劇

ルチア

UNITED KINGDOM
あらすじ
17世紀のスコットランド。ランメルモールの領主エンリーコは妹ルチアをアルトゥーロと政略結婚させようとしているが、ルチアは宿敵レイヴンズウッド家のエドガルドと愛し合っている。これを知ったエンリーコは恋人の裏切りを示す偽の手紙をルチアに見せ、結婚を承諾させる。真相を知らないエドガルドはルチアの裏切りを激しく責める。ルチアは正気を失い花婿を刺殺。血に染まったルチアが祝宴に現れ、錯乱する意識の中で、エドガルドへの愛を必死に訴え息絶える。すべてを知ったエドガルドもルチアの後を追う。
舞台となった土地紹介
ラマムーア丘陵地帯
《ルチア》の原作はスコットランドの作家、ウォルター・スコットの書いた小説『ラマムーアの花嫁The Bride of Lammermoor』です。スコットランドの首都エディンバラの南東にあるラマムーア丘陵地帯(スコットランド語の綴りはLammermuir 。発音はランマーミュアに近い)は、隣接するボーダース地方との自然な境界を作っている湿原で、羊の放牧が多く、Lammermuirの語源も〈羊の荒野〉から来ているという説があります。『ラマムーアの花嫁』は1669年にスコットランド南西部で本当にあった事件を元に書かれていますが、舞台を南東部のラマムーアに移し、レイヴンズウッド家とアシュトン家の対立にも政治的・宗教的背景を取り込んで緊張を高めています。レイヴンズウッド城は実際には存在しないようですが、先祖代々のこの城を追われたエドガー(オペラではエドガルド)が居城としている岸壁の砦、ウルフズクラッグ(Wolf's Crag=狼の岩)のモデルは、ラマムーアのあるロージアン地方からボーダース地方に入ったところの絶壁にあるファスト・キャッスルだといわれています。今ではほとんど自然に帰ってしまった要塞跡ですが、そこから見わたす北海は絶景です。

Digest Movie

  • 【作曲】ガエターノ・ドニゼッティ/1835年
  • 【原作】ウォルター・スコット『ラマムーアの花嫁』
  • 【台本】サルヴァトーレ・カンマラーノ(イタリア語)
  • 【初演】1835年9月26日/ナポリ/サン・カルロ劇場
  • 【制作】新国立劇場2017年
  • 【共同制作】モンテカルロ歌劇場
  • 【構成】3幕/約2時間20分
  • 【演出】ジャン=ルイ・グリンダ
  • 【美術】リュデイ・サブーンギ
  • 【衣裳】ヨルゲ・ヤーラ
  • 【照明】ローラン・カスタン