ファルスタッフ
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「この世は全て冗談さ」シェイクスピアを題材にした、ヴェルディ最晩年の傑作

ファルスタッフ

UNITED KINGDOM
あらすじ
太った老騎士ファルスタッフは、金目当てに人妻のアリーチェとメグに同文の恋文を出す。まったく同文と気づいた二人、それにファルスタッフに恨みを持つ従者バルドルフォとピスト―ラ、ファルスタッフを心良しと思わぬフォードと医師カイウスは、みんなで彼を懲らしめることに。ファルスタッフをおびき出し散々な目にあわせる間にフォードの娘ナンネッタと恋人フェントンの結婚も決まって、ファルスタッフが「この世はすべて冗談」と歌い出すフーガで大団円となる。
舞台となった土地紹介
テムズ河
ヴェルディ作曲《ファルスタッフ》はシェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』を原作にしています。舞台となったウィンザーは英国王室にゆかりの深い町。ロンドンから西35kmにあり、現在使われている王室の居城としては世界最大の規模を誇るウィンザー城で知られています。『ウィンザーの陽気な女房たち』はシェイクスピア喜劇の中で英国を舞台にしている唯一の作品です。英国女王エリザベス一世がシェイクスピアの『ヘンリー四世』に出てくる破天荒な騎士フォールスタッフを気に入り、彼を主人公に喜劇を書くように命じてこの作品が生まれたという言い伝えも残っており、ウィンザーの自然や市民生活が活写されているのが魅力です。オペラ第2幕の最後、ファルスタッフが洗濯物かごに入れられテムズ河に投げ込まれる場面があります。シェイクスピアの原作では洗濯屋街まで運ばれていき河畔のどぶに落とされるところを、オペラではアリーチェの家の窓の外がもうテムズ河畔になっており、ファルスタッフは窓から投げ落とされてしまいます。ずいぶん乱暴なこらしめですが、ファルスタッフの太鼓腹が浮き輪の役割を果たし、彼は無事生還を遂げるのでした。

Digest Movie

  • 【作曲】ジュゼッペ・ヴェルディ/1890~92年
  • 【原作】ウィリアム・シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』『ヘンリー四世』
  • 【台本】アッリーゴ・ボーイト(イタリア語)
  • 【初演】1893年2月9日/ミラノ/スカラ座
  • 【制作】新国立劇場2004年
  • 【構成】3幕/約2時間10分
  • 【演出】ジョナサン・ミラー
  • 【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
  • 【照明】ペーター・ペッチニック