蝶々夫人
蝶々夫人
蝶々夫人
蝶々夫人

純愛を信じた蝶々さんの短く、はかない一生の物語

蝶々夫人

JAPAN
あらすじ
弱冠15歳の長崎芸者、蝶々さんは、女衒のゴローの斡旋でアメリカ海軍の軍人ピンカートンの妻となる。「次に駒鳥が巣を作る頃には戻る」と言い残して本国に戻ったピンカートンを、蝶々さんは息子とともにひたすら待ち続ける。3年後、彼はアメリカ人の妻ケートを伴って長崎に帰ってくる。全てを悟った蝶々さんは、息子の将来を考えて彼をケートに託し、自身は武士だった父の形見の短刀で自害する。
舞台となった土地紹介
グラバー園から見た長崎の街並み
《蝶々夫人》の舞台となった長崎は坂が多いことで知られる町です。このオペラの原作はプッチーニがロンドンで観劇したデヴィッド・ベラスコの同名のお芝居(1900)ですが、その元となったアメリカのジョン・ルーサー・ロングの同名の小説(1898)があります。《蝶々夫人》は歴史物ではなく、同時代の話題を扱ったオペラでした。ロングの姉は宣教師の妻として1891年から95年まで長崎に滞在しており、彼女から聞いた話が小説の素材になったのです。蝶々さんに直接のモデルがいるかどうかは分かっていません。小説によれば、蝶々さんの家は長崎の東山手の丘の上にあり、見晴らしがよく、ピンカートンがアメリカの金具を使って出入口に鍵をかけられるようにした以外は完全に純日本式の、小さな美しい家だったとあります。現在わたしたちが訪れることができる長崎の名所の一つに、有名な英国人商人グラバーが1863年に建てさせた日本最古の木造洋風建築があります。東山手に隣接した南山手の丘にあるグラバー園から港を眺めれば、蝶々さんがピンカートンを待って眺めた風景が心に浮かぶかもしれません。

Digest Movie

  • 【作曲】ジャコモ・プッチーニ/1901~03年
  • 【原作】ジョン・ルーサー・ロング『蝶々夫人』に基づくデヴィッド・ベラスコの戯曲
  • 【台本】ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ(イタリア語)
  • 【初演】1904年2月17日/ミラノ/スカラ座
    (改訂版1904年5月28日/ブレシャ/グランデ劇場)
  • 【制作】新国立劇場2005年
  • 【構成】2幕/約2時間20分
  • 【演出】栗山 民也
  • 【美術】島 次郎
  • 【衣裳】前田 文子
  • 【照明】勝柴 次朗