タンホイザー
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タンホイザー

官能か?純愛か?愛の苦悩を壮大に描いたワーグナーの人気作

タンホイザー

GERMANY
あらすじ
中世ドイツ。騎士タンホイザーは、愛欲の女神ヴェーヌスの虜となるが、やがてこの快楽の日々に飽きて、彼を愛する清らかな乙女エリーザベトが待つ人間世界に戻る。温かく迎えられたものの、城で開催された歌合戦に参加し、ヴェーヌスを讃えてしまう。この大罪への赦しを得るためローマ法王のもとへ懺悔の旅に出るが、叶わず絶望し、再び官能の愛に溺れそうになる。しかし、エリーザベトは自らの命を犠牲に彼の罪を償い、救済されたタンホイザーも息絶える。
舞台となった土地紹介
ヴァルトブルク城
ワーグナーの《タンホイザー》は、「タンホイザーとヴェーヌスベルク」の伝説と「ヴァルトブルクの歌合戦」の史実・伝説をもとに作られました。中世のミンネゼンガー(宮廷恋愛歌人)たちが歌を競ったヴァルトブルク城は、ドイツ中部テューリンゲン州アイゼナハ郊外の、緑濃い森を一望する山の上に実在しています。13世紀初め頃のこの城には、当時の領主ヘルマン一世に招かれた歌人たちが集いました。タンホイザーを擁護する友人として描かれるヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハは当時を代表する有名な歌人です。《タンホイザー》第2幕の歌合戦は、城の3階部分にある〈祝典の間〉が舞台です。ワーグナーは彼の全ての作品の台本と音楽を手がけており、この《タンホイザー》も例外ではありません。彼は台本を構想していた1842年に初めてこの地を訪れています。当時のヴァルトブルク城は、時代ごとの改修を経て中世の面影を失い荒れ果てていました。ドイツ国民統合の象徴としてヴァルトブルク城が歴史的再建が果たされ〈祝典の間〉が蘇ったのは、《タンホイザー》が1845年にドレスデンで初演された15年後のことでした。

Digest Movie

  • 【作曲】リヒャルト・ワーグナー/1843~45年
  • 【原作】中世の詩『ヴァルトブルクの歌合戦』/
    ハインリヒ・ハイネ『タンホイザー』他
  • 【台本】リヒャルト・ワーグナー(ドイツ語)
  • 【初演】1845年10月19日/ドレスデン/宮廷歌劇場(ドレスデン版)
    1861年3月13日/パリ/オペラ座(パリ版)
  • 【制作】新国立劇場2007年
  • 【構成】3幕/約3時間
  • 【演出】ハンス=ペーター・レーマン
  • 【美術・衣裳】オラフ・ツォンベック
  • 【照明】立田 雄士
  • 【振付】メメット・バルカン