ばらの騎士
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ばらの騎士

婚約のしるしは銀の薔薇。煌めく音楽が綴る美しき恋と別れの物語

ばらの騎士

AUSTRIA
あらすじ
20世紀初頭のウィーン。元帥夫人は夫の留守中に若きオクタヴィアンと愛し合っている。ある日オクタヴィアンは、男爵オックスの婚約者ゾフィーに結納品である銀の薔薇を届けることとなる。しかしそれをきっかけにオクタヴィアンとゾフィーは恋に落ちる。無作法なオックスとの結婚を嫌がるゾフィーを見てオクタヴィアンは婚約を破棄するようオックスに申し出、二人は決闘となる。しかしオックスは軽い怪我で大騒ぎ、さらに女装したオクタヴィアンからの偽りの恋文でだまされ、ゾフィーとの婚約は破棄となる。元帥夫人も若い男女の恋を見抜いて祝福しながらその場を去る。
舞台となった土地紹介
ウィーンの街並み
《ばらの騎士》は18世紀ロココ時代のウィーンを舞台にしたオペラです(新国立劇場のジョナサン・ミラー演出によるプロダクションは、このオペラが作曲された20世紀初頭に時代を移しています)。《サロメ》《エレクトラ》という血塗られた題材の衝撃的な作品で人気を博していたシュトラウスは、「次はモーツァルトのようなオペラを書く」という狙いを持って、ウィーン出身の天才詩人フーゴ・フォン・ホフマンスタールに台本を依頼しました。オペラの題名にもなっている、結婚を申し込む男性側の使者が銀のばらを持って相手の家を訪れるというウィーン貴族社会のしきたりは、ホフマンスタールが考え出したもので実際には存在しません。またこのオペラでとても印象的に使われているワルツの音楽も19世紀以降のものであり、ロココ時代のウィーンにはまだありませんでした。《ばらの騎士》が初演されたのは1911年。1914年には第一次世界大戦が始まり、ドイツ・オーストリアの敗戦により13世紀から続いたハプスブルグ家の帝国は解体します。オペラ《ばらの騎士》は帝都ウィーンが残した最後の大きなばらの花でした。

Digest Movie

  • 【作曲】リヒャルト・シュトラウス/1909~10年
  • 【台本】フーゴ・フォン・ホフマンスタール(ドイツ語)
  • 【初演】1911年1月26日/ドレスデン/宮廷歌劇場
  • 【制作】新国立劇場2007年
  • 【構成】3幕/約3時間10分
  • 【演出】ジョナサン・ミラー
  • 【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
  • 【照明】磯野 睦