椿姫
椿姫
椿姫
椿姫

パリ社交界に咲いた真実の愛。屈指の人気を誇る名作オペラ

椿姫

FRANCE
あらすじ
パリの高級娼婦ヴィオレッタは、富豪の息子アルフレードからの真摯な愛に次第に心を開き、二人は郊外で一緒に暮らすこととなる。ある日アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪れ、アルフレードとの関係を終わらせるよう頼む。最初は拒むヴィオレッタであったが、アルフレードを思い、涙をのんで身を引く。これを裏切りととらえたアルフレードは夜会で彼女を罵倒するが、やがて誤解と分かった時はすでに遅い。肺の病で先が長くないヴィオレッタは、再開に喜びながらも愛するアルフレードの腕に抱かれ息絶える。
舞台となった土地紹介
パリの街並み
19世紀のパリで流行の先端をいっていたのが“高級娼婦”とよばれる女性たちでした。“娼婦”とはいっても、貴婦人も羨むような高級なマンションを借り、最先端のモードに身を包んだ彼女らは、貴族や裕福な男たちが連れ歩いて自慢したいと思う憧れの美女たちだったのです。当時の女性のファッションには生花の飾りが欠かせなかったそうで、ヴィオレッタがいつも身につけていた椿の花もパリジェンヌの憧れのまとでした。高級娼婦は金銭を受け取って付き合う男性を自身の才覚で選ぶことができました。彼女らは富と豪華な衣裳をみせびらかすために、昼は目抜き通りで馬車を走らせ、夜はさまざまな劇場で上演されるオペラや芝居に顔を出すことが日常でした。《椿姫》のヴィオレッタは、自分が心から愛する青年とめぐりあい、彼との生活を続けていくためにパリ郊外にひきこもり、当時の高級車にあたる馬車や宝石類を売り払ってしまいます。もし彼女が肺の病にかかっていなくても、よほどのことがない限り二人の愛が長続きするのは難しかったかもしれません。

Digest Movie

  • 【作曲】ジュゼッペ・ヴェルディ/1853年
  • 【原作】アレクサンドル・デュマ・フィス『椿姫』
  • 【台本】フランチェスコ・マリア・ピア―ヴェ(イタリア語)
  • 【初演】1853年3月6日/ヴェネツィア/フェニーチェ劇場
  • 【制作】新国立劇場2015年
  • 【構成】3幕/約2時間10分
  • 【演出・衣裳】ヴァンサン・ブサール
  • 【美術】ヴァンサン・ルメール
  • 【照明】グイド・レヴィ
  • 【ムーヴメント・ディレクター】ヘルゲ・レトーニャ