トスカ
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トスカ
トスカ

過酷な運命に翻弄された歌姫の物語。情熱的な愛と悲劇のドラマ

トスカ

ITALY
あらすじ
歌姫トスカの恋人・画家のカヴァラドッシは、反体制派。彼を逮捕させたローマの警視総監スカルピアは、恋人の助命の交換条件にトスカの体を求める。追い詰められたトスカは、テーブルにあったナイフでスカルピアを刺し殺す。偽の銃殺刑のはずだった恋人が本当に銃殺され、彼女には総監殺しの追っ手が迫る。絶望したトスカは「スカルピアよ、神の御前で」と叫び、聖アンジェロ城の屋上からその身を翻す。
舞台となった土地紹介
聖アンジェロ城
《トスカ》の時代は1800年のローマと指定されています。ストーリーの重要な背景としてナポレオンとオーストリア軍の『マレンゴの戦い』が使われている、史実をからめたオペラです。実は《トスカ》が初演されたのは物語の設定からちょうど100年後の1900年1月。それまで北イタリアを中心に活動していたプッチーニが初めてローマ歌劇場で初演したオペラでした。つまり《トスカ》は、ローマの観客を意識して上演された“ご当地オペラ”とでもいうべき作品だったのです。第一幕の聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会、第二幕のファルネーゼ宮殿、そして《トスカ》といえば真っ先に思い浮かぶ聖アンジェロ城。これらは今もローマに行った観光客が実際に訪れることができる場所です(ファルネーゼ宮殿は現在フランス大使館であり内部の見学ツアーがあります)。もちろん、登場人物を含め細部はフィクションですが、歴史的にリアルな設定がプッチーニの音楽と一体となり、私たちを劇中に引き込む重要な役割をはたしています。

Digest Movie

  • 【作曲】ジャコモ・プッチーニ/1895~99年
  • 【原作】ヴィクトリアン・サルドゥ『ラ・トスカ』
  • 【台本】ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ(イタリア語)
  • 【初演】1900年1月14日/ローマ/コスタンツィ劇場
  • 【制作】新国立劇場2000年
  • 【構成】3幕/約1時間50分
  • 【演出】アントネッロ・マダウ=ディアツ
  • 【美術】川口 直次
  • 【衣裳】ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティ
  • 【照明】奥畑 康夫