カルメン
カルメン
カルメン

自由に恋し、情熱に生きる。魔性の女に魅せられた男の運命

カルメン

SPAIN
あらすじ
セビリアのタバコ工場で働く美女カルメンは伍長のドン・ホセに興味を抱き、誘惑する。 彼にはミカエラという許婚がいたが、カルメンの魅力と誘惑に負け、軍隊を脱走、ジプシーの密輸団の一員となる。カルメンのホセへの愛は続かず、花形闘牛士エスカミーリョに心を移す中、ホセは危篤の母親の元に駆けつけるため密輸団を離れる。闘牛の日、ホセは再びカルメンの前に現れ、復縁を迫るがきっぱりと拒絶され、逆上したホセは短剣でカルメンの胸を突く。
舞台となった土地紹介
アルハンブラ宮殿
《カルメン》の舞台の中心はアンダルシア州の州都セビリアです(新国立劇場のアレックス・オリエ演出のプロダクションは現代の東京に時代と場所を移しています)。アンダルシアは灼熱の太陽と、イスラム文化の影響を受けた美術や建築で知られており、グラナダのアルハンブラ宮殿などはその代表です。そしてスペインといえばわたしたちが思い浮かべるフラメンコと闘牛も、アンダルシアがその発祥の地なのです。《カルメン》の原作を書いたメリメ、オペラのフランス語台本を書いたメイヤックとアレヴィ、作曲をしたビゼー。彼らは皆フランス人でした。《カルメン》にはスペインらしい異国情緒がたっぷり描かれていますが、それは外国人の視点だったからこそなのです。フラメンコと闘牛は《カルメン》の中で重要な役割を果たします。カルメンはドン・ホセを歌と踊りで誘惑しますし、彼女がドン・ホセの次に惚れるエスカミーリョは闘牛士です。スペインの闘牛は、18世紀に貴族が騎馬でおこなうものから、マタドールといわれる闘牛士が命をかけて戦う見世物に発展し、20世紀半ばまでスペインで圧倒的な人気を誇りました。カルメンとエスカミーリョは死に立ち向かう勇気で共通する、スペインの粋を体現する男女なのです。
  • 【作曲】ジョルジュ・ビゼー/1872~74年
  • 【原作】プロスペル・メリメ『カルメン』
  • 【台本】アンリ・メイヤック/リュドヴィク・アレヴィ(フランス語)
  • 【初演】1875年3月3日/パリ/オペラ・コミック座
  • 【制作】新国立劇場2021年
  • 【構成】3幕/約2時間30分
  • 【演出】アレックス・オリエ
  • 【美術】アルフォンス・フローレス
  • 【衣裳】リュック・カステーイス
  • 【照明】マルコ・フィリベック