ウェルテル
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ウェルテル

愛の歓び、そして苦しみ。詩人ウェルテルの切ない恋の物語

ウェルテル

GERMANY
あらすじ
若き詩人ウェルテルは、シャルロットに恋心を抱くが、彼女に婚約者がいることを知り絶望する。数ヶ月後、アルベールと結婚したシャルロットに、ウェルテルは再び愛を告白するが、シャルロットは彼に町を去るように言う。クリスマス・イブの夜、ウェルテルからの手紙に心乱れるシャルロットの前にウェルテル本人が現れ、激しく求愛し彼女を抱きしめる。やっとの思いでシャルロットは抱擁を逃れ、永遠の別れを告げる。絶望したウェルテルは自ら命を絶つ…。
舞台となった土地紹介
ヴェッツラー
マスネの《ウェルテル》はフランス・オペラですが、この物語の原作はドイツの文豪ゲーテが書いた小説《若きウェルテルの悩み》(1774)です。当時の若者に大きな影響を与え、小説の中でウェルテルが着ていた青い燕尾服に黄色のベストが流行し、ウェルテルに共感し自ら命を絶つ青年が少なくなかったという深刻な事態までひきおこしました。この小説は、若きゲーテが仕事で赴任したヴェッツラーという町で経験した失恋と、その地で彼の友人カール・イェルーザレムが失恋のために自死した事件を組み合わせて書かれています。ゲーテは知り合った時にはまだ独身だったシャルロッテ・ブフが許嫁と結婚した後も、夫妻と友人として交際を続けながら、自らの恋を諦めようと苦しみました。ヴェッツラーはフランクフルトから北に60kmの場所にある静かな町で、いまでもシャルロッテが夫と住んだ家が残されており見学することができます。オペラの最後にはシャルロットがウェルテルの家に駆けつけ、死にゆくウェルテルに愛を告白しますが、小説のシャルロッテは愛を告白することなく、彼の死にも立ち会いません。オペラならではの結末を、マスネの心揺さぶる音楽が彩っています。

Digest Movie

  • 【作曲】ジュール・マスネ/1891年
  • 【原作】ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
  • 【台本】エドゥアール・ブロー/ポール・ミリエ/
    ジョルジュ・アルトマン(フランス語)
  • 【初演】1892年2月16日/ウィーン/宮廷歌劇場
  • 【制作】新国立劇場2016年
  • 【構成】4幕/約2時間10分
  • 【演出】ニコラ・ジョエル
  • 【美術】エマニュエル・ファーヴル
  • 【衣裳】カティア・デュフロ
  • 【照明】ヴィニチオ・ケリ