カヴァレリア・ルスティカーナ
カヴァレリア・ルスティカーナ
カヴァレリア・ルスティカーナ
カヴァレリア・ルスティカーナ

愛と嫉妬がもたらした悲劇を描いたヴェリズモ・オペラの代表作

カヴァレリア・ルスティカーナ

ITALY
あらすじ
シチリアのとある田舎町。サントゥッツァの恋人トゥリッドゥは昔の恋人ローラとよりを戻していた。サントゥッツァはトゥリッドゥが自分と深い仲になった理由は、ローラがアルフィオと結婚したことを忘れるためだと考えている。嫉妬したサントゥッツァはアルフィオに二人の不倫を告げる。激怒したアルフィオとトゥリッドゥは決闘となり、トゥリッドゥは命を落とす。
舞台となった土地紹介
ヴィッツィーニの風景
《カヴァレリア・ルスティカーナ》はシチリアの風土を色濃く反映したオペラです。ジョヴァンニ・ヴェルガという作家の『田舎の生活』(1880)という短編集の中に同名の一篇があり、作者自身がその物語をもとに書いた戯曲が原作となりました。ヴェルガは真実主義という文学運動の主導者で、南イタリアの貧困層や農民の生活をありのままに描きました。舞台となったのはシチリア南部のヴィッツィーニ村です。ヴェルガ自身はこの村を領地とする貴族でした。この物語は実際に起こった事件をそのまま書いたのではなく、ヴェルガがヴィッツィーニで見聞きした出来事をもとに作り上げたといわれています。《カヴァレリア・ルスティカーナ》とはイタリア語で「田舎の騎士道」という意味です。男たちは自分の女の名誉が汚されれば決闘で決着をつけました。決闘を申し込むときには相手の耳を噛むのが土地の風習で、妻ローラに浮気されたアルフィオが話をつけにくるとトゥリッドゥは彼の耳を噛みます。トゥリッドゥが命を落としたのは村の裏にある、太陽が照りつけるサボテン畑でした。

Digest Movie

  • 【作曲】ピエトロ・マスカーニ/1888~90年
  • 【原作】ジョヴァンニ・ヴェルガ『カヴァレリア・ルスティカーナ』
  • 【台本】ジョヴァンニ・タルジョーニ・トッツェッティ、
    グイード・メナーシ(イタリア語)
  • 【初演】1890年5月17日/ローマ/コスタンツィ劇場
  • 【制作】新国立劇場2014年
  • 【構成】1幕/約1時間10分
  • 【演出】ジルベール・デフロ
  • 【美術・衣裳】ウィリアム・オルランディ
  • 【照明】ロベルト・ヴェントゥーリ