ブログ

2010年 12月 03日

吉久智恵子さんのわが町

続いてもさいたまゴールドシアターの吉久智恵子さんの登場です。

私の「わが町」15まで育ったあの村だろうか?

山もあり海もあり四季折々果物の花が咲いていたあの村のことをいうのだろうか、4人の兄弟の一番下で育ったあの村は「わが街」だろうか、兄が63才の時痴呆症にかかり病院に入院して初めて実家に帰った。

50年近く離れていた町は案の定駅も町並みも全く昔の面影はなく私は一旅人になってしまいたかった、でも兄に会いたくて会いたくて町を走った、兄が病気になってしまったのは私のせいか?

私があのまま何事もなく15才を通過してれば兄はあんな病気にならなかったのでは、もしなったとしても発病はもっと遅かったのではないか、兄がこんな風になってはじめて兄の手が握れた。

なにもかも兄のせいにして終わらせてしまい私も先生も学校も普通の生活にもどってしまった。あそこは「わが街」ではない。

ページの先頭へ