2009年 10月 19日|スタッフ
狩野良規 著 『映画になったシェイクスピア シェイクスピア映画への招待』(2001年 三修社:シェイクスピア・ブックス)
文字通り、映像になったシェイクスピア作品の評論。それも映画にとどまらず、テレビ、舞台での映像まで網羅したファン感涙の書。
『ヘンリー六世』は、1988年に来日公演もされたイングリッシュ・シェイクスピア・カンパニー(ESC)の『薔薇戦争七部作』を紹介。ご記憶の方もおられるでしょうが、あの舞台をもろ手を上げて肯定はしないまでも、著者は“感動を覚え”と温かく評価。特筆すべきは、シェイクスピアが『ヘンリー六世』を処女作に選んだことに着目、劇作家のその後の作品の主題に多大な影響を及ぼしたとし、英国史劇群を喜劇、悲劇に劣らない不可避な作品群と位置づけている。紙数の都合もあろうが、BBC制作の37作品もぜひ著者に評論していただきたかった。
三修社『シェイクスピア・オン・スクリーン シェイクスピア映画への招待』 改題
2009年 10月 19日|スタッフ
安西徹雄 著 『仕事場のシェイクスピア』(1997年 ちくま学芸文庫)
数々のシェイクスピアを演出した著者がシェイクスピアの生涯に迫った迫真の書。シェイクスピア本人の記録や公文書は極めて少ないが、同時代人の手紙や証言から彼の生い立ちからロンドンでの演劇人としての日常までドキュメントタッチで綴る。もちろん二次的資料や多分に著者の推測も交じるが、元来英文学者である氏が大英博物館で、種々の文献を具に調査した結果に裏打ちされてもいるので説得力は十分。
特に劇作家が所属した劇団が単なる職業的集団ではなく、“強い連帯感によって結ばれた、きわめて人間的な共同体”であったと推論する件は感動的。当時の俳優が半年に150ステージ、しかも日替わりで30作品、うち月二回は新作を上演していたというだけでも驚異的な記録である。
新潮社『劇場人シェイクスピア』 改題
2009年 10月 19日|スタッフ
伊形 洋 著 『シェイクスピア 劇のありか』(1982年 南雲堂:演劇らいぶらり3)
主要作品を時代を追って解読。
序章で『ヘンリー六世』から『リチャード三世』への、劇作家の成長の軌跡を追う。特にリチャードという魅力的なキャラクターを創造したシェイクスピアが、そこに新たな劇世界の可能性を見出し、そこにこそ“劇のありか”を見出したと喝破する論旨は見事の一語。
その他、どちらかと言えばマイナーな作品である『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』のほか、『アントニーとクレオパトラ』『冬物語』なども読み解く。また筆者ならではの硬質な文体が読後にえもいわれぬカタルシスを残す。
絶版だが、ネット古書等でも入手可能。
2009年 10月 16日|スタッフ
「ヘンリー六世」は、注目度が桁違いに高く、あちこちのメディアが取材に来て下さっています。
(な)は広報担当なのですが、インタビュー取材に何度も時間を割いて下さっている俳優さんはもちろん、稽古場にも何度も何度も取材が入り、貴重な稽古の時間に、演劇の常識ではちょっとありえないくらい、多くの方にご協力をいただいています。
記者の皆さんも、長期間、じっくりと取材をして下さることも多く、こんなところでも、本当に、大作ならではの貴重な時間をすごしているなあと感じます。
来週は、小田島先生の「深夜便」、渡辺徹さんの「スタジオパーク」の放送をはじめ、続々と記事も掲載予定です。メディアでの掲載予定は、ニュースでお知らせしていますので、皆さん、公演とあわせて、そちらのチェックもお願いしますね。(な)
2009年 10月 16日|スタッフ
今日で、稽古場での稽古はおしまいです。
今日は第三部の通し稽古を行いました。
明日からの舞台稽古に備えて、夕方には、皆さん、稽古場から劇場へ引っ越し。
劇場では、スタッフが急ピッチで、舞台稽古に向けて準備作業を進めています。(な)