書籍紹介 ③
2009年 10月 19日|スタッフ
伊形 洋 著 『シェイクスピア 劇のありか』(1982年 南雲堂:演劇らいぶらり3)
主要作品を時代を追って解読。
序章で『ヘンリー六世』から『リチャード三世』への、劇作家の成長の軌跡を追う。特にリチャードという魅力的なキャラクターを創造したシェイクスピアが、そこに新たな劇世界の可能性を見出し、そこにこそ“劇のありか”を見出したと喝破する論旨は見事の一語。
その他、どちらかと言えばマイナーな作品である『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』のほか、『アントニーとクレオパトラ』『冬物語』なども読み解く。また筆者ならではの硬質な文体が読後にえもいわれぬカタルシスを残す。
絶版だが、ネット古書等でも入手可能。
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