研修生による〈アリアをもっと楽しむ秘訣!〉連載⑪『ラクメ』より「若いインドの娘よ、どこへ行く」『LE PROMESSE 2021~アリアコンサート~』
新国立劇場オペラ研修生による『LE PROMESSE 2021~アリアコンサート~』では、各自が自身のレパートリーとなるオペラ作品やアリアについて研究を深め、研修を積んだ成果を皆様にご披露します。
現在、研修生たちは11月21日の公演に向けて、本格的にリハーサルを重ねています。
連載で、各自が歌う曲目について、研修生自身が皆様にその魅力や楽しみ方をご案内しています。
今回の案内役は、大髙 レナ(第24期生)です。
【研修生による〈アリアをもっと楽しむ秘訣!〉】
オペラ『ラクメ』より「若いインドの娘よ、どこへ行く」
オペラ『ラクメ』は、L.ドリーブ作曲による3幕の作品です。
物語の舞台は19世紀後半、イギリス統治下のインドで、フランス語で歌われるオペラです。この作品自体は、あまり上演されることはないのですが、ラクメと侍女マリカによって歌われる花の二重唱、ラクメのアリア「若いインドの娘よ、どこへ行く」は、メロディの美しさから様々な名歌手たちによって歌い継がれてきました。
ヒンドゥー教徒であるインド人たちがイギリス人による宗教弾圧からの解放を唱えます。美しい声のラクメはインド人たちを救う聖なる娘だと父である老僧侶ニラカンタから告げられます。
イギリス人将校ジェラルドたちは、神聖な寺院の敷地に好奇心から入り込んでしまいます。そこにラクメが現れ、2人は互いに一目で心惹かれ合い、恋に落ちてしまいます。
ニラカンタは、聖域に異教徒が侵入したことに気づき、憎き侵入者をおびき寄せるために、娘のラクメに「若いインドの娘よ、どこへ行く」を繰り返し歌うことを強要します。ラクメは愛するジェラルドが現れないよう苦悩しますが、ジェラルドは美しい声に惹かれて現れてしまいます。
そして最後はラクメの死をもって永遠の愛を手に入れる悲しい物語です。
大髙 レナ OTAKA Rena ソプラノ
東京音楽大学卒業。『ジャンニ・スキッキ』ネッラ役で出演。
オペラ研修所試演会『ジャンニ・スキッキ』より(2021年7月公演)〈写真中央右・ネッラ役〉
撮影:平田真璃
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