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研修生による〈アリアをもっと楽しむ秘訣!〉連載⑦『エロディアード』より「はかない幻」『LE PROMESSE 2021~アリアコンサート~』



新国立劇場オペラ研修生によるLE PROMESSE 2021~アリアコンサート~では、各自が自身のレパートリーとなるオペラ作品やアリアについて研究を深め、研修を積んだ成果を皆様にご披露します。
現在、研修生たちは11月21日の公演に向けて、本格的にリハーサルを重ねています。

連載で、各自が歌う曲目について、研修生自身が皆様にその魅力や楽しみ方をご案内しています。

今回の案内役は、大久保 惇史 (第23期生)です。


【研修生による〈アリアをもっと楽しむ秘訣!〉】

オペラ『エロディアード』より「はかない幻」


『エロディアード』は『タイス』や『ウェルテル』などの作品で知られる、フランスの作曲家J.マスネによるオペラです。


題材となっているのは新約聖書の中にあるサロメとヘロディアスの物語です。後にオスカー・ワイルドが同題材を戯曲にし、R.シュトラウスがオペラ化したことでも有名な物語です。


シュトラウスのオペラが狂気と破滅の女性を官能的に描いているのに対し、マスネの作品では愛する人を巡り、運命に翻弄される人々が甘美で華やかな音楽で描かれています。


このアリアは、サロメに不義の愛を抱いているエロド王が、飲むと幻影をみることができるという魔法の酒を飲み、サロメの幻を見ながら陶酔するアリアです。


大久保惇史 OKUBO Atsushi バリトン

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東邦音楽大学卒業。同大学研究所修了。『悩める劇場支配人』ストラビーニオ役、『ジャンニ・スキッキ』ジャンニ・スキッキ役で出演。



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オペラ研修所試演会『ジャンニ・スキッキ』より(2021年7月公演)〈写真左・ジャンニ・スキッキ
                                             撮影:平田真璃

 

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