2013年12月20日
舞台スタッフが一足早くご紹介!「死の都」舞台美術のここが凄い!
3月に上演するオペラ「死の都」のプロダクションは、フィンランド国立歌劇場で初演されたものです。去る11月フィンランド国立歌劇場で「死の都」の再演が行われ、新国立劇場の舞台スタッフが打ち合わせのためヘルシンキに行ってきました。そのスタッフが見てきた「死の都」舞台美術の注目ポイントをご紹介します!
1.ブルージュの街
「死の都」はベルギーの古都ブルージュのこと。舞台セットの奥の背景にもブルージュの街が登場します。これは街の写真の上に、立体型の建物をのせた作りとなっており、2Dと3Dがミックスされた非常に凝ったもの。オペラのもうひとつの主役であるブルージュの街が、照明効果もあわさって非常に効果的に描かれます。
主人公パウルの部屋には、亡き妻マリーの思い出の品々――額縁に入った写真や遺品の入ったミニチュアハウスが飾られています。その数なんと数百個!飾る位置はすべて決められており、番号で照らし合わせて並べられています。そのうちいくつかは照明が灯され、実に美しくノスタルジックな雰囲気を作り出します。
3.マリエッタのドレスの色
パウルが魅了される踊り子マリエッタが着ているドレスは、目に鮮やかな赤色。この赤ですが、舞台上で鮮やかに際立つシルクの赤色なのだそうです。官能、エロス、生の象徴であるマリエッタ。こだわりの赤で、それを見事に現しているといえるでしょう。
4.細部にまでこだわった衣裳
「死の都」では合唱は3幕前半にしか登場しないのですが、その行進の人々の衣裳にシルク・シャンタンという高級な生地が使われています。しかも同じように見える衣裳にも2種デザインがあるなど、細部にまで衣裳デザイナーのこだわりが見て取れます。
この「死の都」の美術、衣裳を手掛けたのは、世界的に売れっ子の英国の女性デザイナーたち。美術デザイナーのエス・デヴリンは、英国のオペラ、演劇、ウエストエンドなどで活躍するほか、レディー・ガガの2009/2010年コンサートツアーや、2012?年ロンドン・オリンピックの閉会式も手掛けています。衣裳デザイナーのカトリーナ・リンゼイも、英国、アメリカで活躍するトップクラスのデザイナーで、2008年にはトニー賞も受賞しています。
「死の都」は舞台美術にも注目です!