• トップページ
  • 見どころ
  • ストーリー
  • スタッフ&キャスト
  • コラム&ブログ
  • 公演日程 & チケット情報
  • 動画
チケット購入は新国立劇場ボックスオフィスで! 新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 WEBボックスオフィス

コラム&ブログ

2013年12月12日

連載コラム第9回 
ハリウッド映画音楽の祖コルンゴルト

text by 中村伸子

日本では最も有名なコルンゴルト作品のひとつであるヴァイオリン協奏曲Op.35(ハイフェッツにより初演)は、その壮大な旋律や楽器法から、「まるで映画音楽みたいな曲!」と言われることがままあります。しかしながら、実はこれは映画音楽みたいなのではなく、映画音楽そのものなのです。

映画「放浪の王子」(1937)ポスター

映画「放浪の王子」(1937)ポスター

というのも、終戦直後に完成されたこの協奏曲は、『放浪の王子』(1937)を始めとする4つのハリウッド映画のために彼自身が作った主題を、ふんだんに引用して書かれているからです。コルンゴルトはこれに限らず、弦楽四重奏曲第3番Op.34(1945)やチェロ協奏曲Op.37(1946)などのように、映画音楽のために書いた音楽を新しい自作品の中で積極的に「再利用」しました。現代のようにDVDやサウンド・トラックのCDが売られることのなかった時代ですから、映画音楽は公開を終えるとほとんど聴くことができなくなります。それを防ぐために、コルンゴルトは映画音楽をクラシック作品の中に取り込み、恒久的に残そうとしたのです。

では、コルンゴルトはどのような経緯で映画音楽に関わるようになったのでしょうか。鍵となる人物は、ドイツの演出家マックス・ラインハルトです。彼とコルンゴルトは、1920年代前半から、ウィーンやベルリンでシュトラウス一家のオペレッタなどを上演するときに、ラインハルトは演出、コルンゴルトは編曲、という形で、しばしば一緒に仕事をしていました。しかし、ラインハルトもユダヤ人で亡命を余儀なくされ、コルンゴルトよりも一足先にアメリカに渡って活動を続けます。そこで、ラインハルトがシェイクスピアの『夏の夜の夢』の映画化をするときに、メンデルスゾーンの音楽の編曲者と収録の指揮者として、コルンゴルトを呼び寄せた、というわけです。

映画「夏の夜の夢」(1935)ポスター

映画「夏の夜の夢」(1935)ポスター

コルンゴルトはオペラ作曲家としての経験と才能を惜しみなく発揮しました。全編143分中116分に音楽が流れており、《夏の夜の夢》だけではなく交響曲第3番《スコットランド》や第4番《イタリア》など、いくつものメンデルスゾーン作品のテーマが取り入れられました。彼はさらに撮影現場に立ち入り、自らの指揮に合わせて俳優に台詞を喋らせ、後日その台詞に合わせて音楽を収録する、という他に例のない方法を取りました。数々の工夫の成果が実り、映画の音楽と映像は見事なほどにシンクロしています。もともとの6週間という予定をゆうに超えた半年を費やして制作されたこの映画は、1935年にアメリカで公開され、大ヒットとなりました。

映画「ロビンフッドの冒険」(1938)ポスター

映画「ロビンフッドの冒険」 (1938)ポスター

その後、1935年の『海賊ブラッド』以降、コルンゴルトはワーナー・ブラザーズのもとで、約20本の映画音楽を担当しました。『風雲児アドヴァース』(1936)と『ロビン・フッドの冒険』(1938)ではアカデミー音楽賞を受賞しています。彼がもたらした書法は、ジョン・ウィリアムズを始めとする後のハリウッドの映画音楽にいまも生きています。ごく一例にすぎませんが、映画『嵐の青春』(1941)のテーマの冒頭は、『スター・ウォーズ』(1977~)のテーマにそっくりです。

こうして、コルンゴルトが映画音楽に追随したのではなく、映画音楽がコルンゴルトに追随したのだということをお分かりいただけるでしょう。現在でも、彼の携わった映画はいくつも観ることができます。もととなった映画をご覧になってからヴァイオリン協奏曲をお聴きいただくと、より一層興味深く感じられることと思います。

チケットのお申し込み

上演を待ち望まれていた傑作オペラ「死の都」。最強の布陣でついに登場! 2014年3月12日~3月24日まで上演。

電話からのお申し込み

新国立劇場ボックスオフィス(受付時間:10:00~18:00)
03-5352-9999 電話予約・店頭購入方法
  • チケットぴあ 0570-02-9999:(Pコード : 192-556)
  • ローソンチケット:0570-000-407(オペレーター受付)0570-084-003(Lコード:32007)
  • CNプレイガイド:0570-08-9990
  • 東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
  •  JTB・近畿日本ツーリスト・日本旅行・トップツアーほか

インターネットからのお申し込み

  • 新国立劇場 Webボックスオフィス
  • チケットぴあ
  • イープラス
  • ローチケ
  • CNプレイガイド
  • 東京文化会館チケットサービス
グループでのお申し込み 10名以上でご観劇の場合は新国立劇場営業部 (TEL 03-5352-5745) までお問い合わせください。
  • チケットのお申し込みについて
  • ページの先頭へ

新国立劇場のご案内

新国立劇場 アクセスマップ
アクセスの詳細はこちら

アクセスの詳細はこちら

〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目1番1号
TEL : 03-5351-3011(代表) 東京都渋谷区にある新国立劇場は、京王新線「初台駅」
(中央口)から直結!「新宿駅」から1駅です。
新国立劇場 アクセスマップはこちら

新国立劇場
2013/2014シーズン特別支援企業グループ
住友化学
TBS
TOYOTA
ぴあ