Storyものがたり
人気者の衛兵たちと女の子で賑わう街の広場。スワニルダはフランツに夢中だが、フランツの方は気もそぞろ。彼は、コッペリウスの家のバルコニーに座っているクールな美少女コッペリアに心惹かれているのだ。
「彼を惑わすコッペリアってどんな女の子なの?」居てもたっていられないスワニルダは、コッペリウスが落とした鍵を拾い、その留守宅に友人たちと忍び込む。
人形の腕や足などの部品が無数に置かれているコッペリウスの家。帰宅したコッペリウスは、スワニルダたちを追い出すと、コッペリアとシャンパンで乾杯。愛しそうに彼女の手を取りワルツを踊る。だが何をしてもコッペリアは無表情。それもそのはず、彼女はコッペリウスが作った自動人形だった。ダンディな紳士コッペリウスの秘密はそれだけではない。彼は、若いスワニルダに想いを寄せ、彼女そっくりに作った人形で、孤独を慰めていたのだった。
そこにコッペリアに会おうとフランツが忍び込んできた。コッペリウスは、彼を眠らせ、その魂を抜き出しコッペリアに注入。彼女を人間にしようというのだ。すると本当にコッペリアが動き出したではないか!コッペリアは気ままにふるまいコッペリウスを翻弄する。実はこれにはからくりがあった。スワニルダがコッペリアの振りをしていたのだ。真相が明らかになると、フランツは自分の本当の気持ちに気が付く。幸せな若いカップルは友人たちの祝福を受けるが、愛するものを失ったコッペリウスは独り茫然と立ち尽くすのだった。