ブログ

増子倭文江さんのわが町

続いての登場は、ソームズ夫人役の増子倭文江さん。

私の生まれた北関東の町は、

何もないけど田畑や林だけはいっぱいあった。田んぼのあぜ道や林の中が私達の遊び場。おたまじゃくしを取ったり、林の中を探検したり、切り傷なんてしょっちゅうだった。
秋になると、たっぷり実ってたんぼからあふれ出た稲穂が、夕焼けに輝いて金色の湖みたいだった。
昔の夕焼けって、あたり一面夕焼けだったなぁ。濃いオレンジ色に私達まで染まってたもの。
今その場所には建売住宅がびっしりと並び、昔の面影もない。東京で見る夕焼けはとっても遠くてまるで他人事のよう。
ああ、あんな夕焼け。もう一回あいたいなぁ。

第3回  演出家、新たな敵を殴り倒す!

 水曜ワイルダー約1000字劇場、広報担当の水谷です。先週の続きで・・・ええっと、『わが町』で、ワイルダーはお客さんの一部だけでなく、思わぬ人たちを敵に回してしまいました。誰だと思います? 舞台の大道具などを動かす裏方さんたちなんですね。

 『わが町』が装置を使わないことは前回お話しました。お芝居は、何もない舞台の上に舞台監督(これは本当の舞台監督ではなくて、「舞台監督」という役名です)が何気なく出てきて、後にギブズ家やウェッブ家で使うテーブルや椅子をそれぞれの場所にセットすることから始まります。これが問題になりました。

 アメリカには舞台の裏側で様々な舞台機構の操作をしたり、舞台上の道具を動かすいわゆる裏方さん(stagehands)の組合があり、雇用の場がちゃんと確保されるように公演ごとに舞台係を何人使うか、プロデューサーとか劇場側と交渉して契約しますが、『わが町』の場合、その時点で考えちゃいますよね。幕は開いたままだし、照明もほとんど変らず、道具もすべてではありませんが、役者が動かしますから。

 初演のときのプロデューサー、演出家だったジェド・ハリスは、舞台係を雇わないと組合から抗議が来そうだったので、4人雇っていました、うち2人は特にやることがないにもかかわらず。さらに劇場付きの舞台係も4人いて、彼らもやることがない。ところが、初日の開幕数時間前に舞台係の組合から「オタクの今日の芝居、俳優が道具を動かしてるらしいね? あと2人、雇いなさいよ。でないと、劇場の明かり、つけさせませんよ。真っ暗な劇場に客を入れるのは消防法違反ですから」と、脅迫めいた電話がかかってきた。

 ハリスも負けじと一生懸命「この芝居は普通の芝居じゃないんだ」と説明したんですが、開演1時間ほど前に彼が舞台ソデを通ると、新顔の舞台係が、舞台監督役フランク・クレイヴンが運ぶはずの椅子を持って早くもスタンバイしているではありませんか。ハリスが問いただすと、椅子を舞台に運ぶように組合から指示されて来たと言うので、ハリスは噛んで含めるように「いいか、その椅子をおとなしく置いて、地下に行け。そして役者の邪魔にならないように隅っこにすわってろ。仕事をするな! そうすれば賃金は払ってやる」と言ったのですが、この男がなかなか聞き入れず、最後は(噂によると)ハリスがこの男を殴り倒して、すったもんだのあげく、なんとか台本通りに初日の幕を開けたんですね、あ、幕は最初から開いてるんでした。

Jed Harris (Billy Rose Theatre Collection )©New York Public Library

「全裸」舞台といい、道具を動かすところを見せたりと、ワイルダーは一体何を考えていたんでしょう。あら、もう1000字を越えてました。続きは来週。

読合せ、終了!!!

11月19日の稽古開始から本日までの5日間、稽古場では丁寧に丁寧に、一場面づつ、一幕づつ、読合せが行われていました。
演出の宮田さん、翻訳の水谷先生、音楽の稲本さんを始め、演出助手の髙野さん、プロンプターの桜木さん、稽古に来られない俳優さんの代役を務めてくれる加茂さん、そして出演者のみなさん、総勢40人で囲んできたテーブルも明日にはすっかり片づけられ、いよいよ立ち稽古がスタートします!!!
通常、読み合わせなどを行う場合は、テーブルは四角く並べることが多いのですが、今回の稽古場では、サークル状に並べられていました。「わが町」という作品が描きたいこと、そこにいる全員が共有したいことを、より明確にするためにサークル状にしていたわけですが、これがなかなかだったんですね。何故ならば、全員が全員の顔を平等に見ながら読み合わせが出来たことで、今回の「わが町」カンパニー、すでにかなりのチームワークを見せているのです。これはもう、俄然、立ち稽古開始が楽しみになって参りました!!!

立ち稽古の開始は明後日、25日から。
レポートも頑張りまーす。 (も)

大村沙亜子さんのわが町

続いてもBoys&Girlsの大村沙亜子さんです。

私のわが町は、

沖縄県です。

沖縄の言葉一つで、【いちゃりばちょーでー】という言葉があります。
【一度会えば皆兄弟】という意味で、その言葉通り、沖縄の人は凄くフレンドリーです。
小さい頃から育った町なので、地元にいた時は、それが当たり前だと思っていた環境でしたが、東京に来て沖縄の素晴らしさが身に染みてわかるようになりました。
これからも、わが町沖縄を心の故郷として、大切に想っていきたいです。

橋本咲キアーラさんのわが町

続いては1500名のオーディションで選ばれた精鋭、Boys&Girlsの橋本咲キアーラさんです。

私が初めて、父の生まれ故郷である

南イタリア、カラブリア州にある小さな村メッスィニャーリ

を訪れたのは高校二年の夏休みです。                           

海と山に囲まれたこの村の各家々にはオリーブの木や畑があり自給自足に近い生活をしています。親戚の家では毎日、畑で穫れた新鮮な野菜、自家製のオーリブオイルや生パスタを使った家庭料理を御馳走になりました。一日のエネルギーの源は、この美味しい食事を通して生まれる会話や笑いからくるんだ!と感じました。                                                            

朝、鶏の鳴き声で目を覚まし、夜、虫の鳴き声で眠りにつく。 山に登って羊飼いのチーズ作りを手伝ったり、ある夜には、町をまわって演奏するアコーディオン弾きの少年とタンバリン叩きの少年の陽気な音楽にのって歌って踊ったり。                                                           

日本に帰ってきた今でも、メッスィニャーリでの生活が自分の中に息づいています。 

                             

  • 2015年 1月
    << 2015年 1月  
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031  
  • 関連サイトバナーリンク

    チケット情報クラブ・ジ・アトレ新国立劇場

ページの先頭へ