ロイヤルコート劇場✖新国立劇場
劇作家ワークショップRoyal Court Theatre × New National Theatre, Tokyo Playwrights' Workshop

Introductionはじめに

ロイヤルコート劇場と新国立劇場による劇作家の為の長期ワークショップ、日本で初開催!

「劇作家の劇場」と呼ばれるロイヤルコート劇場。60年以上の歴史を持つこの劇場は「新作戯曲のナショナルシアター」として数多くの若い才能を生み出してきました。このロイヤルコート劇場が世界中で行っている劇作家のためのワークショップを、新国立劇場とロイヤルコート劇場が手を携え、日本で初めて開催しました。

ロイヤルコート劇場からアソシエイトディレクター、文芸マネージャー、劇作家が来日して行ったワークショップには、これからの日本の演劇界を支えていく若い世代の劇作家たちが多く参加しました。 2019年5月から2021年2月までの1年9ヶ月の間に開催された3段階のワークショップを経て、様々なアプローチを経験しながら、参加者それぞれが新作戯曲を創り上げました。

2年近くのワークショップ期間をかけて創作された新作戯曲が今後どのように育っていくのかご期待ください。


主催:新国立劇場、ロイヤルコート劇場
共催:ブリティッシュ・カウンシル

☆本ワークショップで生まれた須貝 英『私の一ヶ月』が2022年11月2~20日 新国立劇場小劇場にて上演。⇒詳細

☆ 本ワークショップで生まれた小高知子『真夜中とよぶにはまだはやい』、千葉沙織『その先、鬼五郎渓谷につき、』 、松村翔子作『28時01分』が2023年1月26~28日 ロイヤルコート劇場にて上演。 ⇒詳細

ワークショップ詳細

ワークショップ内容

参加劇作家 (50音順)

有川義孝 伊藤 梢 郷 淳子 小高知子 魚田まさや

須貝 英 千葉沙織 津山夏凛 西尾佳織

ビト 松村翔子 宮崎玲奈 山崎元晴

※名前をクリックすると、劇作家の詳細PDFが開きます。
2019年1月 参加者募集開始
⇒サム・プリチャード×小川絵梨子 対談動画はこちらから
5月 第1フェーズ 開催
⇒第1フェーズ後インタビュ―記事はこちらから
12月 第2フェーズ 開催
⇒第2フェーズ後インタビュー記事はこちらから
2020年6月 第3フェーズ -A 開催
2021年1月 第3フェーズ -B 開催
⇒第3フェーズ-B後インタビュー記事はこちらから
サム・プリチャード×小川絵梨子  「劇作家ワークショップ」を振り返る

第1フェーズ

2019年5月13日(月)~19日(日)

ロイヤルコート劇場のアソシエイトディレクター サム・プリチャード氏、文芸マネージャー ジェーン・ファロウフィールド、劇作家 アリスター・マクドーウォル氏が来日し、7日間のワークショップを14人の劇作家と行いました

ワークショップでは各劇作家が何に興味があり、何が必要かを発見していき、グループや個別にディスカッションを行い、参加者が「書く」ための時間も設けられました。終盤ではそれぞれに新作戯曲の着想を始め、第1フェーズ終了から3か月以内に初稿を執筆しました。

⇒第1フェーズのインタビュ―記事はこちらから

第2フェーズ

2019年12月9日(月)~15日(日)

第1フェーズと同じチームが来日し、7日間のワークショップを行いました。各々の初稿となる戯曲に対して、参加者全員での全体セッションにて意見交換を行ったり、グループに分かれてのワークショップなどを通して戯曲推敲のためのヒントや方法を探ったりしました。

第2フェーズ終了後、およそ2か月の戯曲修正期間を経て第2稿の提出となり、英訳をしました。

⇒第2フェーズ劇作家スペシャル対談記事はこちらから

第3フェーズ

【A】2020年6月15日(月)、16日(火)[オンライン]

【B】2021年1月12日(火)~17日(日)

【A】
コロナ禍により予定を変更し、2日間のオンラインワークショップを実施。指定されたテーマに対して少人数ディスカッションを行い、ロンドンのファシリテーターチームとも全体ディスカッションを行いました。また、ファシリテーターとの個人面談も6月の1ヶ月間を通して実施しました。

【B】
【A】で開催できなかった演出家と俳優を交えたワークショップを6日間に渡って実施。ここでは実際に戯曲を俳優の声を通して受け止めた際の発見に主旨が置かれました。1作品に1日かけて、当該劇作家、演出家、俳優6名で向き合い、演出家や演じてみた俳優からの視点を交えてディスカッション。12作品の各セッション終了後、ロンドンのファシリテーターチームとも全体ディスカッションを行いました。また、ファシリテーターとの個人面談も1ヶ月間を通して実施しました。

⇒第3フェーズ-B後インタビュー記事はこちらから




      

ロイヤルコート劇場とは

ロイヤルコート劇場は、1956年開場以来、「劇作家の劇場」として知られ、新人作家から、新進気鋭の作家、すでに経験の十分にある作家にいたるまで、積極的に様々な世代の劇作家を啓発することで、世界の演劇界を牽引する劇場です。劇作家が生み出す作品を通して、現代を取り巻く社会的不安に警鐘を鳴らし、常に挑戦的な演劇作りの最前線を走り続けています。現代社会において耳を傾けてもらえない声や、より自由な発想を"劇作"という手段で表現することで、新たな視点をもたらし、社会に提示していく機会を提供し続けています。

ロンドンのスローンスクエアにあるロイヤルコート劇場には、毎年12万人以上の観客が訪れ、さらに数千人を超える人々がウエストエンドやニューヨークなど国内外のツアーやインターネットを通じて作品を観ています。それら多くの作品を通じ、革新的な考えや刺激的な問題提起で常に観客を刺激し、未来の作家たちに影響を与えようと努めています。

この60年間には、ジョン・オズボーン、エドワード・ボンド、サミュエル・ベケット、アーノルド・ウェスカー、デイヴィッド・ヘアなどがロイヤルコートでキャリアを積み始めました。その他、キャリル・チャーチル、アソル・フガード、マーティン・マクドナー、サイモン・スティーブンス、サラ・ケイン、最近では、ルーシー・カークウッド、ニック・ペイン、ペネロペ・スキナー、アリステア・マクダウォールらが追随しています。

この度日本で開催された劇作家ワークショップ(ロイヤルコート劇場インターナショナルプログラム)は、これまで70か国、40言語以上で実施されており、このプログラムを通して、世界中の劇作家たちと、長期に渡り作品作りに取り組むことで強い絆を築いてきました。これまで開催された主な国々として、アルゼンチン、ブラジル、中国、チリ、キューバ、ジョージア、ドイツ、インド、イラン、メキシコ、パレスチナ、ロシア、南アフリカ、シリア、トルコ、ウクライナ、ウルグアイ、ジンバブエなどがあります。