Storyものがたり
『夜鳴きうぐいす』
夜。漁師が夜鳴きうぐいすの声に聞き惚れていると、皇帝の命で家来たちがやって来る。病の皇帝の所望と懇願され、うぐいすは宮中へ赴く。宮廷で夜鳴きうぐいすが歌い始めると、皇帝はみるみる快復し、感涙にむせぶ。うぐいすは「その涙で充分」と、皇帝の差し出す褒美を受け取ろうとしない。そこへ来た異国の使者が、機械仕掛けのうぐいすを献上する。皇帝が聴き比べようとすると、本物のうぐいすの姿がない。怒った皇帝は逃げたうぐいすを国外追放とし、機械仕掛けのうぐいすを寝室へ運ぶが、皇帝の病はみるみる悪化、死神まで現れた上、機械仕掛けのうぐいすも動かなくなってしまう。そこへあの夜鳴きうぐいすが舞い戻り、美しい声で死神の心を動かして立ち去らせる。感謝する皇帝に、うぐいすは毎晩歌いに来ることを約束するのだった。
『イオランタ』
中世南フランスのとある山中の城。ルネ王は盲目に生まれたイオランタを、自らが盲目であると気づかぬように、外界との接触を避けて育ててきた。王は娘のために医師を招くが、イオランタ本人の治療への意志なくして治らないと言われる。城に二人の青年ロベルトとヴォデモンが迷い込む。ヴォデモンは美しく純粋なイオランタに魅了されるが、やがてイオランタが盲目であることに気付き、光の世界の素晴らしさを話して聞かせる。事態を悟った王は、「侵入者は処刑する掟だが、イオランタの目が治れば罪を許す」と宣言。イオランタはヴォデモンを救うため、治療に耐える決心をする。一方ロベルトが幼くして決められたイオランタの許嫁であることが明らかになり、ロベルトが婚約解消を申し出るので、王はヴォデモンの求婚を受け入れる。施術を終えたイオランタが登場。王が二人を祝福し、一同喜びに包まれて光を讃える。