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オペラ『夜鳴きうぐいす/イオランタ』リモートテクニカルリハーサル

『夜鳴きうぐいす/イオランタ』はいよいよ、舞台装置の劇場仕込が完了しました。
今日の夕方からはフランス、イタリアにいる演出・美術・衣裳:ヤニス・コッコス、照明:ヴィニチオ・ケリ、映像:エリック・デュラント、ヨーロッパにいる彼らの助手と、ここ東京・新国立劇場とをオンラインで何回線も繋ぎ、リモートでテクニカルリハーサルを行っています。

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新国立劇場では、新演出の公演を制作する場合、演出家・デザイナーとスタッフが劇場に一堂に会し、演出プレゼンテーションを基に、各部門で数日間集中的に打ち合わせをこなうのが通例です。ところがちょうど1年前、『夜鳴きうぐいす/イオランタ』最初の演出プレゼンテーションは新型コロナウイルスの急拡大で断念。以来、このプロダクションは全ての創作過程をリモートで行ってきました。リモート会議にリモート会議を重ね、形となった装置がついに劇場の舞台に出現したのを目にして、デザイナー達の胸の高まりはどれほどでしょうか...!

色合い、明暗のコントラスト、距離感などが特に大事な舞台デザインの世界では、リモート会議ツールだけではとても舞台の様子を伝えることはできません。テクリハでは、配信映像だけでは足りない部分はデザイナー達が納得するまで言葉や写真で補完し、各デザイナーの意図に沿って全体を修整するというキャッチボールを集中的に行っています。この作業は、その場に全員がいて確認ができる通常の創作過程に比して、何倍もの時間と手間と想像力が必要となるもの。限られた時間の中で次々と判断を下していくのは、スタッフ達の底力のなせる業です。


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ヤニス・コッコス氏と確認する日本側スタッフ 
中央は演出補の三浦安浩氏
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照明:ヴィニチオ・ケリ氏との照明確認


美術家出身のヤニス・コッコス氏の『夜鳴きうぐいす/イオランタ』の舞台はとてもチャーミングです。とびきり上質の絵本をめくるように、色とりどりにきらめくおとぎの世界へ連れて行かれてしまいます。美しくて心に染みるプロジェクションが、音楽と共に次々展開する様子を想像するだけで、わくわくが止まりません。
宝石箱を開けたような上質のファンタジーの世界は、遠くヨーロッパで長い時間をかけて『夜鳴きうぐいす/イオランタ』の世界を創ってきたクリエイター達から日本のお客様への、とっておきのプレゼント。ぜひお楽しみに!

『夜鳴きうぐいす/イオランタ』公演情報