書籍紹介 ②
2009年 07月 31日|スタッフ
松岡和子 著 『シェイクスピア「もの」語り』(2004年 新潮選書)
作中の「もの」にこだわり全作品を概観した、好事家垂涎の書。「もの」の選択も松岡氏ならではの視点で、たとえば『オセロー』の「ハンカチ」のように王道をいくものもあれば、「えっ!?これですかぁ」と意表をつくものもあり、まさに百花繚乱。具体的な「もの」が主役だけに、作品を顕微鏡で見ているような微細な分析をとおして、シェイクスピアの全体像が浮かび上がります。ちなみに『ヘンリー六世』第一部は「庭園」と「薔薇」。そのほかはお楽しみ。