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テュークスベリー

テュークスベリー寺院

テュークスベリー寺院

さて初日まで一月余り、あいかわらず稽古場のスケジュールはぎっしりだが、さいわい順調に、前向きに進行していて、そろそろ通し稽古が楽しみ…という段階だ。舞台装置や衣裳、もろもろの発注のための打ち合わせも大詰め。
戦跡ツアーの方は、グロスターシャーのテュークスベリー。前回のウェークフィールドからはマンチェスター、バーミンガムを経由して、南に半日の行程。西暦1471年5月4日、この地での戦いが「ヘンリー六世」の最終戦だった。といっても、国王自身は既に捕らえられ、ロンドン塔に幽閉されていて、この戦闘には参加せず、指揮を執ったのは妻のマーガレット。ところが直前の「バーネットの闘い」で、名将ウォリックを失なったランカスター軍は、ここテュークスベリーで壊滅的な敗北を蒙り、ヘンリー六世の皇太子エドワードまでが殺害。続いてヘンリー六世も、ロンドン塔で暗殺されてしまう。このあたりが第三部の第5幕のクライマックスとなるわけだ。
現地テュークスベリーの街の中心には、命からがら聖堂に逃げ込んだランカスター軍がヨーク軍に皆殺しにされたと言われるテュークスベリー寺院が建っている。南郊に広がる草原には「血染めヶ原」なんて呼び名される一角もある。毎年6月には戦いを記念して、市民参加の戦闘アトラクションが催されるようだが、今年4月、現地を散策した日は、朝から霧が立ち込め、霧の中か何やら凄みのある木々が浮かび上がり、540年前の凄惨な戦いをほうふつさせる気配だった。それにしても、どこへ行ってもいつ果てるともしれない戦いの痕跡。僕らの戦跡ツアー、そろそろ別の潤いを探し求めたい気分にもなる。

霧に浮かぶ凄みのある木々

霧に浮かぶ凄みのある木々

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