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ヨークからタウトンへ

タウトン古戦場の慰霊碑

タウトン古戦場の慰霊碑

古都ヨークからタウトンへは、タクシーで約30分。タクシーでなければ行けないような、へんぴなというか、とにかく見わたす限り、ただの野っぱら。ほんとに何もないところなのです、ここタウトンは。
史実によればヨーク方の総帥ヨーク公リチャード・プランタジネットの死後、西暦1461年3月27日、ランカスター方の勇将クリフォードが首に矢を受けて倒れ、その翌々日、29日、降りしきる雪の中、赤薔薇のランカスター vs. 白薔薇のヨーク、敵味方入り乱れての死闘が繰り広げられたこの古戦場。
両軍に別々に徴兵された親と子供が、偶然同じ戦場に居合わせ、敵味方に分かれて殺しあったという、文字通り血で血を洗う乱戦を、ひとり丘の上から見下ろすヘンリー6世の、哀切きわまるモノローグ。今回の第三部中でも、ひときわ印象に残る場面です。
約550年前の激戦とほぼ同じ季節。訪れた我々を迎えてくれたのは、あくまでも青く晴れわたった春の空。野中にぽつんと建った慰霊碑には、それでもひっそりと、黄色い花が手向けられていました。
稽古場の方は立ち稽古が始まったばかり。どんなアイディア、表現が飛び出してくるか分からない、現場ならではの、とてもスリリングな毎日です。ただし一度ざっと当たった場面を、更に練り直す機会が次に巡ってくるのは…何しろ1週間以上も先…まあそれも全編9時間、長大三部作上演の稽古場の醍醐味かと、一座あくまでも前向きに、ヘンリー6世ライフを満喫しています。

 

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