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古都ヨークへ…

ミッセルゲートバー

ミックルゲートバー

稽古場は、相変わらずテーブル稽古。読み合わせも終盤に入って、そろそろ各場のからみあいが見えてきというところ。
さて、「ヘンリー六世」ゆかりの戦跡ツアー、と言えば聞こえはいいが、イギリス国内の古戦場には、別に名高い寺やお城が立っているわけじゃない。運がよければ記念碑らしきものに出くわすこともあるが、大抵は、ただの原っぱ。地元の人たちに道を尋ねても、ちゃんと答えが返って来る確率はかなり低い。わずかに残った城壁、由来を記したプレートなど、かすかな手掛かりをたよりに、ひたすら歩き、こののんびりゆったりと起伏を繰り返す平和な丘陵地帯を、かつて駆け抜けていった軍馬の蹄の音や、戦士たちのときの声の残響に、ただただ思いをはせるという、何とも不思議な二週間だった。
ツアーのスタート地点は、白薔薇ゆかりの古都ヨーク市。3月31日のお昼過ぎに、ロンドンから北へ鉄道で約2時間。ローマ、バイキング、ノルマン人の時代からイングランドの北の拠点におり立った。
駅舎を出ると、すぐ目の前に、旧市街をぐるりと取り囲む城壁が迫っている。透きとおった青天のもと、城壁を支える緑の土手には、数限りない黄水仙が風に揺れて、古都の額縁に、思いがけないいろどりをそえている。
この城壁にそってしばらく歩くと「ヘンリー六世」第三部の二幕二場、白薔薇を紋章とするヨーク家の首魁、ヨーク公、リチャード・プランタジネットが、ヘンリー六世の妃、マーガレットになぶり殺しにされた末、その生首をさらされたといわれる城門、ミックルゲートバーが今もその面影を残し、そびえ立っていた。

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