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オテロ
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英雄オテロの心の迷宮、そして破滅。圧巻の音楽ドラマ!

オテロ

あらすじ

15世紀末、ヴェネツィアの将軍オテロがトルコ艦隊に勝利し、嵐の中キプロス島に帰還する。カッシオの副官昇進を妬む旗手のイアーゴは、オテロを破滅させるべく謀略を企む。まずカッシオを失脚させ、オテロへの取りなしをオテロの妻デズデーモナに頼むようカッシオに入れ知恵する。さらに、デズデーモナの落としたハンカチをカッシオに持たせる。妻とカッシオの不貞を信じ込んだオテロはデズデーモナを絞め殺すが、真実を知り自害する。

オテロ

オペラのイアーゴは〈悪〉の擬人化

ヴェルディの「オテロ」が傑作となったのは台本を書いたアッリーゴ・ボーイトの力が大きいとよく言われます。ボーイトはヴェルディより29歳年下でオペラの作曲も手がけており、中でもよく知られているのはゲーテ『ファウスト』を原作とした「メフィストーフェレ」です。
ヴェルディがボーイトを高く評価したのは、彼のオペラ台本を構成する力と、素晴らしい詩を書く才能でした。オペラの台本では珍しいことではありませんが、原作であるシェイクスピアの『オセロー』とボーイトのオペラ台本には大きな違いがあります。まずは原作の第一幕、ヴェネツィアの場面を削ったこと。オペラは冒頭から、嵐のキプロス島にオテロの船が帰ってくるドラマチックな幕開けとなりました。
そして原作の悪役イアーゴーがオセローを恨む理由は、昔オセローが自分の妻を寝取った疑惑がある、という理由なのに比べて、オペラのイアーゴの憎しみはより哲学的です。イアーゴが第2幕で歌う「クレード(信条)」と呼ばれるモノローグは、「俺は信じる、俺を作った残酷な神を」「俺は邪悪だ、なぜなら俺は人間だから」「これが俺の信条だ!」と歌い、最後は、「死は無だ。そして天国は古臭いおとぎ話さ」とシニカルな結論を下します。オペラのイアーゴは、より抽象的な、〈悪〉が擬人化されたような存在なのです。

Digest Movie

  • 【作曲】ジュゼッペ・ヴェルディ/1880~86年
  • 【原作】ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』
  • 【台本】アッリーゴ・ボーイト(イタリア語)
  • 【初演】1887年2月5日/ミラノ/スカラ座
  • 【制作】新国立劇場2009年
  • 【構成】4幕/約2時間20分
  • 【演出】マリオ・マルトーネ
  • 【美術】マルゲリータ・パッリ
  • 【衣裳】ウルスラ・パーツァック
  • 【照明】川口 雅弘
  • サロメ
  • トスカ
  • ドン・ジョヴァンニ
  • トゥーランドット
  • オテロ
  • 魔笛