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ドン・ジョヴァンニ
ドン・ジョヴァンニ
ドン・ジョヴァンニ
ドン・ジョヴァンニ

モーツァルト珠玉のアリアが綴る稀代のプレイボーイ ドン・ファンの物語

ドン・ジョヴァンニ

あらすじ

若き貴族ドン・ジョヴァンニは、見境なく女たちを誘惑することが生き甲斐。ある日、忍び込んだ邸宅でドンナ・アンナに抵抗され、その父の騎士長を刺殺してしまう。「父の仇」としてアンナやその婚約者オッターヴィオらに追われ、彼の人生の歯車が狂い始める。ある夜、ドン・ジョヴァンニは不遜にも石像となった亡き騎士長を自宅での食事に招待する。石像は、自らの行いを悔い改めることを拒否した彼を地獄へと引きずりこむ。

ドン・ジョヴァンニ

天罰が下ってほしいほど魅力的な男

ドン・ジョヴァンニは、その行いを考えれば立派に悪党の一人ですが、同時に魅力的な男という一面を持っています。ドン・ジョヴァンニは女性を誘惑しては捨てて良心の呵責も感じない。なぜ彼にはそれが許されるのでしょう?
ドン・ジョヴァンニはスペインの貴族、一目で高貴な生まれと分かる美男子です。古今東西、変わらないのは女心。平民の娘は身分の高い男に憧れて、婚約者がいるにもかかわらず簡単にだまされてしまいます。一方、貴族の令嬢は操を汚されては名誉に関わるため、平民の娘ほどは簡単に陥落しませんが、恥知らずなドン・ジョヴァンニは友人の婚約者を襲ったり、嘘の約束をしたりと、卑劣な手段を使ってあらゆる女性をものにしていきます。
こんな男には天罰が下ってほしい。その願いが〈ドン・ジョヴァンニ伝説〉を作り出しました。神は人間の悪行を見ています。ついには殺された騎士長の彫像が現れ、ドン・ジョヴァンニは地獄落ちの末路を辿ります。でも人々がドン・ジョヴァンニの物語を好むのは、悪は罰されるという教訓を得たいからだけなのでしょうか?実はその反対に、勧善懲悪の形を取ってはいるものの、そこには悪の魅力に酔いしれたいという心理があるように思います。宴を前にしたドン・ジョヴァンニのアリア「酒が頭にまわるまで」の中で歌われている“酒・踊り・女”を好むのは、何も彼だけではないのですから。

Digest Movie

  • 【作曲】ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/1787年
  • 【台本】ロレンツォ・ダ・ポンテ(イタリア語)
  • 【初演】1787年10月29日/プラハ/ノスティッツ劇場
  • 【制作】新国立劇場2008年
  • 【構成】2幕/約3時間
  • 【演出】グリシャ・アサガロフ
  • 【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ
  • 【照明】マーティン・ゲプハルト
  • サロメ
  • トスカ
  • ドン・ジョヴァンニ
  • トゥーランドット
  • オテロ
  • 魔笛