2022/2023シーズン

新国立劇場 開場25周年記念公演モデスト・ムソルグスキーボリス・ゴドゥノフ<新制作>

Boris Godunov / Modest Mussorgsky
プロローグ付き全4幕〈ロシア語上演/日本語及び英語字幕付〉
文化庁委託事業「令和4年度戦略的芸術文化創造推進事業」
公演期間:
2022年11月15日[火]~11月26日[土]
予定上演時間:
約3時間25分(プロローグ・第1幕70分 休憩25分 第2・3幕40分 休憩25分 第4幕45分)

Introductionはじめに

簒奪者ゴドゥノフの破滅への転落
ロシア・オペラの金字塔

『エウゲニ・オネーギン』『夜鳴きうぐいす/イオランタ』に続くロシア・オペラの新制作。ロシア国民楽派「ロシア五人組」のムソルグスキーが完成させた唯一のオペラ『ボリス・ゴドゥノフ』を、ポーランド国立歌劇場との共同制作により、同劇場芸術監督のマリウシュ・トレリンスキの演出で新制作上演します。 『ボリス・ゴドゥノフ』はロシア動乱時代の皇帝ボリス・ゴドゥノフの戴冠から死までを描くプーシキンの戯曲を原作とし、有力者たちの策謀と民衆の叫び、そしてボリスの孤独と苦悩がシェイクスピア史劇のように展開する悲劇です。ムソルグスキーの音楽は近代性に満ち、ロシア民謡やロシア正教の教会音楽に基づいた斬新な和声が用いられ、ロシア国民音楽の金字塔として輝く傑作です。民衆の合唱や人物のモノローグのコントラストも鮮やかで、緊張感に満ちた硬質な音楽とドラマティックな展開が凝縮されています。
演出を手掛けるトレリンスキは映画監督出身、現代的な解釈と美的感覚で音楽の本質的な美しさを引き出し、欧米で目覚ましい活躍をしている演出家。大野和士芸術監督とのタッグは、トレリンスキがインターナショナル・オペラ・アワード最優秀演出家賞を獲得した世界的話題作『炎の天使』以来となります。性格表現に秀でたギド・イェンティンス、アーノルド・ベズイエンら強力な布陣で、自らの行為によって追い詰められていくボリス・ゴドゥノフの破滅のドラマをお届けします。
オペラの現代性を発信し続けている新国立劇場から、また新たに、時代を問う新プロダクションが誕生します。

なお、今回の上演では、1869年の原典版と1872年の改訂版を折衷し上演します。

※新型コロナウイルス感染症の影響により、公演内容や招聘スタッフ・キャストに変更が生じる場合があります。

Schedule公演日程

公演日程

2022年11月15日(火)14:00

2022年11月17日(木)19:00

2022年11月20日(日)14:00

2022年11月23日(水・祝)14:00

2022年11月26日(土)14:00

予定上演時間

約3時間25分(プロローグ・第1幕70分 休憩25分 第2・3幕40分 休憩25分 第4幕45分)

  • 時間は変更になる場合があります。最新の情報はボックスオフィスまでお問い合わせください。(11月13日更新)

会 場

ご注意事項

  • ロビー開場は開演60分前、客席開場は開演45分前です。開演後のご入場は制限させていただきます。
  • 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、託児サービス、バックステージツアーは当面休止させていただきます。

Staff&Castスタッフ・キャスト

スタッフ

  • 【指 揮】大野和士
  • 【演 出】マリウシュ・トレリンスキ
  • 【美 術】ボリス・クドルチカ
  • 【衣 裳】ヴォイチェフ・ジエジッツ
  • 【照 明】マルク・ハインツ
  • 【映 像】バルテック・マシス
  • 【ドラマトゥルク】マルチン・チェコ
  • 【振 付】マチコ・プルサク
  • 【ヘアメイクデザイン】ヴァルデマル・ポクロムスキ
  • 【舞台監督】髙橋尚史
  • 指揮大野和士
  • 演出マリウシュ・
    トレリンスキ
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キャスト

  • 【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス
  • 【フョードル】小泉詠子
  • 【クセニア】九嶋香奈枝
  • 【乳母】金子美香
  • 【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン
  • 【アンドレイ・シチェルカーロフ】秋谷直之
  • 【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ
  • 【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真
  • 【ヴァルラーム】河野鉄平
  • 【ミサイール】青地英幸
  • 【女主人】清水華澄
  • 【聖愚者の声】清水徹太郎
  • 【ニキーティチ/役人】駒田敏章
  • 【ミチューハ】大塚博章
  • 【侍従】濱松孝行
  • ※本プロダクションでは、聖愚者は歌唱のみの出演となります。
  • 【合唱指揮】冨平恭平
  • 【合 唱】新国立劇場合唱団
  • 【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団
  • 【管弦楽】東京都交響楽団
  • 共同制作:ポーランド国立歌劇場
  • Co-production with Polish National Opera
  • ボリス・ゴドゥノフギド・
    イェンティンス
  • ヴァシリー・シュイスキー公アーノルド・
    ベズイエン
  • ピーメンゴデルジ・
    ジャネリーゼ
  • グリゴリー・オトレピエフ
    (偽ドミトリー)工藤和真
  • ヴァルラーム河野鉄平
  • 聖愚者の声清水徹太郎
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  • 共同制作:ポーランド国立歌劇場
  • Co-production with Polish National Opera

Profile

【指揮】大野和士(ONO Kazushi)

東京藝術大学卒業後、バイエルン州立歌劇場でサヴァリッシュ、パタネー両氏に師事。ザグレブ・フィル音楽監督、バーデン州立歌劇場音楽総監督、ベルギー王立モネ劇場音楽監督、アルトゥーロ・トスカニーニ・フィル首席客演指揮者、リヨン歌劇場首席指揮者、バルセロナ交響楽団音楽監督を歴任。現在、新国立劇場オペラ芸術監督(18年~)及び東京都交響楽団音楽監督、ブリュッセル・フィルハーモニック音楽監督。これまでにボストン響、ロンドン響、ロンドン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、フランクフルト放送響、パリ管、フランス放送フィル、スイス・ロマンド管、イスラエル・フィルなど主要オーケストラへ客演を重ね、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、英国ロイヤルオペラ、エクサンプロヴァンス音楽祭など主要歌劇場や音楽祭で数々のプロダクションを指揮。新作初演にも意欲的で、数多くの世界初演を成功に導いている。17年にはリヨン歌劇場がインターナショナル・オペラ・アワード「最優秀オペラハウス」を獲得し、フランス芸術文化勲章オフィシエを受勲。日本芸術院賞、サントリー音楽賞、朝日賞など受賞多数。文化功労者。新国立劇場では98年『魔笛』、10~11年『トリスタンとイゾルデ』、19年『紫苑物語』(創作委嘱作品)、『トゥーランドット』、20年『アルマゲドンの夢』(創作委嘱作品)、21年『ワルキューレ』『カルメン』、子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、22年『ペレアスとメリザンド』を指揮している。22/23シーズンは『ラ・ボエーム』も指揮する予定。

【演出】マリウシュ・トレリンスキ(Mariusz TRELIŃSKI)

ポーランドの演出家。2008年よりポーランド国立歌劇場芸術監督。映画監督出身で古典的美学と現代的美学、独自の映画的な解釈を持つ。1996年、ワルシャワで『Heartsnatcher』を演出してオペラ演出デビュー。99年にはポーランド国立歌劇場『蝶々夫人』がサンクトペテルブルク、バレンシア、テルアビブと世界各地で上演され、国際的キャリアのスタートとなった。15年、ポーランド歌劇場・モネ劇場共同制作によりアデス作曲『Powder Her Face』を演出。メトロポリタン歌劇場16/17シーズン開幕を飾った『トリスタンとイゾルデ』は、バーデン=バーデン、ワルシャワ、北京でも上演された。映画学校を卒業し、映画監督として数々の賞を受賞しており、映画では古典的様式や技術を用いながら、革新的な照明やアングルを取り入れる。10年の『椿姫』はボブ・フォッシーの『All That Jazz』へのオマージュとして演出、現代的な鮮やかな解釈で、現代有数の演出家という地位を確固とする作品となった。 15年ポーランド国立歌劇場・メトロポリタン歌劇場共同制作『イオランタ/青ひげ公の城』では、ホラー映画風の詩情や視覚を取り入れ独創的なダブルビルを創出。18年エクサンプロヴァンス音楽祭『炎の天使』は表現主義的作品で、一大センセーションを起こした。20年秋にはモネ劇場『死の都』の100周年記念上演で、新型コロナウイルス対策を期すため短期間のうちに映像を撮り直し安全に配慮したステージングを行った。映画監督として、『秋への別れ』でヴェネツィア映画祭金獅子賞ノミネート、ポーランド映画批評家賞などを受賞、オペラでもシマノフスキ賞、インターナショナル・オペラ・アワードなど数々の賞を受賞している。新国立劇場初登場。

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Profile

【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス(バス) (Guido JENTJENS)

ケルン音楽大学で学び、デュッセルドルフ歌劇場のオペラスタジオにて歌手活動を始める。2005年から13年までニュルンベルク州立劇場専属歌手の一員となる。専属歌手及びゲストとしてアウクスブルク、エアフルト、カールスルーエ、ヴィースバーデンの各劇場に出演。レパートリーは『ローエングリン』ハインリヒ、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ポーグナー及びハンス・ザックスをはじめ多数。『青ひげ公の城』青ひげ、『神々の黄昏』ハーゲンのロールデビューは高く評価された。オペラやコンサートでのゲスト出演として世界中で公演。2013年、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の新制作でザルツブルク音楽祭へデビューを飾って以降、多くの名高い音楽祭にたびたび招かれる。新国立劇場では、2010/2011シーズン『トリスタンとイゾルデ』マルケ王、2021/2022シーズン『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ファイト・ポーグナーに出演した。

【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン(テノール) (Arnold BEZUYEN)

オランダのテノール。アムステルダム大学、アムステルダム・オペラスタジオで学んだ後、アウグスブルク歌劇場、ブレーメン歌劇場、ウィーン国立歌劇場と契約、『蝶々夫人』ピンカートン、『ナブッコ』イズマエーレ、『オテロ』カッシオ、『椿姫』アルフレードなどに出演。特に『ニーベルングの指環』ミーメ、『サロメ』ヘロデで成功を収め、重要なレパートリーとなる。98年にはバイロイト音楽祭にミーメ役でデビューし、同音楽祭へはその後15年間出演を続ける。2020年、22年にはバイロイト音楽祭に『ラインの黄金』『ジークフリート』ミーメで出演。ほかに、オランダ国立オペラ、バルセロナ・リセウ大劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、英国ロイヤルオペラ、メトロポリタン歌劇場、ミラノ・スカラ座、ナポリ・サンカルロ歌劇場、ウィーン国立歌劇場など世界の主要劇場に『ばらの騎士』テノール歌手、『フィデリオ』フロレスタン、『ボリス・ゴドゥノフ』シュイスキー、『アラベッラ』マッテオ、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ダーヴィット、『ラインの黄金』ローゲ、『ラインの黄金』『ジークフリート』ミーメなどで出演している。新国立劇場初登場。

【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ(バス) (Goderdzi JANELIDZE)

ジョージア出身のバス。バトゥミ・パリアシュヴィリ音楽院、バトゥミ・オペラスタジオ、トビリシ国立音楽院で学んだ後、ボリショイ劇場ヤングアーティスト・プログラムに参加。2017年エレーナ・オブラスツォワ国際コンクール優勝。18年フョードル・シャリアピン国際コンクール優勝及び聴衆賞受賞。同年リムスキー・コルサコフ国際コンクール優勝。ボリショイ劇場専属歌手として『ドン・カルロ』修道士、『ラ・ボエーム』コッリーネ、『ファウストの劫罰』ブランデルなどに出演した後、欧米各地の主要劇場へ活躍を拡げ、2021/2022シーズンには、『リゴレット』スパラフチーレでパリ・オペラ座に、また英国ロイヤルオペラに『サムソンとデリラ』ヘブライの長老でデビュー。最近の出演に、バルセロナ・リセウ大劇場『ラ・ボエーム』コッリーネ、ウェックスフォード音楽祭『ドン・キショット』タイトルロール、テアトロ・レアル『仮面舞踏会』トム、ブレゲンツ音楽祭、カナディアン・オペラ・カンパニー、コロン歌劇場『リゴレット』スパラフチーレ、ヴァンクーバー・オペラ『エウゲニ・オネーギン』グレーミン公爵、ボリショイ劇場『イーゴリ公』コンチャークなどがある。新国立劇場初登場。

【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真(テノール) (KUDO Kazuma)

岩手県出身。東京藝術大学卒業。同大学院修了。声楽を小原一穂、佐々木朋也、市原多朗の各氏に師事。市川市文化振興財団主催第28回新人演奏家コンクール優秀賞。第33回練馬区新人演奏会オーディションにて最優秀賞を獲得。第1回かわさき新人声楽コンクール第1位。第84回日本音楽コンクール声楽部門第2位。第53回日伊声楽コンコルソ第1位及び歌曲賞(岡部多喜子・嶺貞子賞)を受賞。第17回東京音楽コンクール声楽部門第2位(最高位)及び聴衆賞を受賞。東急ジルベスターコンサート2019-2020ではベートーヴェン《交響曲第九番》テノールソリストとして出演。オペラでは『カヴァレリア・ルスティカーナ』トゥリッドゥでデビューを果たし、『椿姫』アルフレード、『トスカ』カヴァラドッシ、『カプレーティとモンテッキ』テバルド、『ナブッコ』イズマエーレなどで出演。今回が新国立劇場デビューとなる。

【ヴァルラーム】河野鉄平(バス) (KONO Teppei)

クリーブランド音楽院大学卒業、同大学院修了。2003年サンフランシスコオペラ・メローラオペラプログラム参加。同年『フィガロの結婚』フィガロでオペラデビュー。06年、シカゴ芸術大学ディプロマコース及びシカゴ・オペラ・シアター研修プログラム修了。同年シンガポールでも『フィガロの結婚』に出演。アメリカで23年間過ごし、帰国後は17年小澤征爾音楽塾『カルメン』スニガ、18年セイジ・オザワ松本フェスティバル『ジャンニ・スキッキ』ベットなどで好評を博す。これまでに『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール/騎士長、『カルメン』エスカミーリョ、『ドン・カルロ』フィリッポ二世、『シモン・ボッカネグラ』フィエスコ、『アイーダ』ランフィス、『ファウスト 』(ハイライト)メフィストフェレス、『エウゲニ・オネーギン 』グレーミン公爵などに出演。21年には二期会『タンホイザー』ラインマル、『魔笛』弁者、武士2に出演。新国立劇場では20年『夏の夜の夢』パック(台詞役)に出演したほか、22年『さまよえるオランダ人』オランダ人に出演し称賛を集めた。22年4月『魔笛』ザラストロ、7月『ペレアスとメリザンド』医師に出演。22/23シーズンは『ドン・ジョヴァンニ』騎士長にも出演予定。二期会会員。

【聖愚者の声】清水徹太郎(テノール) (SHIMIZU Tetsutaro)

京都市立芸術大学卒業、同大学院修了。第33回飯塚音楽コンクール第1位、第82回日本音楽コンクール入選他多数上位入賞。文部科学大臣賞、平成29年度坂井時忠音楽賞、平成30年兵庫県芸術奨励賞他多数受賞。「第九」「天地創造」「千人の交響曲」「メサイア」「マタイ受難曲」等多数のソリストを務める。『カルメン』『ボエーム』『魔笛』『夕鶴』『オテロ』『サロメ』『ラインの黄金』等出演多数。京都市立芸術大学、大阪音楽大学、滋賀大学各講師。びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー、<びわ湖ホール四大テノール>メンバー。新国立劇場では、21年の『カルメン』高校生のためのオペラ鑑賞教室公演、びわ湖ホール公演でドン・ホセ役に出演している。

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Storyものがたり

【プロローグ】戴冠式を前に群衆が集まっている。ゴドゥノフは最高位の僧ピーメンと緊張関係にあるが、儀礼的にその指輪に口づけをする。幼いドミトリー皇子の死の幻影に慄くゴドゥノフだが、戴冠式の彼の演説は人々の心を掴む。

【第1幕】6年後。ピーメンは僧グリゴリーに、自分こそ現皇帝に殺害されたドミトリーの生まれ変わりと信じ込ませていた。グリゴリーはドミトリーの僭称者となる。宮殿へ向かうグリゴリーは二人の僧と共に宿屋に立ち寄る。追手が到着するが、僧たちに惨殺される。

【第2幕】ゴドゥノフは数年の支配に疲れ切っている。娘クセニアは婚約者の死を悼み、息子フョードルは、将来の自分の治世の展望を話して、父の涙を誘う。ゴドゥノフの臣下シュイスキーは、皇帝の弱みに付け込むことを思い立ち、ゴドゥノフにウグリッチで目撃したことを克明に語り聞かせる。彼の地での行為を思い起こすゴドゥノフの前に、死んだドミトリーの天使のような姿の幻影が現れる。宮殿に迫るドミトリーの僭称者は、復讐の天使なのだろうか。

【第3幕】ゴドゥノフはまたも悪夢を見る。ウグリッチの子供たちがゴドゥノフを取り囲む。フョードルが憎しみに満ちた目で父を見る。父の罪を非難しているのだ。現実にフョードルは高熱で朦朧とし、「ゴドゥノフがドミトリーを殺害した」という聖愚者の糾弾を繰り返している。

【第4幕】無秩序状態の議会へゴドゥノフが登場。シュイスキーは狂乱寸前の皇帝を嘲笑う。ピーメンが人々の病を癒すという亡きドミトリーの幽霊の話をし、ゴドゥノフを挑発する。ゴドゥノフは苦しみながら己の罪を告白する。そこへドミトリーの名を語る僭称者グリゴリーが登場、議会は混乱に陥る。ゴドゥノフはフョードルを呼び死が迫っていることを伝えるが、息子は理解できない。

【フィナーレ】集団の暴動が続く中、僭称者グリゴリーは自らが新たな皇帝であることを宣言する。

*本あらすじは演出に準拠しています