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新国立劇場 2013/2014シーズンバレエ公演 「バレエ・リュス」特設サイト

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バレエ・リュス アラカルト

2013年6月13日

二つの「火の鳥」~バレエ・リュスと手塚治虫~

火の鳥。
火の鳥ときいて、何を想像しますか?
まばゆいばかりの光で全身覆われ、弓で射ようと槍で突こうと絶対に死なず、数百年に一度火の中に飛び込んで自らを焼き新しい体に生まれ変わる。何百年何千年生きているかもわからない。その血を飲めば飲んだ人間も不老不死の存在になれるという。人間以上に知恵があり、人の言葉も理解し、時に人にテレパシーで 話しかけることもできる…。

…こんなところでしょうか。実は今列挙した特徴は、全てかの有名な手塚治虫氏の傑作、漫画「火の鳥」の作中で描かれたものです。
鳳凰、不死鳥、フェニックス、世界中で様々な名前で存在する不死の鳥ですが、私たち日本人にとってはこの手塚治虫版が最も馴染み深いものではないでしょうか。

アニメ化、舞台化、映画化とさまざまにメディアミックスされ、各方面に多大な影響を与えた手塚治虫の「火の鳥」と、今回のバレエ・リュスの「火の鳥」。
この二作品、全く畑違いのように見えて実はとても深~~い関係があるのです。

“ぼくはある劇場で、ストラビンスキーの有名なバレエ「火の鳥」を観ました。バレエそのものももちろんでしたが、なかでプリマバレリーナとして踊りまくる火の鳥の精の魅力にすっかりまいってしまいました。
火の鳥の精は、悪魔にとらえられた王女を救うために、出発する王子の案内役をつとめる鳥で、ロシアの古い伝説なんだそうです。その情熱的で優雅で神秘的なこの鳥は、レオに匹敵するドラマの主人公として最適のように思えました。
そういえば、どの国にも、火の鳥のような不思議な鳥の存在が伝説としてのこっています。蓬莱山伝説にあらわれるホーオーという鳥、あるいは不死鳥とよばれている一連のいいつたえなどに、なにか超自然的な生命力の象徴を鳥の姿に託したような感じがします。“  
講談社『手塚治虫文庫全集 火の鳥②』p288より(初出:1968年12月20日発行「火の鳥 未来編」掲載)

引用は、手塚治虫が火の鳥連載中に書いた「私と火の鳥」というエッセイの冒頭部分です。
なんと、手塚治虫は、バレエ・リュスの「火の鳥」から漫画「火の鳥」の着想を得ていたのですね!

手塚治虫が影響を受けたと思われる個所は、キャラクターのみならず、作中のシーンにもいくつか見受けられます。
そのうちのひとつをご紹介しましょう。

「火の鳥」黎明編で、火の鳥を狩りにきた若者・ウラジは、弓矢の効かない火の鳥を素手で捕まえようとしてその火に焼かれて死んでしまいます。
遺体となって村に帰ってきた彼の手に握られていたのは、火の鳥の存在を証明する、一枚の羽でした。
悲劇的な場面の中でひときわ輝く羽の美しさと、村の勇者でさえも黒こげにしてしまう強さ。火の鳥の二つの大きな特徴が象徴的に描かれる、名シーンです。

一方バレエ・リュスでのイワン王子も弓矢で火の鳥を捕まえることに失敗し、素手で火の鳥を捕まえます(ここで王子と火の鳥が踊るパ・ド・ドゥは緊張感に満ちて火の鳥の強かさと妖艶さの魅力に溢れており、「火の鳥」見所の一つです)。
疲れた火の鳥は、見逃してくれる代わりに、と、あるものを王子に渡します。そのあるもの、というのが、一枚の羽なのです。
バレエ・リュスを見た手塚治虫は、この場面に強く感銘を受けたのではないでしょうか。

体そのものをけして明け渡さず、一枚でも美しく光り輝く羽を人間の手に託すという行為は、火の鳥の神秘性と強かさを強調し、両作品においてとても印象的なシーンとなっています。

手 塚治虫の「火の鳥」黎明編では、その後、火の鳥に魅入られた人間が何人も命を落としていきます。不死の命を求める人間たちはそれを追い求める過程で皮肉な ことに死んでいくのです。一方、懸命に生きていこうとする人間を火の鳥は見守り、時に話しかけ、時に道案内として導きます。
対して、バレエ・リュスの火の鳥は、イワン王子の危機に王子が羽を翳した瞬間に約束通り現れ、王子と王子が恋に落ちた王女ツァレヴナを結びつけるために尽力してくれます。
「超自然的な生命力の象徴」と手塚治虫の評した火の鳥のタイトルを冠した物語が、最後に結婚式のシーンで幕を閉じるのは、とても興味深いところですね。

バレエ・リュスの火の鳥は、作中のヒロインの一人ですが、バレエにはたおやかなヒロインの多い中で、とても力強く美しく人を超越した魔力を持った存在として神秘的に踊られます。
人間たちの生き様を見つめ続ける、気高く美しい手塚治虫の火の鳥がここから生まれたのかと思うと、また違った視点から作品への理解を深められそうです。

私たち日本人の火の鳥像を作った手塚治虫、実はその原点であったバレエ・リュス「火の鳥」。
11月の上演をどうぞお楽しみに!

カテゴリー:コラム

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