2009年 11月 05日|スタッフ
ローレンス・オリヴィエ 著/倉橋 健、甲斐萬里江 訳 『演技について』(1989年 早川書房)
不世出のシェイクスピア俳優、オリヴィエが役作りについて赤裸々に語った俳優指南書。数々のシェイクスピアのタイトル・ロールを演じた彼らしく、一章まるごとシェイクスピアに割いている。
『リチャード三世』は最初はやりたくなかったらしく、過去に評判のいい舞台があるので自分には分が悪くなる、と思っていたようだ。面白いのは役作りの研究を始めると、イメージと並行して声のトーンを決める、という件。彼曰くリチャードは“細いが、細見の剣のように鋭い、力強い声”だそうだ。この声は幸運なことに、彼自身の監督・主演映画で我々も見る(聴く)ことができる。余談だが、この映画では冒頭のリチャードの独白に『ヘンリー六世』第三部からの「つけたし」を行い、長大な独白となっている。私見ではオリヴィエの沙翁映画では最も飽きずに見ることができる。
巻末に詳細な、オリヴィエの出演舞台、映画、テレビのリストつき。
『ON ACTING』 Laurence Olivier
2009年 11月 05日|スタッフ
レイマンド・フィッツサイモンズ 作/松岡和子 訳 『エドマンド・キーン』(1985年 劇書房)
実在した天才俳優、キーンを語り手にしたモノローグドラマ。ドゥルリー・レイン劇場の楽屋を舞台に、最期の時を迎えようとする彼が人生を振り返る。リチャード三世、シャイロックなど数々のシェイクスピアの主役を当たり役にした俳優に相応しく、シェイクスピアの台詞が劇中ふんだんに登場。彼らの心境とキーンの胸中とが共鳴しあう。
冒頭、芝居の幕開きが『ヘンリー六世』第三部第五幕第六場、リチャードの台詞(実際にはコリー・シバー翻案『リチャード三世』第一幕第二場)。そのあとも『ハムレット』『マクベス』『オセロー』『リア王』『コリオレイナス』『アテネのタイモン』と続き、シェイクスピア好きにはこたえられない作品。ロンドンでは『ガンジー』のベン・キングスレイが83年に演じ、日本では85年に江守徹が西武劇場(現パルコ劇場)にて上演した。
同じキーンが主役でサルトルにも作品があり、こちらは滝沢修、平幹二朗、江守徹(新国立劇場中劇場)、市村正親らが過去に演じている。
『EDMUND KEAN』 Raymund FitzSimons
2009年 11月 05日|スタッフ
昨日、今日と開催した「シェイクスピア大学校」の様子です。
連日何百人というお客様が、講師の先生の話に集中しています。
終了後はサイン会が行われ、長蛇の列の大盛況でした。