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書籍紹介 ⑨

ローレンス・オリヴィエ 著/倉橋 健、甲斐萬里江 訳 『演技について』(1989年 早川書房)

 不世出のシェイクスピア俳優、オリヴィエが役作りについて赤裸々に語った俳優指南書。数々のシェイクスピアのタイトル・ロールを演じた彼らしく、一章まるごとシェイクスピアに割いている。

 『リチャード三世』は最初はやりたくなかったらしく、過去に評判のいい舞台があるので自分には分が悪くなる、と思っていたようだ。面白いのは役作りの研究を始めると、イメージと並行して声のトーンを決める、という件。彼曰くリチャードは“細いが、細見の剣のように鋭い、力強い声”だそうだ。この声は幸運なことに、彼自身の監督・主演映画で我々も見る(聴く)ことができる。余談だが、この映画では冒頭のリチャードの独白に『ヘンリー六世』第三部からの「つけたし」を行い、長大な独白となっている。私見ではオリヴィエの沙翁映画では最も飽きずに見ることができる。

 巻末に詳細な、オリヴィエの出演舞台、映画、テレビのリストつき。

 『ON ACTING』 Laurence Olivier

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