書籍紹介 ⑬
2009年 11月 19日|スタッフ
出口典雄 著 『シェイクスピアは止まらない』(1988年 講談社)
回を重ねたこのコーナーも今回で最終回。
最後は、日本で全37作を演出した唯一の演出家、出口氏の著作。今は無き、渋谷ジャンジャンでの公演に接した方もおられるかと思いますが、氏は現在も精力的に活動を続けておられ、11月15日まで新宿の紀伊國屋ホールで『ハムレット』を上演されてました。
この本にはまず、ご自分の演出の秘訣といいますか、日常の些細なことからヒントを得てシェイクスピアに敷衍していくコツが語られ、次いで当時の世界的な演出家の舞台(ピーター・ホール、デボラ・ウォーナー、イングマル・ベルイマン)についての解読へと続き、シェイクスピア上演の最前線からの提言で締めくくられます。一言で言えばこの本に書かれているのは、いかにシェイクスピアを現代の同時代劇として上演、演出、演技するかということなのです。シェイクスピア=コンテンポラリーなのです。
コメント
トラックバック