Storyものがたり
【修道女アンジェリカ】夕暮れの修道院。礼拝を終え修道女たちは、アンジェリカは面会を待ち続けているのだと噂する。ついに面会の夫人が訪れる。アンジェリカの叔母の公爵夫人である。夫人はアンジェリカの妹の結婚のため、両親の遺産を放棄し妹へ与えるようにと遺産整理の手続きに来たのだ。アンジェリカは未婚の母であり、そのために7年前、子どもと引き離され修道院へ入れられていた。妹の結婚を喜び、わが子の様子をおずおずと尋ねるアンジェリカに、公爵夫人が子どもは2年前に亡くなったと伝える。悲嘆にくれるアンジェリカ。深夜、アンジェリカはひっそりと薬草を煎じて毒薬を作り、息子のもとへ旅立とうと毒をあおるが、すぐに自殺の大罪を犯しては天国へ行けないことに気づき絶望する。罪を悔い、聖母マリアに祈りを捧げるアンジェリカに奇蹟が起こり、天使の合唱の中、アンジェリカは息子に導かれ息を引き取る。
【子どもと魔法】宿題がいやで文句だらけの男の子。お母さんは怒って、味気ないパンと苦いお茶をおやつに置いていく。男の子はポットやカップを割ったり、リスや猫をいじめたり、暖炉をかき回してやかんを引っくり返したり、壁に落書きしたり、時計を壊したり本を破いたりと暴れ放題。すると椅子が動いて「乱暴な子はまっぴら」とダンスを始める。時計も怒るし、ポットもカップも脅かすし、「悪い子を焼き殺そう」と火まで追いかけてくる。壁紙から落書きの羊飼い、破れた本からおとぎ話のお姫様、そして教科書から算数の問題を出す妙なおじいさんまで登場。男の子が庭に逃げ出すと、寄り掛かった木が「お前がつけた傷だ」とうめくのでびっくり。トンボやこうもり、カエルと、いじめられた生き物たちも次々に集まる。男の子が思わず「ママ」と叫ぶと、生き物たちが仕返ししようと飛びかかって大騒ぎに。怪我してしまったリスを男の子が手当てすると、生き物たちは子どもの優しいところに気づいて、気を失った男の子を助けて家まで運んで「ママ」と声をかけ、「坊やはいい子になった」と言って消えていく。月明かりのもと、目を覚ました男の子が「ママ」と呼びかける。