Storyものがたり
【第1幕】 16世紀中頃。スペイン王子ドン・カルロは、 フランス王女エリザベッタと婚約し、愛し合っていたが、彼女はカルロの父スペイン王フィリッポ二世へ嫁ぐことに。絶望に沈むカルロに、親友のポーザ侯爵ロドリーゴは、圧政からの解放を望むフランドルの民衆を救うよう進言する。カルロはロドリーゴのはからいでエリザベッタと会い、フランドル行きの許しをもらえるよう父に口添えしてほしい、と彼女に頼む。想いが溢れカルロはエリザベッタを抱きしめるが、彼女はその腕をほどく。
【第2幕】己の美貌に絶対の自信を持つ女官エボリ公女はカルロを愛しているが、カルロに人違いで愛を告白され、彼がエリザベッタを愛していることを知り、怒って復讐を誓う。広場で異端者の火刑が始まろうというとき、フランドルの使者を連れたカルロが現れ、王にフランドルの現状を訴える。拒絶する王に向かいカルロが剣を抜いたため、反逆のかどで投獄される。
【第3幕】妻に愛されない孤独に打ちひしがれるフィリッポ二世。そこに来た宗教裁判長に、カルロとフランドルへの対応について意見を求めるが、宗教裁判長はロドリーゴこそが脅威だと告げる。エボリの策略で、エリザベッタのカルロへの思いの証拠がフィリッポ二世の手に渡る。王がエリザベッタを罵倒するのを見たエボリは己の行動を激しく悔い、王との愛人関係をエリザベッタに告白する。ロドリーゴは、フランドルを扇動した罪を自分がすべて負って死ぬ、とカルロに別れを告げ、王の部下によって暗殺される。
【第4幕】 サン・ジュスト修道院。フランドルへ発つカルロは、天上での再会を誓ってエリザベッタと別れる。フィリッポ二世と宗教裁判長はカルロを捕らえようとするが、先帝カルロ五世の亡霊がカルロを墓に引き入れる。