演劇研修所ニュース

修了生からのメッセージ

修了生からの出演情報や近況などのメッセージをお届けしています。
ぜひお楽しみください。

最新号 2022年9月5日(月)更新



2022年9月号

「自分の軸を大切に」 ―第5期 菊池夏野(きくち・なつの)

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現在、福原充則さん作・演出「閃光ばなし」のお稽古中です。15期生の松田佳央理さんも稽古場代役として現場にいてくれてるので、とても心強いです。

研修所を修了して10年になりましたが、やっと自分なりに明確化した演じる技術を持って現場に挑めるようになったと感じます。

まだまだだな、と落ち込むこともありますが、気持ちの立て直し方や、何を具体的に修正する必要があるのかなどを自分で考えることができるようになったので、少しだけ余裕を持ってお稽古できています。

10年の間に何度も何度も心が折れ、周りの同期や先輩後輩の活躍と自分を比べ、苦しい時期が続いていましたが、人と比べるのではなく、自分自身がやりたいこと、求めていることを真っ直ぐに見つめることで自分の俳優としての軸が出来てきたように感じます。

これからもその軸を大切に、チャンスを与えてくださる周りの方たちへの感謝を持って演劇を続けていきたいと思います。

『閃光ばなし』

会場:ロームシアター京都メインホール 2022年9月26日(月)~10月2日(日)
   東京建物Brillia HALL 2022年10月8日(土)~30日(日)

「帰国前の最後のお仕事」 ―第7期 岩澤侑生子(いわさわ・ゆきこ)

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RTI台湾国際放送の「とっても台湾」というラジオ番組に、ゲストとして呼んでいただきました。コロナ禍での留学生活や、台湾での俳優活動についてお話ししました。MCの馬場克樹さんは、ミュージシャン、文筆家、俳優として台湾で活躍されています。台湾映画がお好きな方は、もしかすると馬場さんをスクリーンでご覧になったことがあるかもしれません。他の回では、元々外交官としてお仕事されていた馬場さんが、ミュージシャン、俳優として活動することになったきっかけなども話されています。これから海外で活躍の場を広げたい方は、ぜひお聴きください。


他にも、台湾観光局のオンライン講座で台湾の穴場スポットをご紹介したり、株式会社ウェッジが運営するウェブマガジン「ほんのひととき」の「あの街、この街」というコーナーに3年間住んだ淡水での思い出を寄稿しました。こちらもぜひ!

「朗読劇『ひめゆり』と繋ぐ歴史のバトン」 ―第15期 安藤百合(あんどう・ゆり)

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東京(新国立劇場)公演 写真:宮川舞子

皆様こんにちは!
15期修了生の安藤百合と申します。

この夏、16期生と共に朗読劇『ひめゆり』に挑んでいます。
東京公演は連日ほぼ満席状態で無事に4日間を終えることができました。本当にありがとうございました。

私は以前、沖縄のガマやひめゆり平和祈念資料館に実際に足を運んだことがありました。
ガマの見学の際にはガイドさんの号令のもと、懐中電灯の灯りを10秒間だけ消して、当時の暗さを体験してみることになりました。その瞬間の、それまで体験したことのない暗闇と静けさの恐ろしさは今でも鮮明に覚えています。私が10秒も耐えられなかった場所で、ひめゆりの女学生たちは懸命に生きていたという事実を身をもって体験したことが、今回、作品と向き合う際に大きな力を与えてくれています。

平和な時代を生きていく私たちが戦争を題材にした作品を上演する意味を考え続けながら稽古、本番と積み重ねてきましたが、そんな時、『ひめゆり』を見てくださった方がこんな話をしてくださいました。
「過去に起こった事実は語られなければ歴史にはならない。何度も何度も人々に語り継がれてきたから"過去の事実"が"歴史"に変わるんです」と。

朗読劇は特に"言葉"が大きな力を持ちます。
多摩公演、沖縄公演でも、"過去の事実"を確実に語り、渡していくことで、お客様の想像力と共にこの作品を作り上げ、歴史のバトンを繋いで行きたいと思います。

朗読劇『ひめゆり』沖縄公演

会場:国立劇場おきなわ

2022年9月7日(水)

バックナンバー



2022年8月号

「台湾での生活」 ―第7期 岩澤侑生子(いわさわ・ゆきこ)

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アジアの歴史を知ろう、中国語ができる俳優になろう、と台湾へ留学を決意したのは、30歳を過ぎてからでした。台湾教育部華語文奨学金をいただいて、1年間語学学校に通った後、台湾の北端にある大学院に進学しました。先月、口頭試問を終えて、修士課程を修了することが決まりました。修士論文は、戦争中に台湾人青年を皇民化する目的で創作された「青年劇」について書きました。研究における基礎的な知識が全くない状態から始まった学生生活でしたが、演劇、歴史、文学の学術領域を横断する日々はとても刺激的でした。

海外での生活は辛いこともたくさんありましたが、CMやMV等の映像作品に出演したり、台湾観光局のイベントの司会を務めたり、多くの方との出会いとサポートのもと、貴重な仕事の経験を積むことができました。

4年に及んだ台湾での生活でしたが、8月に帰国することにしました。日本に戻ってからも台湾と繋がっていけるように色々計画中です。

「象と想像」 ―第8期 薄平広樹(うすだいら・ひろき)

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宣伝美術:平崎絵理

来月、人が象になる舞台をこまばアゴラ劇場で上演します。
そこで「市原ぞうの国」へ行き、実際に直接、象にエサをあげたり触れ合ってきました。

以前ナショナルシアターの演出家と仕事したとき、壮大なSFやシェイクスピア作品も現実にあることを元に創作するのが面白かったんですね。
実際のテロ事件を参考にしたり、解離性人格障害や血液が凝固する死のワークショップしたり。
具体的なところから想像を広げ、現実と劇世界を繋いで立ち上げるのです。

俳優は想像を生み出す仕事だなあと思います。
それが人の想像力も高め、心に隙間を与え、共感できることに繋がる。
そういうわけで、象と話しながら「これが人なのか...」と想像している最近のわたしです...!


くちびるの会『老獣のおたけび』

会場:こまばアゴラ劇場

2022年9月3日(土)~11日(日)



「感情にウソをつく身体」 ―第10期 田村彩絵(たむら・さやか)

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身体と心を再接続する作業を繰り返しています。
大人になるとこれが本当に難しい。

私はバレエ講師もしているため、子どもたちと触れあう機会が多いです。その子どもたちのなんて素直なこと。楽しくなると大声を出すし、悲しくなると体が熱々になるまで泣くし、優越感も苛立ちも全部素早く感じたまま表していて、魅力的で目が離せません。

でも私たちは成長に合わせて、先生の話が退屈でもじっと座って聞いたり、理不尽に怒られても納得したふりをしたり、電車で面白い動画を見てもぐっと堪えたりして、いつの間にか感情にウソをつく身体に慣れていきます。終いにはいつの間にか胃に穴が開いたりして。そうして大人は完成します。

演劇はそれを再接続する作業の繰り返しです。
心で感じて、身体が反応して、それが声になる。
誰もがかつて出来たことを、特に今回は舞踊を通してトロイ戦争の物語と台詞に繋げる稽古中です。

戦争は起こらない、起こる。
素直な身体一つ命一つを持って、
是非ご覧ください。

人間劇場 第四回本公演『トロイ戦争は起こらない』

会場:シアター風姿花伝

2022年8月24日(水)~28日(日)



「イエローヘルメッツ第1回公演『ヴェニスの商人』」 ―第14期 渡邊清楓(わたなべ・さやか)

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14期試演会「尺には尺を」の公演から間も無く2年が経とうとしています。
そしてこの夏ご縁を頂き、私渡邊清楓と同期星初音はイエローヘルメッツ第一回公演「ヴェニスの商人」に出演することと相成りました。7月から稽古が始まっており、再びシェイクスピアと戦う毎日を送っています。

2年ぶりに相対したシェイクスピアの言葉はやっぱり壮大。

"等身大"の自分ではとても追いつきません。

稽古場で先輩俳優に頂いた「シェイクスピアは自分がゴジラになったくらいのスケールで挑まなきゃだよ!」という言葉を肝に銘じて奮闘しています。

それほど大スケールなシェイクスピアなのに、山崎清介さんの演出は人間くさい瞬間が随所に散りばめられているように思います。

言葉の大きさに振り回されず、人としてまず何を感じているのか、その瞬間何を感じたのか。

シンプルにして最大級に大切な演劇の根幹を忘れずに8月の本番を目指します!

イエローヘルメッツ第1回公演『ヴェニスの商人』


会場:神奈川区民文化センターかなっくホール/すみだパークシアター倉


2022年8月20日(土)~28日(日)



「第15期 研修所から劇団へ」 ―第15期 若林古都美(わかばやし・ことみ)

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今年3月に修了し、4月から青年劇場へ。
とにかく演劇に触れていたいという思いで劇団を選び、4月から絶え間なくお芝居に作り手側として参加させていただいております。
そして9月公演「豚と真珠湾-幻の八重山共和国」に出演する運びとなりました。
修了公演以来の出演です。
修了してから初めての実践の場所ということで楽しみ、不安、野望。
さまざまな思いが入り混じっております。
とにかく全力投球します。
コロナウイルスの猛威に負けないようにカンパニー全員で作り上げていきます。
吸収できるもの全て吸収します。

この作品を通して、少しでも沖縄に想いを馳せるきっかけになったらと願っております。

ぜひ、劇場へ足をお運びください!

青年劇場第128回公演『豚と真珠湾―幻の八重山共和国』

会場:紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

2022年9月9日(金)~18日(日)



2022年7月号

「心に残る言葉と新たな挑戦」 ―第5期 梶原 航(かじわら・わたる)

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研修生のとき「アーツシャワー2011―オペラシティの夏祭り―」の運営スタッフの方に頂戴した言葉。

「仕事は常に、今の自分の能力では追いつかないものばかりやってくる。精一杯努めてギリギリ超えられる。それをずっと繰り返すよ。」

挑戦する機会があるならば臆さず誠実に精一杯努めたらいい、と背中を押され...✨

現在、二つの新しいことに取り組み中です!

一つは、日本芸術専門学校での舞台演技クラス。 御依頼いただいて今年で二年目。通年2クラスと体験授業を担当。現役の現場でのことや参加者の現時点の疑問と向き合い、共に演技について研究を続けています。

そして、舞台演出。 S企画『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』

短編一人芝居を含め本作で演出6作品目、清水邦夫作品を手掛けます。稽古場では話し合い、発見し、検証を繰り返し、女優の魂と向き合う日々です。
八月五日~七日、中野あくれに にて上演。 どうぞ応援宜しくお願い致します✨

S企画『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』

「頭から腑(はら)へ。」 ―第10期 岩男 海史(いわお・かいし)

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「新国(の研修所出身)っぽい」という言葉は時に「頭でっかち」とか「面白味に欠ける」という意味をはらんで、僕の胸につき刺さります。あくまで僕個人の話ですが。そしてそういえば、最近言われなくなりました。

僕は服飾もやっているのですが「オシャレ」というのはホント不思議なもので、当人の美貌などではなく「その服を楽しめているか」が大きく関わると思うのです。腑に落ちているといいますか。

きっと修了してしばらくの間は学んだ事で頭がパンパンで、お芝居を楽しめていなかったのかもしれません。

ここでの学びは紛れもなく財産ですが、演技してる時はそんなこと忘れて全身で楽しみたいものです。

ただ今、今月末の舞台に向けて稽古の日々です。
2008年イギリス初演。ローレンス・オリヴィエ賞にも輝いた傑作です。
約140分の4人会話劇。ただ今(6月末)台詞と読解で頭がパンパンです。
楽しむのも楽じゃないですね、日本語って不思議。

PLAY/GROUND Creation #3『The Pride』

「「あの日」のことを教えて」 ―第12期 永井 茉梨奈(ながい・まりな)

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約一年半ぶりの関東での舞台出演を控え、創作の日々を過ごしています。

今回参加する『GOOD WAR』は、演劇ユニット・ルサンチカ主宰の河井朗さんが不特定多数の人々に行ってきた「あの日」「争い」「理想の死」などについての継続取材をもとに構成されています。
(いくつかのインタビューの記録がWebサイトにも載っています。)
出自の異なる俳優、パフォーマー、ドラマーが集っての創作はまさにセッション。先日の稽古から本番仕様のドラムセットも入り、怒涛の勢いでシーンを立ち上げています。

この社会にあって「GOOD WAR」と口にする時の戸惑いや許しがたさ、身体に走る緊張を逃さずに、私達から社会へのひとつの応答として、この作品を上演することができればと思っています。

ぜひ多くの皆様と共にしたい作品です。
私自身は健やかに、淀みなく、まっすぐに臨みます。

マグカルシアター参加公演『GOOD WAR』

「『岸田國士戦争劇集』開幕!」 ―第14期 伊藤 麗(いとう・れい)

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私が出演させていただく、DULL-COLORED POP第25回本公演『岸田國士戦争劇集』がいよいよ今月5日に本番を迎えます。

今回の公演では、全員で資料を集め、当時の社会の姿を実感をもって掴もうとするところから稽古がスタートしました。

戦争に向かっていく人々の価値観をつくったものは何だったのか。その上で、物語の登場人物たちはそれぞれどんな選択をしていったのか。それを読み解いていくために、単語や描写の一つひとつにこだわり、演技に反映させようと全員で試行錯誤しています。

お互いへのリスペクトと愛に溢れた稽古場で、豊かで充実した毎日を過ごせていることが本当に幸せです。

この作品を客席と共有し、平和と戦争について考えることができればと願います。


私は白組に出演します。ぜひご覧ください!

DULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』

「初舞台、野外劇!」 ―第15期 笹野 美由紀(ささの・みゆき)・須藤 瑞己(すどう・みずき)

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笹野(以下、笹):今回私たちにとって修了後初舞台ですね!

須藤(以下、須):そうですね〜、しかも野外劇。今回やっててどう?


笹:結構緊張もするんだけど、皆さんの芝居が自由でぶっ飛んでて、すごくパワーをもらえる現場。瑞己は今のところどう?

須:何だか外の世界を知り始めてる最中って感じ。人とのコミュニケーションで全てはできあがっていくというのをリアルに実感してる。

笹:あと、野外劇やってる先輩方から「声が届かない怖さ」「地面に立つことがわからなくなる怖さ」があると伺って。未知の感覚だから、これから楽しみでもある。

須:うん、椿組主催の外波山さんも「土の上で立てるようになると劇場でも立てる」と仰ってたよね。

笹:吸収できるものは全部吸収したいね。

須:役者は総勢36人の大所帯!

笹:ゼロから作る特設ステージ!

須:毎晩19時から上演します。

笹:是非とも花園神社に足をお運び下さい!

須:扇子やうちわは必須です!(笑)

椿組2022年夏・花園神社野外劇『夏祭・花之井哀歌』


修了生の出演情報もあわせてご覧ください!


次回の更新は10月3日(月)を予定しております。

今後とも、新国立劇場演劇研修所修了生の活躍にご期待ください。そして引き続きのご声援のほど、よろしくお願いいたします!