Storyものがたり
昭和20年8月6日、一発の原子爆弾が広島の上空で炸裂した。 一瞬にして広島は壊滅。このときから、漢字の広島はカタカナのヒロシマになった。 かろうじて生き延びた英彦、正夫、勝利の三人の少年は、やはり運よく助かった花江の口利きで中國新聞社に口伝隊として雇われる。新聞社も原爆で何もかも失ったため、ニュースは口頭で伝えるほかなかったからだ。 三人の少年は、人々にニュースを伝えながら、大人たちの身勝手な論理とこの世界の矛盾に気づいていく。 やがて、敗戦......。そこへ戦後最大級の台風がヒロシマを襲う。