飯守泰次郎新芸術監督第1シーズン開幕に、ワーグナー最後の作品で、集大成である「パルジファル」がついに登場。聖杯伝説を題材にワーグナーは構想から約40年の月日をかけて本作品を作曲、特別な「舞台神聖祝祭劇」と名付けました。聖槍と聖杯をめぐる壮大で深淵な物語を、神秘的で荘厳、そして官能的な響きに満ちた音楽がゆったりと描き出し、正に麻薬のように聴く者を虜にします。
日本随一のワーグナー指揮者である飯守泰次郎が自らタクトを振り、世界的な巨匠クプファーが新国立劇場のために新たな舞台を作り上げます。クプファーはこれまで幾度か「パルジファル」を手掛けていますが、今回は最新のテクノロジーを用い、さらに研ぎ澄まされた演出に期待が高まります。世界的なヘルデンテノールのフランツ、名ワーグナー歌手のトムリンソン、ドイツオペラを中心に華々しい活躍をみせるヘルリツィウスと、今望み得る最高のキャストが揃いました。












モンサルヴァート城では、イエスの脇腹を刺した聖槍と、その血を受けた聖杯が騎士団に守られていた。一方、魔術師クリングゾルは魔術で騎士たちを快楽の世界へと陥れていた。アムフォルタスは彼に戦いを挑むが、魔術にかかったクンドリーの誘惑に落ち、聖槍を奪われ脇腹を刺されてしまう。以来アムフォルタスの傷は治らず、激痛に耐える日々。聖槍も奪われたままだ。傷を治すには「無垢な愚者」の登場を待つしかない。ある日、白鳥を矢で射った男パルジファルが現れる。彼こそ「無垢な愚者」かと期待した老騎士グルネマンツは、彼に聖杯の儀式を見せる。しかしパルジファルは、アムフォルタスの苦痛は感じるものの、それ以上のことは理解できない。
クリングゾルはクンドリーに、パルジファルを誘惑するよう命じる。クンドリーは、魔法の花園にやってきたパルジファルを呼び止め、彼の出生の状況や、彼の母のことを語り、パルジファルの心をかき乱す。そしてクンドリーが接吻すると、パルジファルに智が備わり、アムフォルタスの苦痛の意味と自分の使命を知る。誘惑を拒み、アムフォルタスのもとへ行こうとするパルジファルに向かって、クリングゾルは聖槍を放つ。すると聖槍はパルジファルの頭上で止まる。パルジファルは聖槍を手に取り十字を切ると、魔法は解け、花園は消える。
幾年も経った聖金曜日。パルジファルは聖槍を手にモンサルヴァート城に到着する。感激するグルネマンツは彼の頭に水を注ぎ、クンドリーは彼の足を清め、彼に洗礼を施す。グルネマンツは2人を聖杯の儀式へ連れていく。パルジファルがアムフォルタスの傷口に聖槍を当てると、傷はみるみる消えた。パルジファルは聖杯の王となり、聖杯は光り輝く。クンドリーはパルジファルの足元で息絶える。一羽の白い鳩が舞い降りる。
























