Storyものがたり

【第1部】17世紀スコットランドのレイヴンスウッド城。エンリーコ・アシュトン卿はレイヴンスウッド家を倒したが、家をさらに安泰させるには妹ルチアの政略結婚しかないと目論んでいる。ところが家臣ノルマンノによれば、ルチアは宿敵レイヴンスウッド家のエドガルドと愛し合っているという。エンリーコは妹の道ならぬ恋に怒る。エドガルドとの愛だけが生きる希望であるルチアは、庭園の泉で彼を待っていた。やってきたエドガルドは、フランスへ発たねばならないので、その前にエンリーコと和解して二人の愛を認めてもらおう、と語るが、ルチアは時期尚早だと諭す。エドガルドは結婚を誓ってルチアの指に指輪をはめる。
【第2部第1幕】政略結婚の準備が進んでいたが、ルチアは、自分はすでに他の人と結婚の誓いを立てた、と訴える。そんな妹にエンリーコは、偽の手紙を渡す。エドガルドの心変わりを伝える内容に動揺したあまり、ルチアは結婚を承諾。大広間でアルトゥーロ・バックロウ卿との婚礼の儀式が行われ、ルチアは結婚契約書にサインをする。そこにエドガルドが帰還。結婚契約書を見て愕然とし、指環を外してルチアを呪う。


【第2部第2幕】エドガルドの住む塔にやってきたとエンリーコ。二人は明朝、決闘することを約束する。婚礼の宴が続くレイヴンスウッド城の大広間に、血まみれのルチアが現れる。悲しみのあまり正気を失ったルチアは、寝室で夫を刺し殺してしまったのだ。ルチアは幻のエドガルドに「あなたを愛しています」と告げた後、息を引き取る。決闘の場であるレイヴンスウッド家の墓地で待つエドガルドの前に、ルチアの葬列がやってくる。ルチアの死を知り絶望したエドガルドは、その後を追うのだった。