シアター・トーク
レポート


『象』新国立シアター・トーク
「日本の不条理劇」


2010年3月6日(土)小劇場
出席者:別役 実
    深津篤史
    鵜山 仁
    大笹吉雄(進行)

キャスティングの妙

大笹:これまで『象』というのは、比較的、ここも小劇場といえば小劇場なんですが、大きな小劇場という言い方も変ですが、このくらいのキャパでやられることってあまりないですね。ほんとうにミニシアターでやられる場合が多いので、空間的にそれの感覚とはまったく違うということは良くわかりますね。
Photo別役:そりゃ、これだけの空間を使えるというのは、ちょっとないですね。客席とほぼ同じくらいの(舞台の)奥があるでしょ.
大笹:キャスティングは鵜山さん、関係したんですか。
鵜山:関係しているような、していないような。(笑)この人は絶対いやだって言ったら、はずれるっていうことは起きるんじゃないかと思うんですけど、なんていうか、ぼくが決めたわけじゃないし、拒否権発動しなかった、という感じですかね。
大笹:じゃぁ、深津さんが最終的に決めたんですか?
深津:僕も加担してるぐらいですかね。(笑)
鵜山:なんか、責任をなすり合っているみないな。(笑)
大笹 吉雄大笹:稲垣吾郎さんが加わっているっていうのに、ちょっとびっくりしたんですけどね。別役さんもそうでしょう、びっくりしたでしょう。(笑)別にそれは商業的な意味ではないですね。
鵜山:そうですね、やはり稲垣君が出るっていうときに、出会いを画策するのはこちら側の役割ですからね。それとさっき申し上げたみたいな今シーズンにどういう文脈でやっていくかっていうのが鉢合わせしたっていう感じはありますから、そういう意味では巧んでしたことなんですけど。
別役:実際作業の中ではね、ぜんぜん違和感なしでね。『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』なんかもやってらっしゃる方ですからね。実際に観て、ぜんぜん遜色なくて、違和感なしに、見事でしたね。