バレエ研修所ニュース

【レポート】ウラジーミル・マラーホフ氏による特別レッスン

9月初旬、ウラジーミル・マラーホフ氏による特別レッスンが行われました。
3回目となる今回は、ヴァリエーションもご指導いただきました。
参加したのは新国立劇場バレエ研修所の第21・22・23・24期生です。


マラーホフ氏は、世界最高峰のダンサーとして、ウィーン国立歌劇場バレエ、アメリカン・バレエ・シアターなど各国の一流バレエ団でプリンシパルとして活躍、またゲストダンサーとして世界の主要劇場に招かれ、その圧倒的なテクニックや豊かで抒情的な表現力で、多くのバレエ・ファンを魅了してきました。
その後、ベルリン州立歌劇場バレエで総裁・芸術監督を務めながら、同バレエ団プリンシパルとしても活躍しました。

近年は従来の活動に加え、中国や日本などアジアでの舞台出演や後進の指導にもさらに積極的に当たっています。


同氏の優しくユーモアたっぷりでありながら、繊細で知的なクラスレッスンは、日を重ねるごとに難易度が増していきます

レッスンでは、まず氏がお手本を示し、それに従い研修生たちはアンシェヌマンを覚え身体を動かしていきます。

指導は日本語を交えつつ「そよ風のように身体を動かして」「床に可愛いお花が咲いていると想像して。チョコレートが落ちているのかもしれないけど」「コアラみたいにバーにしがみつかないで」などチャーミングなお人柄がにじみ出るようなレッスンで、研修生の顔にも度々笑みが浮かびます。和やかな雰囲気とはいえ、時間を追うにつれ動きはどんどん複雑化し、集中力と音楽的センス、身体的センスが要求される高度な内容になっていきます。





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レッスン終了後、氏から素敵なプレゼントがあり、満面の笑みで大喜びの研修生たちでした。

今回の特別レッスンも研修生たちにとって得難い体験になったに違いありません。


日々の研修やこうした様々な体験を経て、その成果を皆様にご披露する11月のバレエ研修所公演「バレエ・コンサート 2025」にぜひご期待ください!

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Vladimir MALAKHOV

ウラジーミル・マラーホフは、世界最高のダンサーの一人。輝かしいテクニックと抒情的な表現力で観客を虜にしてきた。

92年にプリンシパル・ダンサーとしてウィーン国立歌劇場バレエに入団し、94年にカナダ国立バレエに入団。95年春にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場でアメリカン・バレエ・シアター(ABT)に初出演した。複数の著名な振付家がマラーホフのために新作を振付けている。ゲストとして世界の主要な劇場に出演。2002年にベルリン州立歌劇場バレエの監督に就任する。04年~14年、新たに組織されたベルリン州立歌劇場バレエの総裁・芸術監督を務め、同団のプリンシパル・ダンサーとしても活躍、同団退任後はウクライナ、キューバ、東欧諸国、淡路島など地域のバレエ活動にも積極的に協力。

ヴァルナ国際バレエ・コンクール、グランプリ(86年)、モスクワ・バレエ・コンクール第1位(89年)、プレミア・ディ・ポジタノ(98年)、ブノワ賞(01年)、ニジンスキー賞(世界ベスト・ダンサー02年)。09年にはオーストリア科学芸術勲章を授与された。

世界の主要な舞台に出演する傍ら、99年にウィーン国立歌劇場バレエで『ラ・バヤデール』、ベルリン州立歌劇場バレエで『シンデレラ』(04年)、『眠れる森の美女』(05年)、「ラ・ペリ」(10年)を演出している。