世界的な演出家ヴィックが「オペラにおける芸術形態の可能性を信じています。」と明言!「ナブッコ」の真髄に極限まで迫った、世界でたったひとつの「ナブッコ」が新国立劇場で誕生。この作品が持つ本質に刺激的な演出解釈で迫ります。
「ナブッコ」はヴェルディ3作目のオペラ、28歳の時の作品で、1842年にミラノ・スカラ座で初演されるや否や大成功を収め、ヴェルディは若きオペラ作曲家として、その名を一躍イタリア中に轟かせました。旧約聖書の「バビロン捕囚」を題材にとった本作品は、当時オーストリアの圧政下にあったイタリア人に熱烈に支持され、ヘブライ人が望郷の思いを歌う感動的な合唱曲「ゆけ、わが思いよ、黄金の翼にのって」は、イタリア第二の国歌ともいわれ親しまれています。
世界からも注目される公演に、ぜひお立会いください。
タクトを握るのはイタリアの名匠カリニャーニ。世界の一流歌劇場で精力的に活躍し、2011年メトロポリタン歌劇場「ナブッコ」でも大絶賛を博したカリニャーニが、満を持しての新国立劇場初登場となります。
タイトルロールは、09年「オテロ」イアーゴ、11年「椿姫」ジェルモンなど、新国立劇場でも数々の名演を残しているガッロ。今、脂の乗り切ったガッロがナブッコ役に初役で挑戦、オペラファンには見逃せない公演となります。アビガイッレ役を歌うコルネッティは、ヴェルディ作品を特に得意とし、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場などで大活躍のメッゾ・ソプラノ。3月「アイーダ」アムネリスに続いての新国立劇場出演となります。ザッカリーア役はウィーン国立歌劇場でも同役を歌ったロシア人バスのゴルニー、今や日本を代表するテノールのひとり樋口達哉がイズマエーレ役を歌うのも注目です。
バビロニア王ナブッコはイェルサレムを侵略しようとしている。ナブッコにはアビガイッレとフェネーナ2人の娘がいるが、アビガイッレはナブッコが奴隷に産ませた娘だった。イェルサレムの大祭司ザッカリーアはフェネーナを人質にとっていたが、フェネーナを愛するイェルサレム王の甥イズマエーレにより彼女は解放され、バビロニアは勝利を収める。自らを神と宣言したナブッコは稲妻に打たれ正気を失い、王座をアビガイッレに奪われる。アビガイッレは父を幽閉し、ヘブライ人とフェネーナの処刑を命じる。正気を取り戻したナブッコはヘブライの神に許しを乞い、フェネーナを救出、ヘブライ人を解放する。アビガイッレは許しを求めながら自害する。