2013年11月26日
ロンドン紀行5日目 その2
な、な、なんだ、なんだ!?事件かなんなのか?
と緊張していると、ふと思い出す。
ロンドンの電車はよく止まるということを。しかも今日は日曜日。ストライキか整備か詳しくは分からないが、そんなことで止まったようだ。しかしまぁ、地元の方は慣れているのか、何喰わぬ顔でホームをあとにしていく。こんなことが頻繁にあるというのは日本では想像出来ませんね。仕事の時とかに、電車が動かないとかになったら、不便で仕方ないでしょうが、誰も文句を言わずに従っているお国柄は素敵ですね。このゆったり感、好きです。 なんとか動いている電車を乗り継いで、遠回りながらも目的地に到着。ロンドンと言えばこの駅は有名ですね。『キングスクロス駅』。そうです。ハリー・ポッターに登場するあの駅。今では観光スポットになっているらしく、映画に出てくるシーンのように、9と4分の3番線に入り込むカートが。写真スポットになっていてすごい人の列が。(並ぶ時間と元気がなかったので横から撮影)
たいして他に見るとこもないので(失礼・・)すぐに次へ移動。
またもやイギリスならではの場所へ。(滞在最終日なのもあり完全に観光モードでお送りしています。)
『アビー・ロード』
ビートルズのジャケット写真でとても有名ですね。彼らが使用していたレコーディングスタジオの入り口の壁には、ファンからのメッセージで彩られてます。
観光客のみなさんが、あのジャケ写と同じアングルで撮りたいと思っていてもこれがなかなか難しい。この道はかなりの車の交通量、さらに道路のど真ん中に三脚を置いて撮らなくてはならず、難易度はウルトラC級。少し斜めからは撮れるんですが、ね。
中心地へ移動。今回は電車ではなく、乗りたかった2階建てバスで。2階の1番前に乗って終点までと思って意気揚々と乗車、したのですが、すでにその席にはダンディなおじさまが・・・。先客がいたので諦めて違う席へ。いつかは降りるでしょう。
うん。
・ ・・うん。
・・・。
おじさま・・・。終点まで、その席に座っておりました・・。
うん、残念です。きっと僕と同じ思いだったのでしょう。でも、見晴らしはその席でも良かったので良しとします。うん。
最後までもう一歩な旅でしたが、明日は帰国の日。
もうしばらくお付き合いください。
橋本淳
2013年11月20日
ロンドン紀行5日目 その1
この日は行きたいところをとりあえず歩き回る日でした。
まずは『スピタルフィールド・マーケット』に行くべく、北西に位置する、リヴァプール・ストリート駅へ。とても広く、エスカレーターで地上に上がると、天窓から日の光が綺麗に入り込む開放感のある素敵な駅。
まだ午前の早い時間ということもあり、人がまばらでゆったりとした時間の流れ。中心街とは違い道も広く、居心地が良い。倉庫のような場所に、所狭しに並ぶ店、衣類や革小物、雑貨などアーティスチックなモノが多数。お腹が空いたなぁと思っていると、目の前には、パンやカップケーキのお店。か、かわいい。男の感性でもそう感じてしまう。自分も列に入り、カップケーキをお一つ購入。(食べかけの写真で申し訳ない)
かぷっと、かぶりつく。
うん、美味し・・・うっ、甘い。さすがの海外クオリティ。
美味しいは美味しいですが、甘さがハンパではない。毎日こういうものを食していたら、体重が間違いなくfatな海外クオリティになってしまいます。日本食などのヘルシーなものを好む方が多いのは分かります、ね。
さらに北の方へ行くと。ブリックレーン・マーケット。こちらはエスニックな雰囲気。
若者が多いような印象、古着やら美味しそうな屋台(中華、寿司、アジア料理etc)が沢山。ここの市場が僕は一番好きでした。通りではおじさま達がチェスを嗜んでいたりと、自由で素朴な感じが良いですね。
高揚感の中、キョロキョロとオノボリサン状態で歩いていると、
1人のガタイの大きな青年に声を掛けられる。
「hey!! Please,exchange.」(両替してくれない?)
「Ah….!!!!!!!!!」
そこで思い出したのです。持っていたガイドブックに書いてあったことを。
最近多発している、スリの事件でのよくある手口
両替してくれと声をかける
↓
両替に応じてお金のやり取りをし、男は去る。
↓
そこへ警察官が「何をしている?」と入ってくる
↓
身分証を出せ。財布を見せろと色々見られる
↓
怪しいことがないと分かると警察官が解放
↓
また他の男が写真を撮ってくれないかと声を掛けてくる
↓
撮ってあげると男は去る。ふと、気がつくと現金やカードが無くなっている。
という手口。もちろん警察官は偽物で、おそらくここで取られて。カメラ男が時間稼ぎと言うやり口。
これがふと頭に浮かんだ。
周りをすっと見回すと10m程横に、警察官が!!!
す、す、スラれる。そう感じた僕は、両替男に
「sorry 金がないから出来ないんだ」
と、その場を足早に去る。
まだ背中の方でなにかを言っている男。
あと僅かな滞在時間でも油断は禁物と心に誓う・・・。
はたしてあれは詐欺の手口だったのか、
本当に困っていての「両替してくれ」だったのか。
真っ白な善人者だったのなら申し訳ない・・・。
橋本 淳
2013年11月18日
翻訳者雑感その4 ~言葉遊びの話~
ところで、このブログを書き始めたときに名前を出した『るつぼ』の翻訳者・水谷八也さんからメールでこんなコメントを頂いた ― 「少々(ショーショー)だなんて、バーナード言ってるんじゃない!」 うーん、さすが。声に出して言ってみたいダジャレ。
ショーの言葉へのこだわりは、訛りの表記だけではなく、ちょっとした表現や言葉遊びにも表われている。例えば、イライザが初めてウィンポール・ストリートを訪ねてきた時のこと。ヒギンズ「名前は?」 ― イライザ「イライザ・ドゥーリトル」 ―
ヒギンズ: イライザ、エリザベス、ベッツィ、ベス、
森へ出かけた、目当ては鳥の巣、
ピカリング: 見つけた巣の中、卵が4つ、
ヒギンズ: 一人一つで、残りは3つ。
(Higgins: Eliza, Elizabeth, Betsy and Bess,
They went to the woods to get a bird’s nes’:
Pickering: They found a nest with four eggs in it:
Higgins: They took one apiece, and left three in it.)
翻訳だとイマイチ伝わりにくいのだが、要するに、あれ? 4人で4つの卵を一人一つずつ取ったら、残りは0でしょ? 何で3つ? と思わせるのがミソ。答え ― イライザ(Eliza)、ベッツィ(Betsy)、ベス(Beth)はすべて「エリザベス(Elizabeth)」という名前の呼び名のバリエーションだから、これは4人ではなく1人の話。一人一つずつ卵を取ったというのは一人で一つ取ったというだけのこと。
翻訳する際、できるだけわかりやすく意味を伝える努力はするべきだと思うのだが ― 例えば、せめて最後の行を「一人一つずつ取ったら・・・」とするとか ― こういう詩のようなスタイルだと、意味だけじゃなくリズムも重要になる。殊に、2行目の最後など、「巣(ネスト)」(nest)という単語をわざわざ省略した「ネス」(nes’)という表記を使うことでちゃんと脚韻を踏んでいる、というような「意識的」な原文の場合、こちらとしてもそれなりの工夫をして訳す必要があるだろう。この4行を訳す時に何度も声に出してリズムを整えながら微調整していったのだが、喫茶店や電車の中でも作業していたので、回りから不審の目で見られてしまった。(でも、回りの目を気にせず「言葉」に夢中になる男たちの間抜けさ加減が伝われば本望です。)言葉遊びやダジャレを訳す場合、意味よりも雰囲気を伝えることを優先させることが多い。だが、雰囲気だけでなく意味も大事なセリフの場合、どこかで妥協せざるを得なくなる。今回、訳しきれずに最も唸ったセリフが、アルフレッド・ドゥーリトルの高度(?)な洒落。紳士の身分になった(いや、させられた)ことに文句を言う彼に、ヒギンズ夫人が「遺産の受け取りを断ることもできるんですよ」と言うと、「そこが悲しいとこなんですよ、奥さん。いらねぇやい、って口で言うんのは簡単だけど・・・」このまま何もなしでやっていくのが怖くなって受け取らざるを得なくなった。中産階級の紳士になると、自分じゃ何もさせてもらえなくて、みんなが駄賃目当てに勝手に世話を焼く。それを嘆くセリフが ―
ドゥーリトル: もあや(もはや)、あっぽう(八方)うさがり(ふさがり)だ。どっちか選ぶしかねえ、救貧院の「おかゆ地獄」か中産ケーキューの「おせっかい攻撃」か。
この二つの選択肢がどうしても訳せなかった。原文では ―
…it’s a choice between the Skilly of the workhouse and the Char Bydis of the middle class…
この Skilly というのは救貧院(workhouse)で出されるお粥のこと。Char Bydis というのは恐らくCharwoman(雑役婦)のChar にbiddy(女性)の複数形の変形をつけたもの(つまり、身の回りの世話をする女中)、と意味は解釈できる。だが、これが「between Scylla and Charybdis(スキュラとカリュブディス に挟まれて)」という言い方の洒落だと分かると簡単には訳せなくなる。ギリシャ神話の中で、Scylla (スキュラ)は海の岩に住む6首12足の怪物のこと。Charybdis(カリュブディス)は海の渦巻きの擬人化された怪物のこと。船でこの間を通ることは「前門の虎、後門の狼」みたいなもので、「進退きわまる」という意味。ギリシャの英雄オデュッセウス(中に兵隊を入れたトロイの木馬をトロイアに送り込んだ知将)は、渦巻きに飲まれて全滅するのを避けるためにスキュラの岩の方を通ることを選んで、部下を6人犠牲にした。
救貧院の「スキリー(お粥)」を食べる悲惨さと中産階級の「チャービディス(女中)」に世話を焼かれることのどちらかを選ぶということを、二つの怪物「スキュラとカリュブディス」に挟まれた状態になぞらえて八方ふさがりであることを示す ― こんな洒落訳せっこない! 洒落として訳すのは諦めて、とにかく意味をなんとか表わしてみた。それにしても、当時の観客はわかって聞いていたのだろうか・・・
言葉の専門家ヒギンズ教授でもピカリング大佐でもなく、ドゥーリトルという人物がこういう洒落たセリフを言う、というのが何ともおかしい。実はもう一つ・・・
2013年11月15日
いいチームワーク
昨日は、劇場のメンバーと劇場で公演中のスタッフ・キャストとの交流会がありました。
「ピグマリオン」のスタッフ・キャストも、終演後に参加してくれました。
平岳大さんと櫻井章喜さんが一緒に餅をついてます。
真ん中にいるのは、三宅克幸さんです。
台本では、櫻井さん演じるネポマックは平さん演じるヒギンズ教授の音声学のお弟子さんです。
息がぴったり合ってますよね~。
その後、腕相撲大会では佐藤誓さんが参加してくれて、準決勝まで勝ち進みました!
こんな風に「ピグマリオン」チームはとてもみなさん仲がよくて、気さくないい雰囲気です。
おかげで、舞台でもいいアンサンブルを見せてくれています。
ぜひ見に来てくださいませ。
2013年11月14日
新刊出ました!
おかげさまで昨日、無事に初日を迎えることが出来ました。
昨日の楽屋口の様子です。続々とお花が届いています。
そして昨日、劇場に今回の「ピグマリオン」の新刊が届きました!
「ピグマリオン」は、新国立劇場のシリーズ「JAPAN MEETS ・・・-現代劇の系譜をひもとく-」の八本目になります。
日本の演劇に影響をおよぼした海外戯曲、劇作家を紹介してきたこのシリーズ、今私たちが演じるにあたって無理のない言語で上演するために、新訳をお願いし、演出家と一緒に作り上げてきました。今回も、小田島恒志さんが、ロンドンの下町なまりであるコックニーを面白い日本語に翻訳してくださいました。
今回、その新訳が、光文社古典新訳文庫で出版されました。
本文の戯曲以外に、バーナード・ショーによる序文と後日談が入っています。ショーが後から書き加えた、イライザと彼女をめぐる人々のその後が書かれています。舞台を見るだけではわからない意外な結末なのでぜひ皆さんにこちらも読んでいただきたいです。
劇場ロビーでも販売しております。ご観劇後の記念にぜひお求めください。
なお、この特設ブログで小田島さんは楽しいコラムを連載してくださってます。そこでも翻訳するにあたってのご苦労や楽しさを書いてくださってます。
こちらも引き続きお楽しみください。
2013年11月9日
お得な当日券のご案内
いよいよ公演初日が間近に迫ってまいりました。
今回は、お得な当日券=「Z席」と「当日学生割引」のご案内です。
◆Z席◆
お席の場所は、2階席の最後方端ですが、何といってもこの安さが魅力!
公演当日のみ販売。1枚1,500円(税込)。
公演当日、劇場ボックスオフィス窓口のみにて販売。
1人1枚。電話予約不可。先着26名様限り。
◆当日学生割引◆
学生限定の特別割引!
公演当日に残席がある場合、正価の50%引で販売します(Z席を除く)。
劇場ボックスオフィス窓口及びチケットぴあ一部店舗にて販売。
1人1枚。電話予約不可。学生証の提示が必要です。
2013年11月8日
翻訳者雑感その3 ~ロンドン訛り(コクニー)~
コクニー英語の特徴のうち、2つの点がよく知られている。「エイ」が「アイ」になることと、「H」の音が落ちる(ハヒフヘホがアイウエオになる)ことだ。『マイ・フェア・レディ』の中で、ヒギンズはイライザに2つのセンテンスを何度も復唱させる。
The rain in Spain stays mainly in the plain.
(ザ・レイン・イン・スペイン・ステイズ・メインリー・イン・ザ・プレイン。 = スペインの雨は主に広野に降る。)
In Hertford, Hereford and Hampshire, hurricanes hardly happen.
(イン・ハートフォード・ヘリフォード・ハンプシャー、ハリケインズ、ハードリー、ハップン= ハートフォードとヘリフォードとハンプシャーでは、ハリケインは滅多に起きない。)
これを花売り娘のイライザはコクニーで「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリー・イン・ザ・プライン」「イン・アートフォード・エリフォード・アンド・アンプシャー、アリケインズ、アードリー・アップン」と発音してしまう。で、特訓の末、ついにちゃんと発音できるようになって、感動の歌(と踊り) ― とミュージカルでは盛り上がるのだが、ストレートプレイの『ピグマリオン』にはこの歌は出てこない。(誤解を恐れず敢えて言っておけば、『マイ・フェア・レディ』と違って『ピグマリオン』はそういう形で観客を感動させることを目指していないのだ。が、それはまた別の話。)
さて、まず「H」が落ちること。これをそのまま日本語でやってみると結構面白い。語尾などにもアレンジを加えて「花代払ってくれよ」を「あなだいあらっちくりよぉ」に、「なんだ、そのヘンテコな字?」を「なんでぇ、そんエンテコな字?」に、などなど。やっていて面白いのだが、台本に表記する場合、意味が分からなくなるので、「あな(花)代あら(払)っちくりよぉ」などと不思議な但し書きを加える必要があった。かなり面倒くさい。面倒くさいとは言え、「ハヒフヘホ」→「アイウエオ」は比較的スムーズにできた。が、「エイ」→「アイ」はそうはいかなかった。例えば、「きれいな英語」を変換すると「きらいなあいご」となるわけだが、え、「嫌いな愛護」って何? みたいに、元の言葉を連想しにくくなってしまうのだ。恐らく、日本語の場合、英語ほど「エイ」の音が頻発しないのも原因だろう。どうしよう、と思っているうちに、ふと気がついた。日本語では逆に「アイ」→「エイ」(「エー」)にすればいいんじゃないか、と。「痛い」→「いてー」、「中産階級」→「中産けーきゅう」など。これなら自然に汚い(なんのこっちゃ?)日本語のように聞こえる。
24年前、ロンドン留学中にコクニーのことで一つ気がついたことがある。映画『マイ・フェア・レディ』のおかげもあって、「エイ」が「アイ」になることは知っていたので数字の「8(eight)」が「アイト」、「門(gate)」が「ガイト」だと言われても驚かなかった。が、こちらが「アイ」と言ったものまで「エイ」だと思われることが多々あったのだ。特に「小田島」と言う名前を人にスペルで説明するとき。「O-D-A-S-H-I-M-A」(オウ・ディー・エイ・エス・エッチ・アイ・エム・エイ)と言うと、「エイ」はちゃんと「A」と書き取ってくれるのだが、「アイ」も「A」と書かれてしまう。いやいや、そこは「アイ(I)」ですよ、と念を押すと、ああ、わかってる、「アイ」だろ? と言いながら、既に書き取った「A」の文字を太くなぞっている。おかげで、駅前のクリーニング店では1年間「ODASHAMA」という名前で通すことになった。顔を覚えられて、店に入ると「ハーイ、オダシャマ!」と呼ばれるので、なんだかどっちでもよくなってしまった。
『マイ・フェア・レディ』という題は、実は『メイフェア・レディ』のコクニー読みの洒落だと聞いたことがある。メイフェア(Mayfair)というのはロンドン中心にある高級住宅街のこと。現在では商業地区としても発展しており、いわば東京の銀座と田園調布と千代田区一番町を合わせたようなところ。これが、コクニー発音だと「マイフェア」になる。だが、待てよ? それなら「レディ」も正しくは「レイディ(Lady)」だから「ライディ」になるはずだ。「メイフェア・レイディ」はコクニーでは「マイフェア・ライディ」になる・・・などと余計なことを考えているうちに、ん、この「ライディ」って響きがいいな、と思って、『ピグマリオン』にも取り入れることにした。すなわち、「アイ」を「エイ(エー)」と読む原則を作っていたところに、「レイディ」のように英語の単語は本来のコクニーらしく「エイ」を「アイ」にして「ライディ」としてみたのだ。
要するに、かなり適当にいろいろ混ざった訛りができ上がったということ。その適当に作った言葉を稽古場で石原さんや小堺さん(主に訛る役のお二人)が一所懸命覚えようとしている姿を見て、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。ああ、適当なのに。すみません、申し訳ない ― 弱気な僕は到底ヒギンズのような厳しい先生にはなれそうにない。
と、思っていたら、情け容赦なく厳しいダメだしを畳み掛ける怖い声が ― あ、いた、ヒギンズのような厳しい、怖い、徹底的に妥協せずに完成を目指す先生が・・・あ、いえいえ、僕の勝手な妄想ですよ、宮田さん、あ、言っちゃった。
2013年11月8日
託児室「キッズルーム<ドレミ>」のご紹介
新国立劇場の公演では、託児室をご利用いただける日程を設けています。
今回は託児室「キッズルーム<ドレミ>」のご利用方法等をご紹介いたします。
新国立劇場主催公演をご観劇のお客様には、託児サービスがご利用いただけます。
託児室「キッズルーム<ドレミ>」は中劇場クローク横にあります。
託児室では、子どもたちは、おもちゃのキッチンセットでお料理ごっこをしたり、積み木で遊んだりと、とても楽しんでいただいているようです。
託児サービスがご利用いただける公演日は各公演により異なります。新国立劇場HPまたは、公演チラシをご参照ください。
演劇「ピグマリオン」では、11月17日(日)13:00、23日(土祝)13:00・18:00、28日(木)19:00、12月1日(日)13:00の5ステージでご利用いただけます。
★公演スケジュールはこちら★
ご利用に際しては、ご来場日の1週間前までに電話にてご予約ください(定員制)。
料金等詳細は以下のとおりです。
対象年齢:3ヶ月~12歳(小学生)まで
託児時間:対象公演の開場から終演まで
利用料金:3ヶ月~1歳2,000円/2歳~12歳1,000円
ご予約・お問い合わせ:㈱小学館集英社プロダクション総合保育事業部
0120-500-315(土日祝を除く午前10時~午後5時)
★ご利用方法はこちら★
どうぞご活用ください。
2013年11月6日
ロンドン紀行4日目 その2
ロンドン北西のノッティング・ヒルから中心街から、戻ってきて、コヴェント・ガーデン。快晴の中で行くとまた違った印象を受けます。
ゆっくりと徒歩で移動し(20分くらい)、トラファルガー・スクエアへ。かなり大きい広場なのですが、人で埋め尽くされ、道路は車が渋滞してます。しかし、この人ゴミは不思議と不快ではない。海外に来てるからなのか、天気が晴れやかだからなのか、居る人たちがセカセカしてないからなのか、様々な理由からでしょうね、きっと。 そしてそこからすぐ近くにある劇場、トラファルガー・スタジオへ。
キャパ300程の劇場。
演目はハロルド・ピンター作「THE HOT HOUSE」(邦題:温室)
(昨年、新国立劇場さん制作の温室に出演させていただきました)
英国では有名な作品。内容はここでは書き切れないので割愛させて頂きますが、かなりシニカルなコメディ作品です。自分も演ったことのある作品でしたので、なんとなく言っている事がわかるので大爆笑の連発。(国によってこうも作品の解釈が違うのかと歴然に感じました。)
舞台を楽しんでいると休憩中に、隣のマダム数人に、お声を掛けられる。
「あなた日本人?お一人?」(おそらく)
「はい。1人です、独りです。」
「これ分かるの?(言葉と内容)」(おそらく)
「はい。分かりますよ。」(日本で演じたので、と説明したいが出来ずに)
「hふいsfkんぐysんgyd?」
「はい?」(理解できず・・・)
「jhfんsづふぁいkj?」
「あ・・・ごめんなさい。わかりません・・・」
「Ahhhhh…OK」
「sorry」
「うふふ。」(あ〜この子。やっぱり英語分からないのね。。という表情)
「ふふ・・・」(あ〜こいつ内容も分かってないと思われてる・・)
自分に語学力があれば会話も楽しめたに、と悔やみます。あの役演ったことあるんですよ、と言いたかった・・。後悔。
しかし、マダム達もいい方で、その後の会話でも、僕の拙い英語を必死に理解しようとしてくれていました。客席には、ほぼ地元の人たちばかりだったので、アジア人の若造に、彼女たちは興味津々だったのでしょう。
終演後も少し話し。感謝を伝える。
「enjoy!!」
そう声をかけてもらい、別れた。
ありがとう、マダム達。独りのアジア人の心は暖かくなりました。
カヴェンディッシュ・スクエアのベンチに座り、
(ピグマリオン4幕に出てくる公園)
思いを馳せる。
橋本淳