演劇研修所ニュース
第20期生公演『あの子はだあれ、だれでしょね』稽古場だより
2024年入所の第20期生が、朗読劇『風が吹くとき』に続いて『あの子はだあれ、だれでしょね』を上演します。公演の開幕は11月10日です!
出演者からの、演じる役どころの解説、公演にかける意気込みのコメントを日替わりでお届けいたします!
女7 役:向井里穂子(むかい・りほこ)(第19期修了)

【どんな役どころ?】
今回、事件の舞台となるタニムラ家のご近所に住む老女、女7(トオヤマ)を演じます。
同じくご近所の女5(カワダ)、女6(キタムラ)とは大の仲良しで、3人で集まっては地域のゴシップ話に花を咲かせるのが日課のお婆ちゃんです。それぞれの異なる個性にも注目していただければと思います。
ちなみに...他界した夫の職業は歯医者です。
【意気込み】
まずは、20期のみんなと演者として作品をつくれることを心から嬉しく思います。
本作のモデルとなった尼崎事件が発覚した当時、私は中学生でした。ニュースで報道されていたことを今も思い出せるほど、当時の私にとっても衝撃的な事件でした。人の道理からかけ離れた事件、しかし、作品について考えれば考えるほど、誰の日常にも潜み得る闇や、衝動の存在を感じます。
初めは難解に感じた本作ですが、稽古を重ねる中でそこに生きる人たちの姿が少しずつ見えるようになってきました。滑稽で、不気味で、なんでもないその姿を、私たちの日常と地続きにある物語として楽しんでいただければ幸いです。
女6 役:鈴木桜子(すずき・さくらこ)

【どんな役どころ?】
今回私が演じる女6(キタムラ)は、
家族と対比された変わらない日常を演じ、
【意気込み】
今回の作品は、朗読劇『風が吹くとき』とは一変して、
三名様と言いつつも、
稽古をしていく中で、
どの世代の方が観ても面白い作品だと思います。
20期が紡ぐ別役ワールドに会いに、
女5 役:土川葉菜(つちかわ・はな)

【どんな役どころ?】
女5という人物を一言で表すなら、"謎の多い近所のお婆さん"です。物語の中心である一家からすれば、長年家の裏に住む少々下世話な女。
しかし、これはあくまで客観的な視点からみた女5であり、彼女は彼女なりの理屈で動いているということを忘れてはいけません。
いつも自由な女5は、ミヨ子によって支配されてゆく一家とは対極にいる存在とも言えるのかもしれません。
【意気込み】
日々稽古が進む中で、意識するようになったことがあります。それは、ご近所づきあいの在り方です。現代のご近所事情といえば、少なくとも数十年前よりは、関わりが希薄になってきていると思います。
この作品にも出てくるご近所との繋がりは、良くも悪くも一家に、そしてミヨ子に影響を与えます。
お隣同士の関係性を通して、皆さんの生活の中でもご近所についてちょっとだけ考えてみるきっかけになれば嬉しいです。
知りたい、気になるけれど、詮索するのは憚れる、そんなソワソワする感覚をぜひ共有したいです。
女4 役:増満尚子(ますみつ・なおこ)

【どんな役どころ?】
私はタニムラハツエを演じます。妻として義娘として母として、そしてひとりの人間として、作品を通して現状に疑問を持ちつづける役です。彼女の内にある"わからない"ことへのストレスや"わからない"ことを問い続けるエネルギーのようなものがミヨコや家族にとって大きな鍵になっていると感じます。
【意気込み】
別役実さんの言葉で作り上げられる世界をいかに自分の体に落とし、舞台の上で存在するのかを今も模索し続けています。そして、この作品の大きな軸である"家族"について改めて考えています。当たり前の存在である"家族"の当たり前で隠されている部分。実際に起きた事件をもとに書かれたこの作品に出会い、自分が当たり前と感じていた多くの事に改めて向き合っています。
今、この作品にこの役で向き合えるチャンスをいただけたことに感謝しています。
女3 役:藤井直美(ふじい・なおみ)

【どんな役どころ?】
私はタニムラ家の長女である女3(ハナ)を演じます。彼女は三丁目のミヨ子の来訪により変化する家族へ、疑いと恐怖を抱きながらも一縷の希望を持ち、家族と向き合い続けるキャラクターであると感じています。家庭内の関係性、そして家族の中でのハナの姿に注目していただけたら幸いです。
【意気込み】
今回、別役実さんの作品に大澤遊さんの演出で挑戦できることを嬉しく思います。
8月の朗読劇を経て、私は「間違っているかもしれないから......」と、やる前から諦めてしまっていることに気づきました。もっとたくさんトライしよう!と稽古場に入り、日々実験を重ねています。
本作の背景にある尼崎連続変死事件について調べるほど、なんて恐ろしい事件なのだろうと悲しくなります。一方で、ミヨ子が求めた家族や愛とは何だったのか、と考えずにはいられません。起きた出来事を善悪だけで片づけるのではなく、人が何を求め、何を信じ、どのように人と繋がっていくのか。この作品を通して、そんなことを考えるきっかけとなれば嬉しいです。
皆さんに愛されるキャラクターに、俳優に、人間に、なれるよう楽しんで挑戦して参ります!
女2 役:藤本桃子(ふじもと・ももこ)

【どんな役どころ?】
私はタニムラ家の次女マリを演じます。ミヨ子を完全に信頼する彼女。その信頼によって 他の家族への印象も変わっていきます。そしてミヨ子から聞いたことを家族に言いふらします。劇中でマリはタニムラ家のスピーカーとしての役割を担っています。そんな彼女の言動が他の家族にどう影響するのか、マリの言葉が人と人との関係性をどう変えていくのかに注目してほしいです!
【意気込み】
台本を受け取って、初めて読んだのは6月中旬でした。8月の朗読劇を経て、夏休みをこの作品に費やし、9月中旬から本格的にお稽古がスタートしました。
まだまだわからない事だらけです。全てを理解できる日は来るのかな?と思います。正解なんてないのかもしれません。でも、この家族にも過ごして来た日常はあって、私が演じるマリにも 大切にしたいものは必ずあるはずです。私はただひたすらに、この家族の生活とマリの信じるものを探し続け、それを信じ続けたいと思います。
初めて別役実さんの作品に挑戦します。彼が書いた言葉に込められた意味を探し続けたいです。
女1 役:後藤綾沙子(ごとう・あさこ)

【どんな役どころ?】
私はタニムラ家の前に突然現れ、たちまち一家を支配していく「三丁目のミヨ子」を演じます。作品の最初と最後で、皆さまの目にミヨ子はどのような人物として映っているでしょうか。一体何がしたいのか、何が彼女をそうまでさせるのか、そもそも一体何者なのか、、、タニムラ家とともに謎に巻き込まれながら最後まで見届けていただけましたら嬉しいです。
【意気込み】
別役実さんについて知れば知るほど、人間を決して諦めず、その存在を見つめる、別役さんの人間という存在への深い愛を感じます。私が演じるこの人物も、物を食べ、呼吸をし、体温もある、確かにそこに生きている人間であることを手離したくないという思いで、役と作品と向き合っています。「ミヨ子」を「ミヨ子」たらしめているものを、自分自身の心と身体へ様々な要素、質感を使ってアプローチしながら探して試して見つけて繋げて積み重ねていく作業を最後の最後まで根気強く続けていきます。そして舞台上ではお互い積み重ねてきたものを持って、ヒリヒリした生きた時間を生み出せるよう、全力でぶつかって参ります!