演劇研修所ニュース
第20期生公演 朗読劇『風が吹くとき』稽古場だより
2024年入所の第20期生が、朗読劇『風が吹くとき』を上演します。公演はいよいよ8月8日よりスタートです!
この公演が新国立劇場小劇場デビューとなる第20期生から、この朗読劇にかける意気込みと見どころを日替わりでお届けいたします!
ヒルダ 役:藤本桃子(ふじもと・ももこ)

【意気込み】
2024年4月にこの新国立劇場演劇研修所に入所して、やっと3年目を迎えました。この2年間たくさんの事を共に乗り越えてきた同期と共に、1年生の頃から観劇やスタッフ研修で通い続けたこの劇場の舞台にやっと立つことができます。
わたしにとっては初の朗読劇です。台本を手に持って、自分の声と言葉で人物や作品をお客様に届ける事の難しさにぶつかりつつ、日々お稽古に励んでおります。
研修生として舞台に立つ一番最初の公演です。まだまだ続く稽古の中で色々なトライをし続けて、20期の魅力を少しでもたくさんのお客様にお届けしたいです。
【見どころ】
今回の作品の舞台はイギリスです。
今も世界ではたくさんの戦争、内乱、紛争が起こり、各国の情勢も日々目まぐるしく変わっています。そんな中でも唯一変わらない事実は"日本が唯一の被爆国"だという事です。
その日本人の私たちが、イギリス人の役を通して核爆弾の残酷さを言葉で描きます。みなさまの心にジムとヒルダが生きた証が残ってくれたら嬉しいです。
ヒルダ 役:藤井直美(ふじい・なおみ)

【意気込み】
この作品を上演するにあたり、広島へ研修に赴き、当時の様子や放射線の影響について学びました。唯一の被爆国である日本、その日本に住む私たちが演劇を通して、何を伝えることができるだろうか。今もなお、世界では争いが続き、核兵器は世界に12,000発以上あると言われています。
この作品は、約40年前にイギリスで書かれたものですが、稽古で言葉を聞いていると、ふとこれは今を生きる私たちの話でもあると思う瞬間があります。平和をつくる者になりたいという祈りと想いを持って、舞台に立ちます。
【見どころ】
たった2人の老夫婦を研修生、修了者含めた12人がバトンを渡しながら、声で紡ぎます。キャラクター2人は変わらず存在し、演じる俳優が変わっていく中で、それぞれがどのように表現するのかご注目ください。
ヒルダ 役:土川葉菜(つちかわ・はな)

【意気込み】
研修生として過ごしてきた二年間で、世界の見え方は大きく変わりました。もはや私にとって演劇は日常において、なくてはならない存在です。それがもし戦争によって当たり前ではなくなってしまったら、演劇の前に生活さえも立ち行かない状況になってしまったとしたら......。それらを想像しながら日々を過ごしています。この作品をつくる稽古場での時間は、研修生活で出会った人たち、特に今回ともに舞台に立つ同期の8人との繋がりをより一層大切に思わせてくれます。
『風が吹くとき』という作品を、朗読劇としてどれくらい細かく観ている人に届けられるか、俳優として挑戦しつづけたいです。
【見どころ】
老夫婦の日常の中で、突然起こった出来事が描かれています。この現代を生きる私たちにも繋がりが感じられるような場面がたくさんあります。
核爆弾そのものの脅威だけでなく、核や戦争に翻弄される人々にヒヤッとする感覚を共有できたらいいなと思います。
ヒルダ 役:鈴木桜子(すずき・さくらこ)

【意気込み】
いよいよ入所してから初めての公演が始まろうとしています。1年次からたくさんの公演を拝見した新国立劇場の小劇場に自分が立つと思うと、とても気が引き締まる思いです。
私たちの年代は戦争経験がありませんが、表現者として届けられるメッセージが必ずあると思っています。大切な第一歩をこの作品と共に踏み出せる事がとても誇らしいです。
相手や台本と向き合いながら、丁寧に物語を紡いでいきたいです。
【見どころ】
今回の作品は2役しかないので場面ごとに、役者が変わっていきます。リレーの様に役を繋ぎながらそれぞれの個性が溢れると思いますので、ぜひ色んな場面を楽しんで頂けたらと思います!
様々なジムとヒルダにどうぞご期待ください!!
ヒルダ 役:後藤綾沙子(ごとう・あさこ)

【意気込み】
本作品に取り組むにあたり、広島の地を訪れました。私に何ができるだろうかという思いが心の底を渦巻いていました。実際に経験していないことを全身で、心で想像し感じられること、そしてその空間にいる人たちが心で共有し合えることが演劇の力の一つだと思います。その演劇の力を信じ、『風が吹くとき』の中で懸命に生きる一人の人間を精一杯描くことが、今私にできることだと思っています。
大切な人たちを想いながら、作品と、そしてジム、ヒルダと向き合っています。今を生きる私たちが、今を生きる皆さまの中にこの作品をお届けできるよう、最後の最後まで考え探求し続けながら、大切に作品を創って参ります。
【見どころ】
今回、絵本である『風が吹くとき』を朗読劇として上演いたします。俳優のさまざまな声や息づかいを通して、人物、風景、空気、時間など、ありとあらゆるものを色鮮やかに描き、劇場の空間を『風が吹くとき』の世界に連れていけるよう、試行錯誤中です。俳優の声や音とともに、ジムとヒルダが辿っていく道をともにしていただけたらと思います。
ジム 役:園部優心(そのべ・ゆうしん)

【意気込み】
今回、原爆について初めて「知ろう」と思いました。『風が吹くとき』をやる前まで、私の中の原爆は歴史の教科書に載っているただの文字でしかありませんでした。それが今回、広島研修や、自分たちでの調べ物を重ねるにつれ、その恐ろしさが二度と繰り返してはいけない出来事として自分の身に染み付いていきました。「表現者として何ができるか」「こんな大きなテーマを前に自分に伝えられるものなどあるのか」。そんなことを考えながら日々稽古をし、今の自分のできる最大限のことをお伝えできればと思っております。
【見どころ】
普通の日常感のまま未曾有の災害に向き合おうとする二人の様子とその日常ではどうしようもなく襲いかかる核爆弾による被害をお見せできればと思います。被爆前と被爆後の生活の変化が一番の見どころだと思います。
また、20期生初の舞台になります。個性豊かなメンバーだと思います。各々の異なる演技を楽しんでいただければと思います。
ジム 役:今野貴也(こんの・たかや)

【意気込み】
戦争、核は現代の自分にとって近いようで遠い、そんなのはお伽話なのではと感じてしまう日さえあります。しかし、世界に目を向けると戦争、核というワードが当たり前のように飛び交っており、この『風が吹くとき』という作品は自分が世界に目を向けるきっかけになった作品だと感じます。
この作品を上演するにあたって戦争を体験していない自分が何を伝えられるのかと考えた時に、しんどい、つらいなどの感情ではなく核爆弾、放射線の影響は何かという情報をきちんと伝える事ではないかと考えました。観てくださる方々には辛そう、可哀想という感想ではない、別の何かを届けたいと思っています。
【見どころ】
2人1組で一場面を演じ、次の場面に渡していくというリレー形式で、同じ役でも別の人が演じる事でその人ならではの役が滲み出て来るところがポイントです。
無知の恐ろしさや声大きいモノに盲信してしまう、"とある夫婦"の生活をみんなで紡いでいく事で生まれてくる作品を味わってください。
ジム 役:音田優輔(おんだ・ゆうすけ)

【意気込み】
原子爆弾が開発され、広島に投下されてから核兵器の影響は今もあり続けています。そして現在も世界では戦争が行われ、新たな兵器は生まれ続けています。
国内研修を通して原爆投下によって広島から多くの命と営みが失われたことを改めて現地で認識し、それをただ過去の出来事として扱うことはできないと思いました。そして今回、国も時代も違う作品の言葉を通して、広島で感じたことをどのように表現するのかということに核兵器が唯一投下された国の人間として、そして役者としての責任をとても感じています。作品を通して描かれる風景が今とこれからの時代を考えることへのきっかけとなるようなものにしたいと思います。
【見どころ】
被爆したイギリスの老夫婦だけの作品ですが2人の会話の中で出てくる言葉は昨今の世界情勢に繋がりがあり、とても印象的です。さらに2人の生活が核兵器によって変化していく様子も、もし現代で核ミサイルが落ちていたらどうなるか、と想像させます。こうした作品と今のつながりを感じさせる部分にぜひ注目していただきたいです。