演劇研修所ニュース

第18期生修了公演『美しい日々』稽古場だより

2022年入所の第18期生が、朗読劇『風が吹くとき』、『ロミオとジュリエット』を経て、いよいよ修了公演に臨みます。

公演はいよいよ2月11日よりスタートです!

第18期生の公演にかける意気込みと見どころをお届けいたします!


志水美津子 役:石川愛友(いしかわ・あゆ)

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【意気込み】

18期生の研修所公演も最後となりました。自分と向き合い、同期と向き合い続ける忙しない1、2年次の日々は決して楽なものではありませんでした。けれど、3年次になり朗読劇や試演会を経験していく中で今まで研修所で学んできたことが力となり、身についていることをやっと実感することができました。この有り難い恵まれた環境で学べる残りの時間を大切に、研修所で得られることをもっと吸収して修了に向かっていきたいと思います。「続ける」ということは決して簡単なことでは無いけれど、続ければいつかは結果になって返ってくることを今実感しています。


【見どころ】

『美しい日々』には16人のキャラクターが登場します。生まれ育った環境や抱えている問題の異なる人物たちがどのように社会の中で交わり合っていくのかが見所です。それぞれが貰った役について考え続け、稽古に励んでいます。全員が丁寧に細かく設定し、緻密に作り上げているキャラクターたちに是非ご注目ください。



山田秀雄/志水富男 役:齋藤大雅(さいとう・たいが)

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【意気込み】

研修所の修了公演では、4期生、11期生に続いて、3度目の『美しい日々』です。僕達の期の色が出るような作品にしたいと思っています。

今回、ふたつの役を演じます。1幕の東京も、2幕の九州も、どちらも謎が多い役です。少ない材料から濃厚な役を立ち上げ、役がその一時を生きる、そんなお芝居を目指します。

役柄をどう演じ分けるか、そして、たとえ短いシーンでもどれだけ役の人生の一端を見せられるか、考え挑戦していきます。


【見どころ】

今回は二役担う人間が数人おります。どちらの役でも変わらぬ人間の厚み、深みをご覧ください。

また、派手なお芝居ではないので、繊細なコミュニケーションや内に秘めた想いが面白さの肝になっています。それぞれの役の人柄が出る一瞬を、ぜひ見逃さずに見ていただきたいです。



島村やよい 役:飯田梨夏子(いいだ・りかこ)

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【意気込み】

ずっと憧れていた日本の現代戯曲に修了公演で挑戦できることは、とても嬉しく身の引き締まる思いです。 この戯曲をいただいた時、「美しい日々」ってなんだろうと思いました。 そんなことを思いながら入所前に私がつけていた日記を開きました。苦しい時期に書いたものでしたが、日記の中にはもがきながらも懸命に過ごしていた自分が詳細に残されていました。 この戯曲には、様々な想いを抱えながら、それでも生きる人々が描かれています。人間が生まれ、懸命に生きようとする姿はそれだけで様々なドラマを含んでいてとても美しい。そんな人々を心根で演じられるよう頑張ります。


【見どころ】

1幕と2幕で東京から九州へと舞台が移ります。

それぞれの土地の空気感や、その土地に根付き生活を送ってきた人々の質感の違いや在り方は、"一粒で二度美味しい"感覚になっていただけるのではないかと思います。

この物語に生きた人々の歩んだ旅路が集約するラストシーンは必見です。



島村 豊 役:石井瞭一(いしい・りょういち)

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【意気込み】

「今日はありがとう!またね」と言いながら、「二度とこんな奴に会うか。なるべく不幸になって欲しい」と思っていることがあります。

同輩が「もう演劇なんかやってられるか!自分はクソだ!もうこんなことやめよう!」と本気で泣いていると、「よっぽど演劇が好きなんだなぁ。熱意があるんだなぁ。」と思うことがあります。

人の口から出る言葉の裏側、心の奥底で、人と人はどんな会話をしてるんだろう。本当は何についてのやり取りなんだろう?

宮田慶子さんのもとで、それを考え続ける2ヶ月間でした。奥底に流れている何かを見つめていただけると幸いです。


【見どころ】

この作品の創作が始まったとき、私たちは表面だけみて考えることを止めなければいけない、と自覚しました。 勢いでは表現できない。名前のつけられない感覚や感情を持たなければいけない。 生半可な作業ではありませんでした。言葉というものの内側に入り込み、潜り込み、その中で掴んだものを外に吹き出させる。 そんな作業をしてきました。 ぜひ、登場人物達の心を一緒に探ってください。



白石真理子/安木京子 役:山本毬愛(やまもと・まりあ)

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【意気込み】

入所前に観た研修所修了公演から3年が経ち、こうして舞台に立てることを大変嬉しく感じています。下級生の頃から、スタッフ研修にて先輩方の公演を観て学び、この公演で与えられた役を全うできるよう、これまで自分の課題を少しずつクリアしてきました。

私が演じる2役は、年齢は近いけれど性格や生まれ育った環境が全く異なる2人です。演じていて2人の人生に憧れる箇所もあります。お衣装も私の人生の中で着たことのないものにも袖を通しています。私の演じる2役が主人公にどのような影響を与えていくか、是非お楽しみください。


【見どころ】

これまで、朗読劇『風が吹くとき』、『ロミオとジュリエット』とイギリスの2作品を経験しましたが、今回は、畳の上でのお芝居に挑戦しています。心の中に抱えているものが見え隠れするシーンが多いので、それぞれの人物の行動や言葉、目線にご注目ください。

そして、わたしの念願であった、芝居中で方言をつかいます。九州の田舎の姉妹の会話にご注目ください。



堤 佳代/小泉綾子 役:萬家江美(よろずや・えみ)

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【意気込み】

私は今、なぜ演劇をしているのか、この役で何を伝えられるのか、色々なことを考える日々を送っています。自分の甘い部分や足りない部分にもがく日々です。観劇してくださる方々も、混沌とした色々な感情が、社会や生活の中にあると思います。私はこの『美しい日々』の登場人物でも環境でも、何かを通じて、観客の皆さんの混沌に皆さん自身が触れるきっかけになるような作品にしたいです。そして結果的にその混沌が和らぐような、または深まるような作品にできたらと思います。社会に生きる誰かのために、俳優の責任を背負って芝居をします。


【見どころ】

一幕と二幕で環境が変わるところと人間の業の深さを感じていただきたいです。環境が変わって、変わる人もいれば変わらない人もいる。つくづく人間は複雑なのだと感じるところです。

私は二役演じます。これまでの人生、環境すべてが違う二人です。深いところまでまったく違う人物になるので、注目して観ていただきたいです。



西部良人/安木憲二郎 役:中村音心(なかむら・そうる)

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【意気込み】

僕が演じる西部良人、安木憲二郎は共に、主人公・永山健一と近い立場と経験を持ちながらも、健一と対極の存在です。西部は修羅場、憲二郎は日常、関わるタイミングや時間はキャラクターによって違いますが、様々な方向から健一へ影響を与えていきたいと思います。

『風が吹くとき』『ロミオとジュリエット』で学び得た、舞台に立つ役者の肉体の説得力、そして戯曲を論理的に読み込んだ上で張り巡らせた知略の2つを尽くして戯曲に奥行きを持たせていきます。


【見どころ】

前半、六畳間で繰り広げられる東京編と後半の九州・熊本編の空気の違い。しかしながら、そのどちらでも色々なしがらみに囚われる永山健一がその中でどう立ち直り、進むのか。『美しい日々』は僕が生まれる前くらいの話だけど、人間のかたちというものはどう違うのか、それともさほど変わらないのか。生きるとは。



井口時夫 役:篁 勇哉(たかむら・ゆうや)

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【意気込み】

3年間の研修生活の集大成となる作品です。これまで学んできたすべてを活かし、先輩方が演じた作品を、私たちらしい形で表現したいと思っています。

今回の台本は日常会話を中心に描かれており、その中に現代社会の閉塞感や「社会的な孤独」「宇宙的な孤独」といった人間の本質的な部分を感じていただけるよう努めます。

不協和音を奏でながらも、「そんなふうに生まれちゃった」人々の日常。そこに潜む美しさを届けられたら嬉しいです。



【見どころ】

まず注目していただきたいのは舞台の大転換。東京と九州、二つの地域を行き来するダイナミックな展開です。

私が演じる井口時夫は、友達を思い、不器用ながらも懸命に生きる愛らしい人物。そんな井口の奮闘ぶりを見届けていただけたら幸いです。また、舞台上でとある特技を披露しますので、ぜひお楽しみに。



鈴木洋子/安木優子 役:髙岡志帆(たかおか・しほ)

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【意気込み】

研修生として3回目の舞台です。朗読劇『風が吹くとき』では、舞台上で開いている台本を通して客席に言葉を届けるという"言葉"と向き合う稽古を重ねました。試演会の『ロミオとジュリエット』では声や言葉ももちろんですが、何も置かれていない舞台にシンプルな形の衣装、という自分の"身体"と向き合う稽古を重ねました。 そして今回の修了公演『美しい日々』では、これまでの舞台で向き合った言葉と身体をさらに深掘りしていきます。

この3年間で向き合ったことはたくさんありますが、それらの発表会ではなく、純粋に作品を楽しんでいただけるよう努めます。

【見どころ】

自分も含めて、この作品では1人で2役を担っている人が多いです。1幕と2幕では流れている空気や人と人の距離感をガラッと変えて、さまざまな人間模様を描きたいです。そして空気感は変えつつも、この作品に登場する人物は全員同じ世界に生きているのだということも感じていただけるよう、全てのシーンを紡いでいきます。



永山健一 役:横田昂己(よこた・こうき)

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【意気込み】

今回の舞台空間はドアも壁も家具もあり、とても具体的です。道具を用いつつ相手と会話しやり取りする...。日常生活では当たり前のコミュニケーションだからこそ、違和感や嘘が混ざると成立しなくなるという難しさと格闘しています。しかも今回演じる役は自分と大きく離れた人間性を持ち、理解に苦しむことも多々あり...。とにかく乗り越えなければならない壁が二重にも三重にも立ちはだかっています。壁を乗り越えつつ細部にも気を配り、丁寧に作品を立ち上げるように尽力します。

【見どころ】

人それぞれの想いや傷を抱えて生きる現代の人々の人間模様が見どころです。都会と田舎の二つの場所を舞台に、登場人物たちは誰と出会い、別れ、そしてどんな選択と決断をしながら生きるのか。それぞれの人生を見届けていただけたらと思います。



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