演劇研修所ニュース

第17期生『君は即ち春を吸ひこんだのだ』稽古場だより

いよいよ11月7日(火)に初日を迎える『君は即ち春を吸ひこんだのだ』。

田中麻衣子演出のもと、熱い稽古の日々を繰り広げる第17期生より、本公演にかける意気込みと見どころを日替わりでお届けいたします。

渡辺志ん 役:小林未来(こばやし・みく)  [新美南吉(正八)の継母]

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【意気込み】
私は、自分の母と同じくらいの年齢の役に挑戦します。私がこれまで生きてきた年数の倍の時間を生きている人。そして、この時代に、この土地で、この家族と生きていくために生活していた人。いくら想像してもしきれない役作りに思い戸惑いながら、同時にやりがいも感じています。
この人物から発せられる台詞を、いかに自分の言葉として実感を持ち、人に届けられるか。また、どうやったら登場人物達との関係性を見せられるかを模索する日々です。
寝転んでおせんべいをかじりながらテレビを見る姿が思い浮かぶくらい、生活感のあるリアルな人物を体現したいと思っています。 



【見どころ】
離れ家という一つの空間で、これまで積み重ねてきた人間関係もあれば、これから進展する人間関係、さらに、初めて生まれる人間関係。入れ代わり立ち代わりで展開される人間関係に、是非注目していただけたらと思います。
加えて、舞台上には7人しか登場しませんが、彼らの言葉から他にも沢山の人物が浮かび上がってきます。一緒に想像してみてください。

中山ちゑ 役:根岸美利(ねぎし・みり)  [新美南吉(正八)の幼馴染]

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【意気込み】
『君は即ち春を吸ひこんだのだ』
台本をいただいてまず、「春を吸い込むとはどういうことだろう...」という疑問から始まりました。
そして、本読み、立ち稽古を重ねていく中で、たくさんの「春」と出会いました。様々な登場人物がいますが、今回いただいた役(中山ちゑ)の「春」、これは私の人生とも、いくつも共通するものがあります。
「春」があるので、もちろん「冬」とも出会います。その出会いの全ての過程を経て、「春を吸ひこむ」ことは、とても尊くて価値があるものです。観に来てくださる方々にも、それぞれの感じる「春」を吸い込んでいただけたら嬉しく思います。

観に来てくださる皆様と共に、尊い1日となれるよう、タイトルにもある、新美南吉の残した言葉をお届けします。
「春はそれだけを抽き出すことが出来ない。道や草や空氣と一しよになつてゐる。君が氣持ちのよい空氣をうんと吸ひ込んだなら、君は即ち春を吸ひ込んだのだ。君が柔らかい草を踏んだのなら即ち春をさはつたのだ。」(S15.3.21 新美南吉日記より)
劇場でお待ちしております。


【見どころ】
新美南吉が描いた作品のように、柔らかくも鋭い言葉たち、そして7人の登場人物それぞれの生き様や心の繋がりを、私たちの心と体をより繊細に使って、お届けします。
また、この作品だからこその舞台美術で、たくさんの視点を味わえます。

渡辺多蔵 役:樋口圭佑(ひぐち・けいすけ)  [新美南吉(正八)の父]

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【意気込み】
私が担う役柄のことを大きく捉えると、ものすごく自分に近い様に感じます。しかし年齢や生まれ育った場所、家族構成、経歴、立場、価値観など、細かくその役柄を見ていくとまったく違います。そして何より、人との接し方、コミュニケーションの取り方がまったく違います。近いようでものすごく遠い人物です。非常に苦戦しています。役として、舞台上に存在し続けたいと思います。


【見どころ】
実在の人物がモデルですが、この作品はあくまでフィクションです。
童話作家の新美南吉(正八)がどの様な環境で生まれ育ったのか。そしてどの様な人たちと生活を共にしたのか。観客と俳優が劇場という同じ空間でその当時の「空気」を共有し、感じて頂けたら幸いです。

山本初枝 役:飯田桃子(いいだ・ももこ)  [新美南吉(正八)の生徒]

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【意気込み】
私が最初に出会った新美南吉の作品は、小さい時に母が読み聞かせをしてくれた絵本の「手袋を買いに」です。今でもとても大好きな作品です。
その他にも国語の授業で多くの人が出会う、私たちにとって身近な存在である作家の生涯を描いた作品を、今回は17期の7人で立ち上げます。
"新美南吉"として、そして、"新美正八"としての人生が、繊細に紡がれた言葉や人々との関係性の中で、色濃く浮き出せるよう、丁寧に向き合っていきます。
私が演じる"山本初枝"という役は、嘘がつけない正直者で、友達想いな女学生です。場が1年進む毎に、少しずつ変化していく初枝の心の成長をお客さまにも感じていただけたらと思います。


【見どころ】
人との関係性から見える、相手を想う気持ちに注目していただけたら嬉しいです。
この作品では個性豊かな登場人物達が、正八のいる離れを訪ねてきます。各々が色々なものを抱えて生活している中、離れはそれぞれにとってなにか特別な場所になっています。
そんな場所で繰り広げられる会話から、なにか感じていただけたらと思います。

中山文夫 役:佐々木優樹(ささき・ゆうき)  [中山ちゑの弟]

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【意気込み】
この戯曲をはじめて読んだ時、なんてあたたかく切ないお話なんだろうと思いました。研修生の7名でこの作品に挑むことができることを大変嬉しく思っています。
作品の舞台となっている新美南吉の故郷、愛知県半田市の岩滑に伺った際に、地図を片手に散策する私に、現地の方々が親切に声をかけてくださり、新美南吉のことをとても丁寧に教えてくださったことが印象に残っています。実際に現地に訪れてみて、大変勉強になったのと共に、新美南吉がたくさんの人から愛されていることを肌で感じることができました。

たくさんの人から愛される「ごんぎつね」の作者、新美南吉の生涯にわたる日々を、17期研修生7名で責任を持って精一杯紡いでいきます。
時代が変わっても、変わらない人のあたたかさと、移りゆく季節を感じる喜びと切なさが、観てくださる皆さんに届きますよう、励みます。


【見どころ】
"言葉にはならないけれど 確かにあるもの"って私たちの日常には溢れていると思うんです。そんな"あるもの"がたくさん散りばめられている素敵な作品です。
どんな時代にどんな場所で、どのような日々を過ごしていたのか、7人の個性あふれる登場人物たちによって繰り広げられる新美南吉の生きた日々を、舞台を通じて、是非感じて貰いたいです。

畑中俊平 役:田崎奏太(たさき・そうた)  [新美南吉(正八)の友人]

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【意気込み】
新美南吉の友人の畑中俊平を演じます!今回の作品において大切なセリフを俊平は数多く語ります。その一言一言、瞬間瞬間に全力を注ぎ、お客様に届けます。特に私が一番好きなセリフは母親が危篤となった俊平が新美南吉に語る思いであり、このセリフと出会ったことを本当に感謝しています。私がもし演劇研修の1年次、2年次にこのシーンを渡されたら実力不足で演じられなかったと思いますが、今は役の気持ちに寄り添って演じられているという実感を持てています。その自分の成長に喜びを感じて、大好きな畑中俊平と共に日々燃えています。


【見どころ】
朗読劇『ひめゆり』からさらにパワーアップした我々17期生が送る本作では、個性豊かなキャラクターたちが躍動します。個人的な見どころとしては、新美南吉の両親です。寡黙な父と噂好きな母の会話は思わず吹きだしてしまいます。
新国立劇場演劇研修所17期生公演『君は即ち春を吸ひこんだのだ』ぜひ劇場でご鑑賞ください!

新美南吉(正八)役:立川義幸(たてかわ・よしゆき)

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【意気込み】
実在した人物を演じるということは、とても楽しみなことであり、難しいことだと思っています。この時代をどう生き抜いていたか、当時食べていたもの、着ていたもの、生活様式、時代背景、その他たくさんのことを調べ、そのことを考える時間が僕は好きです。
童話作家の新美南吉がこの6年間をどう生きていたのか、楽しかったのか、苦しかったのか、それは本人に聞かなければわかりません。しかしこの舞台を通して、僕が導きだした新美南吉というものを全て詰め込みます。少しでも童話作家 新美南吉という人物を感じていただければと思います。


【見どころ】
みどころは、全てです! 「ごんぎつね」「手袋を買いに」などの数々の童話や詩を創作した新美南吉はどのような人達に囲まれて育ったのか。他の登場人物からみた新美南吉はどのような人物だったのか。
一つ一つの会話が新美南吉という人物を物語っています。童話を書き続けた人が何を感じて生きていたのか、注目です。



新国立劇場演劇研修所 第17期生 『君は即ち春を吸ひこんだのだ』

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