演劇研修所ニュース
第16期生が東京都立世田谷総合高等学校にてワークショップを行いました

新国立劇場演劇研修所第16期生(3年次生)が、東京都立世田谷総合高等学校にお招き頂き、高校1年生の「保健講話」の授業として、"演劇ワークショップ~演劇手法を用いて生徒の心の開放と仲間づくり~"のファシリテーターを務めました。
これまで演劇研修所で学んできた内容をもとに、演劇研修所講師:飯原道代氏のもと、高校生の皆様でも楽しく出来るようなワークを2人1組で考え、それぞれ準備してきたアクティビティを5グループにわけて行いました。
約48名のグループに2人の研修生がつき、身体をつかったワークあるいは言葉で遊ぶワークを実施。最終的には学年全体で集まり、ワークショップ中に習ったことを各班が発表しました。
グループ1 距離感を遊ぶ

「歩くこと」は立派な身体表現のひとつ。ただ歩いてみる、シチュエーションを想像しながら歩いてみる、音楽に合わせて歩いてみる、そして止まってみる。一人一人が「歩くこと」で場面をつくりだし、それが見えている方にはどのように見えるのか、何を考えるのかということを観察させるワークを行いました。
グループ2 体をつかって空間で遊ぶ

まずは全員で自己紹介。各自の好きな動きと呼ばれたい名前を組み合わせて、みんなで決めポーズをしながら復唱してウォーミングアップを兼ねたチームづくりをしました。
続いて、12人ずつのグループにわけて、ある"お題"を与え、体で絵を作るというワークを実施。高校生の皆さんには、「こういう動きを入れた方がわかりやすいのでは?」などとたくさんの意見を出していただきながら、遊園地、運動会などのお題をつくっていただきました。
グループ3 身

背中合わせになって立ってみたり、すれ違いざまに手をつないでみたり、他者とかかわる様々なムーブメントを実践してみることで、全身を使って遊ぶワークを行いました。
最後には、大縄があることを想像しながらの48人でのエア大縄跳び!全員が入りきり、一斉に5回跳び切った時には圧巻の光景でした。
グループ4 好ききらいの発見―その先の選択

他者とのかかわりを考えながら、少人数にわかれて"人間知恵の輪"に挑戦しました。手をつなぎ、絡み合ったところをほどいていくゲームは、高校生の皆さんにも達成感を感じて頂けたことでしょう。
グループ5 正解のないことのおもしろさを体験する

「私が扉を開けると」からはじまり、「私は電車に乗った」で終わる物語の中身を数珠つなぎで考えるという言葉遊びのゲームを行いました。
どのグループもオリジナリティ溢れる物語をつくってくれ、時には突拍子もないアイディアを面白がりながらワークショップを進めました。
演劇的なワークショップは、高校生の皆様にとっても新鮮で、教える側の研修生にとっても初めての試みで、試行錯誤をしながらの開催となりましたが、身体をつかって表現することの楽しさや、言葉を用いた遊びの魅力をお伝えすることができたのではないでしょうか。
まもなく修了する研修生の今後の活動にも刺激となる経験が出来ました。



第16期生のこれまでの公演
朗読劇『ひめゆり』(2022年8~9月)
試演会『燃ゆる暗闇にて』(2022年10月)
修了公演『ブルーストッキングの女たち』(2023年2~3月) ※鋭意準備中