演劇研修所ニュース

第16期生 朗読劇『ひめゆり』稽古スタート!

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新国立劇場演劇研修所公演 朗読劇『ひめゆり』(2022年8月11日(木・祝)初日)の稽古が本日よりスタートいたしました。
2020年に入所した第16期生は本作が初舞台となります。

稽古前に行った顔合わせには、本公演に携わる多くのスタッフの皆様のうち、道場禎一氏(構成)、西川信廣氏(構成・演出/演劇研修所副所長)、小池れい氏(美術)、上田 亨氏(音楽)、中村洋一氏(衣裳)、前田節子氏(ヘアメイク)、伊藤和美氏(歌唱指導)、南里双六氏(方言指導)、椎名一浩氏(演出助手)にご出席頂きました。
そして、太田誠財団常務理事のご挨拶に続いて、宮田慶子演劇研修所長、道場氏、西川氏から、沖縄本土復帰50年の節目を迎えた今年に朗読劇『ひめゆり』を上演することの意義、そしてなお一層の覚悟を持って舞台に臨むよう、激励の言葉が贈られました。

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西川信廣 新国立劇場演劇研修所副所長
(構成・演出)

「本作は、戦争の痛ましさを感じる作品です。"あの頃は大変だったのだ"ということを感情的に伝えるのではなく、あったことを正しく伝え、事実を演劇的な手法を使って上演することが大事だと思っています。
偶然ではありますが、この作品が時代に呼ばれたのではないかと思っています。世界で戦争が起きている今、この作品をやるからこそ、自分たちに何ができるかを考え、自分たちなりの『ひめゆり』を作っていってください。」


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道場禎一氏(構成)

「沖縄の現地に行って学んだことで、各々、役との距離感が縮まったのではないでしょうか。
そうすると感情が先走ってしまいがちですが、言葉の力と皆さんのエネルギーとを上手くコントロールし、この作品を(感情ではなく)エネルギーによって観客の皆さんに伝えるように心がけてください。若い皆さんのエネルギーに期待しています。」


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宮田慶子 新国立劇場演劇研修所長

「先日の沖縄国内研修で、その土地・空気・風土を通して、人々が何を感じ、何を考え、何を思いながら生きていたかを学んできたはずです。たくさんのことを吸収してきたでしょうから、ぜひそれらを生かして何ができるか考えながら舞台に臨んでください。
また、今年は作品の舞台となった沖縄にとっては大事な年にあたります。研修生の若い皆さんが、俳優として、沖縄戦の記憶を次の世代に語り継いでいくことは大切な役割だと思います。社会の中で俳優として生きていく意義も同時に学んでください。

今、21世紀になっても戦争が起きているという悲しい現実に世界中が心を痛めています。この世界情勢の中で、この作品を上演することには大変な意義があるでしょう。沖縄戦当時に生きた人々がどれだけ懸命に生きていたかを伝え、そして舞台を通して自分にできることは何かを模索することも大切です。
皆さんにとっては初めての大舞台、色々な方の支えで成り立っていることを改めて肝に銘じて、頑張りましょう。」


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太田 誠 (公財)新国立劇場運営財団 常務理事

「この稽古場に入って、演劇研修生の皆さんが皆で舞台を練り上げていくというパワーを感じました。沖縄での国内研修で熱心に勉強したことを生かし、皆さんが一緒になって、一丸となって、舞台を創り上げていってください。
そして、若いエネルギーを持った皆さんが、この初台の地で日々頑張っていることを発信していきましょう。」

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美術プランナー:小池れいさんの説明を
舞台美術模型を見ながら受ける研修生たち

朗読劇『ひめゆり』は、8月の新国立劇場公演を皮切りに、パルテノン多摩 小ホール(9月3日(土))、国立劇場おきなわ 小劇場(9月7日(水))での公演が続きます。

今後は稽古の様子を、ウェブサイトおよびSNS等でお知らせしてまいります。