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第14期生試演会『尺には尺を』10/27初日に向けてカウントダウン!稽古場レポート【後編】

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▲(中央)アンジェロ役大西遵

新国立劇場演劇研修所第14期生による試演会『尺には尺を』の稽古場レポート後編をお届けします!

役に取り組む研修生たちのそれぞれの思い、衣裳打合せの様子などをご覧ください。


【稽古場レポート前編はこちらからから】

試演会『尺には尺を』チケット追加販売のお知らせ

間隔を空けるために売り止めていた席を追加販売します。

アトレ会員先行発売日:10月20日(火)10:00~
一般発売日: 10月21日(水)10:00~ 


★★★チケットのお求めはこちらから★★★


ボックスオフィス電話は混み合う場合がございます。何卒ご了承ください。  
チケットはWebボックスオフィスでもご購入いただけます。
今後、政府及び東京都の判断により、イベント収容率の制限に変更が生じた場合は、途中でチケットの販売を停止する可能性がございます。

report❽修道尼フランシスカ役/ピーター神父役・五十嵐遥佳(いがらし・はるか)本作では、様々な人間の様々な尺度が描かれます。ご覧いただく皆さまの尺度で、この作品のそれぞれの人物がどう見えるのかを楽しんでいただきたいです!

私の演じるフランシスカとピーター神父はどちらも聖職者なので、
キリスト教の観点から神の道を進む人々はどんな知識を持っていてどのようなものの見方をするのかを日々考えています。

私にとってはとても新鮮な価値観を持ったキャラクターです。
本作では、イザベラが最後に"正しい"という言葉を連呼するように、"正しさ"というものがひとつのテーマでもあります。
そしてその"正しさ"とは人それぞれが持っているものでもあります。
フランシスカとピーター神父の存在によって、当時のウィーンのキリスト教に身を捧げた人物から見た"正しさ"を表現し、
作品に力添えできればと思っています。

★みどころ★
『尺には尺を』を上演するにあたってこの作品を初めて読んだとき、男性ばかりが喋っている!という印象を一番に受けました。
そして、描かれる内容は権力者の強姦未遂や大衆の面前でのセカンドレイプ。

さらに、女性キャラクターの発言は信用に値せず、狂人呼ばわり。
男尊女卑だ!とひとりで怒りに震えました。
と同時に、これが今の私の尺度なのだと実感しました。

本作では、様々な人間の様々な尺度が描かれます。
どれが正義でどれが悪かという判断はとても難しく、
例えばアンジェロの行いは強姦にも見えますが、純愛にも見えます。

ご覧いただく皆さまの尺度では、この作品がそれぞれどう見えるのかを楽しんでいただきたいです!

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report❾ジュリエット役・加部 茜(かべ・あかね)正解のない愛にもがく人々の姿を、是非目撃してほしい。そしてなかなか愛を感じられない今、愛について考えてみるのはいかがだろうか。

私の演じるジュリエットは、舞台上にあまり登場しない。
この物語の始まりに関わる重要な人物であるはずなのに、監獄に連れて行かれて以降ずっと舞台に出てこないのだ。
彼女は監獄にいる間、どんなことを考えていたのだろうか。

抱えているものはあまりに大きい。
お腹には子供がいる。それが原因で、恋人には死刑が宣告された。
恋人がいることを親には言っておらず、親は娘が捕まって初めて知っただろう。
そして自分は一人、暗くて陰湿な監獄にいる。

不安。孤独。心細い。未来は見えない。明日も見えない。
子供はこれからどうすればいいのだろうか。
虚しい。悲しい。罪を犯した恥。情けなさ。

喜びや楽しさは忘れてしまうほどに遠い記憶になり、笑うことなど到底できない。
たくさんのものを背負うジュリエット。その健気さ、強さを、ジュリエットとして登場する一瞬一瞬に詰め込みたい。

★みどころ★
この作品には、様々な愛の形が登場する。
法律に認められていない愛、兄妹の愛、友情、そして止められない恋心......。

傍から見ると否定的に捉えたくなるものも、自分が彼らの立場になったらと考えると共感せざるを得ない。
正解のない愛にもがく人々の姿を、是非目撃してほしい。

そしてなかなか愛を感じられない今、愛について考えてみるのはいかがだろうか。

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report➓ルーシオ役・仁木 祥太郎(にき・しょうたろうシェイクスピアが描いた作品は、役者にとって一生挑戦し続けるべき「人間」の物語。「矛盾」は『尺には尺を』の登場人物のほとんどが抱えている「人間の本質」

「シェイクスピア」

演劇を志すうえで避けて通れない大きな壁。
はじめてシェイクスピアの作品を読んだとき、僕は読書もあまりしたことのないダメダメな高校生だったので、遠回しな言い回しに悪戦苦闘し、文章の美しさどころか物語も理解できないまま、はじめてのシェイクスピア体験を終えてしまいました。

それから10年近く経って研修所に入ってシェイクスピアを勉強する機会を頂き、ついには作品に出演......。
完全には苦手意識を拭えませんが、彼が描いた作品は、役者にとって一生挑戦し続けるべき「人間」の物語です。

大きな壁を、仲間たちとガシガシよじ登りたいと思います!

★みどころ★
僕が演じる「ルーシオ」という男はクローディオを死刑から助けるべく奔走する熱血漢な部分もあれば、ヴィンセンシオ公爵の根も葉もない噂を吹聴する放埓な部分もある、「矛盾」をはらむ男です。

でもこの「矛盾」は『尺には尺を』の登場人物のほとんどが抱えている「人間の本質」です。
様々な登場人物が持つ「矛盾」や「二面性」にご注目ください。

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report⓫クローディオ役・今井 公平(いまい・こうへい)選択の数だけドラマがあり、キャラクターが選択肢を選んだ瞬間、世界が生まれる。その瞬間瞬間をお客様にご覧いただけるよう、日々の稽古に励んでいきます。

「あの時こうしていたらどうなっていただろうか」と時々想像してしまう。 


もし選択肢の数だけ世界があるとすれば、私が女の子である世界もあるかもしれないし、朝ごはんはパン派という世界、はたまた髪の毛が今より3本だけ少ないという世界もあるかもしれない。
そう考えると、普段の何気ない選択でも自分が生きたいと思う世界を創造する事ができ、そのきっかけは無数に散らばっていると感じる。 


今回の『尺には尺を』でもクローディオとして選択を強いられる場面が沢山ある。
そして選択の数だけドラマがあり、キャラクターが選択肢を選んだ瞬間、世界が生まれる。 


世界が生まれる、その瞬間瞬間をお客様にご覧いただけるよう、日々の稽古に励んでいきます。
私の演じるクローディオは、純粋でとにかく真っ直ぐな男です。 


情報社会の荒波に呑まれ、あまのじゃくになりつつある現代人の私ですが、今一度、人間本来の姿に戻って直球勝負で演じきります。
 

★みどころ★
 シェイクスピア作品って難しそうだなって思っている方にご覧いただきたい作品です。
分かりやすくて面白くなる工夫が沢山ありますので乞うご期待ください。

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report⓬刑務所長役・田畑 祐馬(たばた・ゆうま)一人ひとりにそれぞれ信じる正義があり、信念の貫き方がある。最後に「えっ?」「えぇぇー!?」っとなる事間違いないので、その驚きも楽しんでいただきたい。

夏に『オズマ隊長』公演を行い、ついに試演会。
夏の公演で得た後悔や喜びを次の公演に繋げていくという強い覚悟を持って挑みたい。

間違いはあるが正解はない芝居の奥深さを日々痛感している。
このような状況下で、自分が今やれる事は芝居だけだ。今の自分の持てる力のかぎりを注ぎ込んで、自分の仕事をしたい。

芝居を見てくださったお客様の「面白かった」という言葉を、私は聞きたい。
毎日自分の課題と向き合いながらの稽古は、気持ちがぶっ壊れるギリギリになるほど苦しい。
だが、役者として1度はシェイクスピア作品をやりたいと思っていたので、今回の作品を全力で楽しみたい!!

私は刑務所長を演じる。
刑務所長は、自分の職務に誇りをもっており、その職務にとても忠実な人物だ。
ともすれば、冷徹な人物にも見えそうであるが、
彼はとても人間味にあふれていている。

そして、人間の命を扱う仕事をしているため、誰よりも命の重さを理解している。
死刑を執行する側なのに、クローディオの死刑をどうにか取り消す事ができないかと葛藤し続ける役どころだ。

シェイクスピア作品をやりたいと思っていたので、今回の作品を全力で楽しみたい!!

*みどころ*
シェイクスピアと言えば悲劇か喜劇にわけられる作品が多いが、この作品は「問題劇」と言われる作品。
だが同時に、見方によって全く異なる顔が見え、悲劇や喜劇にも見える作品。

最初に読んだ時は「なんじゃこれ?!」と笑いながら思った。
だが何度も読み込んでいくうちに、一人ひとりにそれぞれ信じる正義があり、信念の貫き方があると思った。
お客様も、かならず登場人物の誰かに感情移入できると思う。

そしてラストシーンまでどうなるか分からない作品と言える。

最後に「えっ?」「えぇぇー!?」っとなる事間違いないので、
その驚きも楽しんでいただきたい。

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report⓭衣裳打ち合わせも着々と進行中

衣裳プランナー三大寺志保美と演出の山崎清介、舞台監督 野口岳大らにより、衣裳打ち合わせが行われました。
ひと役ずつ、衣裳デザイン画や使用生地を説明しながら、進んでいきます。
今回はすべての衣裳を、プランナーの三大寺がこの作品のために、一から製作します。
下の写真のように、仮の衣裳合わせも行いました。作品の中で、市民、役人、従者を演ずる際のユニフォームのような衣裳です。
衣裳合わせも間近に迫り、通し稽古も始まります。
プロダクション全体が今月末の初日に向けて、熱量高く動いています!
どうぞお楽しみに!

 


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試演会『尺には尺を』概要

【あらすじ】

ウィーンの公爵ヴィンセンシオは外国に旅行すると偽り、厳格なアンジェロに公爵代理を委任する。そして、修道士に変装し、アンジェロの統治ぶりを見ていた。

若い紳士クローディオの恋人ジュリエットが妊娠し、クローディオはアンジェロから、姦淫罪で死刑を宣告されてしまう。

クローディオの妹イザベラは兄の命を救うため、アンジェロを訪ね、嘆願する......。  


【人物相関図】 

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キャスト

ヴィンセンシオ(ウィーンの公爵)............星 初音
     

アンジェロ  (公爵の代理)................. 大西 遵 
  

エスカラス  (老貴族)........................佐藤勇輝 
  

クローディオ (若い紳士).....................今井公平
 

ルーシオ   (放埓な男).....................仁木祥太郎 
  

刑務所長...............................................田畑祐馬
   

ピーター   (修道士)........................五十嵐遥佳 
  

ポンピー   (オーヴァーダンの召使い) 伊藤 麗

アブホーソン (死刑執行人)..................濵田千弥
   

バーナーダイン(放埓な囚人)..................佐藤勇輝
    

イザベラ   (クローディオの妹)......... 前田夏実
  

マリアナ   (アンジェロの許嫁)......... 渡邊清楓
  

ジュリエット (クローディオの恋人)...... 加部 茜
 

フランシスカ (修道尼)........................五十嵐遥佳 
  

オーヴァーダン(女郎屋の女将)............... 濵田千弥

市民たち、役人たち、従者たち(公爵役以外)全員  

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チケット残券情報

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